補足と、いただいたコメント

先の藤原新也の文章の転載で、一部抜いてしまったところ(傍線部分)があるので、補足しておく(重要なところかもしれないので)
 
<ひとつ良いことがあれば100の悪いことは帳消しに出来ると言うのが私の考えだからだ。逆に一つの悪いことは100の良いことを帳消しには出来ない。>

 Mさんより次のようなコメントをいただいたので、紹介させていただく(文章の一部略。お許し下さい)

<2月6日の「楽天的に考える」を興味深く読ませていただきました。私は「どちらかと言えば楽天的な死生観を持っている」と言えると思います。背景には、曹洞宗の「無」という世界が、それとは相反し「自然崇拝・先祖崇拝(アニミズム)」というDNAも色濃く残っています。つまり「あの世はない」「霊魂は存在する」という矛盾が私の中で共存しているということです。
新也さんの「死ぬ間際には自分の人生の悪かったことは全部忘れ、いいことばかり思い出し、いい気分で死ぬであろう」に「そしてあの世から自分の子孫を見守り続けるであろう」という言葉を付け加えたいと思います。こう考えればいかなる人生も楽勝です。>

楽天的に考える

Positive Thinking と Negative Thinking という2つの考え方がある。現実をきちんと見なければいけないが、それとは別に、悲観的に考えるか、楽観的に考えるかの二者択一で言えば、楽観的に考える方が、いいのではないか。
そのようなことを考えていたら、同じことを、とても的確な比喩で藤原新也が書いていた(下記)。
自分の文章で書けなかったことは悔しいが、楽をして同じことを言えていいか。

<ひとつ良いことがあれば100の悪いことは帳消しに出来ると言うのが私の考えだからだ。(中略)
根っからの楽天的な性格ということも作用しているかも知れない。
私はときおりあのチンパンジーと似ているようなところがあると思う。
小学生以上の知能があるよく訓練されたチンパンジーに目のない人の顔を見せても、そこに目を書き入れることはなく、いろいろなものを書き加えるという実験を見たことがある。
だが人間はそうではない。
目のない人間の顔を見せると必ずと言っていいほど、欠けた目を描く。
つまり人間という動物は欠けたものに目が行くわけだ。
あまり前向きとは言えない。
私はどうやらチンパンジーと似ているようだ。(中略)
マイナスのことに目を向けない私はおめでたい男なのかも知れないと思う。
しかしそのようにして67年間前向きに生きて来れたのであり、これからもその性格は変わらないだろう。
そして死ぬ間際には自分の人生の悪かったことは全部忘れ、いいことばかり思い出し、いい気分で死ぬであろう。> (CATWALK,、2月2日より転載)。

教育原論Ⅱの試験問題候補

敬愛大学で担当している「教育原論Ⅱ」の学期末試験がもうすぐ(2月1日)である。この授業では教育のことを考えるのに役立つであろうことを、さまざまに話した。資料で配布したプリントも50枚(ページ)近くになると思う。学生がどこに焦点を絞っていいかわからず、勉強しないと困るので、あらかじめ問題の候補を出しておいた。それが以下である。

2012年 教育原論Ⅱ 問題 候補 
 
1  現代日本の家庭教育の特徴はなにか。
2  家庭の教育力を高めるためには、何をすればよいか。
3  幼児期の特徴について説明しなさい。(幼児期の孤独など)
4  学校行事の機能について説明しなさい。
5  学校のもつ「権力」について説明しなさい(「内在的な権力」など)
6  競争と教育の関係について説明しなさい。 
7  ボランティア活動と教育の関係について説明しなさい。
8  多様な文化を、教師はどのように扱えばよいか。
9  公立学校の役割は何か。
10  「レス ワース(よりひどくない)」の選択について、教育の例で説明しなさい。
11  からだとことばの関係について説明しなさい。
12 感性の教育や創造的な教育について説明しなさい。
13 規律の教育について説明しなさい。
14 西洋の教育の思想家の名前を、5名あげなさい。

どの問題を出そうか思案中である。一番やさしいのは14番、一番難しいのは10番ではないかと思っている。