風の便り68号

花が好きで、いろいろな所に花を見に行ったり、花の苗を買って来て庭や植木鉢に植えたりいるが、花の名前を覚えることは苦手で、名前の知らない花が身の回りに多い。いつも「風の便り」で主に昆虫の写真を送ってくれる辻秀幸氏は、近頃花に興味を持ったようで、68号は花の写真とその解説。人は年齢重ねるにつれ関心が、花→木→盆栽→石と移ると言われているが、私より高齢の辻氏が、花に関心を持たれたことを元気の証として喜びたい。

カモメは渡り鳥―夏にはいない

 日頃の食べ物(パンやご飯)で余るものがある。食品ロスを考えると捨てるのにしのびなく、冷凍室に入れ、まとめて解凍し、近くの海(検見川浜)にいく時鳥の餌に持って行く。浜辺でお腹を空かせているカモメにやる為である。昨日(6月2日)も、余ったパンで解凍したものを小さく刻み、お昼近くに海岸に持って行った。しかし、カモメの姿を1匹も見なかった。その代りに餌を食べに来たのは、鳩と雀だけ。カモメは渡り鳥だったのか、どこか寒いところに行ってしまったのであろうか、ネットで調べてみた。

<かもめは、港や海岸などの沿岸部に棲息していて 小魚やカニ、昆虫類、ミミズなど なんでも食べる雑食性なので 「海辺のお掃除屋さん」と呼ばれることもあるそうです。 かもめは、夏の間 ユーラシア大陸の北部やカナダ、アラスカなどに生息していて 冬になると日本にやってきます。そして、春夏には 繁殖期になるので 再び日本を離れます。つまり、渡り鳥なのです!「かもめ」みたいで 1年中 海で見られる鳥! それは、「ウミネコ」です。 「ウミネコ」は、「かもめ」よりも少し大きめで 色が似ています。けれど、背部と 翼表面の灰褐色が「かもめ」よりも濃くて 尾羽に黒い帯模様があるのです。https://www.town.yakumo.lg.jp/blog/kumaishi/index.php/2021/03/10/1605/

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教育人類学のこと

30年の前のことだが、アメリカの教育人類学者から、アメリカでは教育社会学の研究より教育人類学の研究の方が盛ん、という話を聞き(ただ聞き間違いだったかもしれない)、そのまま信じてきた。それを生成AIに聞いたところ、教育社会学の方が盛んという回答だった。実際は、もう少し調べて見ないとわからない。

日本では、欧米のsociology of educationという本をよく見るが、 anthropology of educationという本は、あまり見ないようにも思う。また日本の最新「教育社会学辞典」には、索引にも教育人類学(anthropology of education)という言葉も出てこない。

一方後発の「日本子ども社会学会」には、創設の時から、教育人類学や子どもの文化人類学に関心のある人、その専門家が何人もいた。そのことは、鵜野祐介「教育人類学と子ども社会研究一課題と展望一」(子ども社会学研究15号)に詳しい。

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jschildstudy/15/0/15_12/_pdf/-char/ja)

日本では異文化間教育学会、多文化教育等、教育人類学に近い研究領域はかなりあると思う。また、日本の教育社会学は教育人類学的観点も多分に含んでいるように思う。

以下、生成AIとのやり取りを転記しておく。

Q―Which is more popular in the United States: sociology of education or anthropology of education?

A―1(Bing チャト)

Sociology of education seems to be more popular in the United States, with over 1,000 universities offering sociology programs. In contrast, only about 400 universities offer anthropology programs1.

However, let’s delve a bit deeper into the relationship between these two fields:/Sociology of Education:Definition: Sociology of education examines the social processes and institutions related to education. It focuses on how social factors (such as class, race, and gender) influence educational outcomes, policies, and practices./Research Areas: Sociologists of education study topics like educational inequality, school organization, curriculum development, teacher-student interactions, and educational policies./Impact: Sociology of education plays a crucial role in shaping educational policies and practices by providing insights into social dynamics within educational systems./Recent Trends: There has been an increasing emphasis on sociological data in teacher education curricula, especially in social studies programs2.

Anthropology of Education:/Definition: Anthropology of education (also known as educational anthropology) explores the cultural, social, and psychological aspects of education. It examines how education is embedded in cultural contexts and how it shapes individuals and communities./Research Areas: Anthropologists of education study topics such as cultural variations in educational practices, learning processes, identity formation, and the role of education in c        

A-2 ChatGPT

In the United States, both sociology of education and anthropology of education have their respective followings and areas of influence, but sociology of education tends to be more popular and widely studied.

Sociology of Education:/Focuses on how societal factors, institutions, and social structures impact education./Studies issues like inequality, educational attainment, and the role of education in social mobility./Often involves quantitative research methods and large-scale data analysis./More commonly integrated into education departments and frequently overlaps with policy studies.

Anthropology of Education:/Emphasizes the cultural aspects of education, exploring how cultural beliefs, practices, and contexts influence educational experiences./Utilizes qualitative research methods, such as ethnography, to provide in-depth understandings of educational settings./Offers valuable insights into the lived experiences of students and educators within their cultural contexts./Though highly respected, it is less commonly pursued as a primary focus compared to sociology of education.

大学図書館に関して

大学図書館に関して、皆どのようなイメージをもっているのであろうか。私自身は若い頃(高校生の頃)から図書館は好きで、学校の図書館や公共の図書館もよく利用した。ただそこで本を借りるというよりは、静かな図書館特有の独特の雰囲気の中で本を読んだり、勉強するのが好きだったように思う。大学の図書館のゆったりと身を沈めることのできるソファーが好きで、授業の合間に気楽な本を読んだように思う。

一方、置かれている本に関しては、古今東西のたくさんの本があるところほど感激した。しかし、近頃電子書籍や電子配信の雑誌が増えるにつれ、図書館に紙の本の置かれる冊数に関しても制限が出て来て、減少しているのではないかと感じることがある。それに最近大学図書館でも本は新刊ばかりがもてはやされ、古い本の価値が下っているのではないかと感じる。それに、大学図書館にふさわしい選書がきちんとなされているのかと思うこともある。

昔、武蔵大学に専任で勤めていた時、大学図書館の選書委員を務め、図書館職員の人たちと2か月に1回選書の会が開かれ、新聞各紙の書評欄はじめ、皆で候補の本やその書名を持ち寄り協議して選定した。紀伊国屋の新刊のコナーに交代で行き、大学図書館に相応しい本を選んだことがある。それだけ大学図書館に置く本に気を遣っていた)。

 各大学の蔵書の冊数に関して、生成AIに尋ねてみた。下記は、トップ20と、そのおおよその冊数。

東京大学附属図書館:約9,300,000冊/京都大学附属図書館:約7,000,000冊/早稲田大学図書館:約5,800,000冊/慶應義塾大学メディアセンター(図書館):約4,700,000冊/大阪大学附属図書館:約4,000,000冊/東北大学附属図書館:約3,800,000冊/名古屋大学附属図書館:約3,200,000冊/九州大学附属図書館:約3,000,000冊/北海道大学附属図書館:約2,900,000冊/神戸大学附属図書館:約2,600,000冊/一橋大学附属図書館:約2,400,000冊/筑波大学附属図書館:約2,300,000冊/広島大学図書館:約2,200,000冊/横浜国立大学図書館:約2,000,000冊/明治大学図書館:約1,800,000冊/中央大学図書館:約1,700,000冊/立命館大学図書館:約1,600,000冊/上智大学図書館:約1,500,000冊/東京工業大学附属図書館:約1,400,000冊/東京外国語大学附属図書館:約1,300,000冊

私のこれまで勤めた大学では、上智大学図書館:約1,500,000冊/武蔵大学図書館:約510,000冊/敬愛大学図書館:約160,000冊の蔵書。

ある本が、全国の大学図書館に何冊くらい入れられているのか、それはどこの大学かは、https://ci.nii.ac.jp/books/?l=ja で知ることができる。

武内清編『キャンパスライフの今』(玉川大学出版部)は227館で所蔵。高野良子, 武内清編著「教育の基礎と展開 : 豊かな保育・教育のつながりをめざして」(学文社 2016.4)87館、武内清「学生文化・生徒文化の社会学」(ハーベスト社 2014.3 )67館。

アフォーダンスー排除ベンチについて

過去の私のブログに、アフォーダンス【affordance】について、「動物と物の間に存在する行為についての関係性そのもの」である。しかし近年、特にデザイン領域においては、「人をある行為に誘導するためのヒントを示す事」というような意味で使用される事がかなり多い」と書いた(2016年5月16日)。 このアフォーダンスの例のようなことが、「排除ベンチ」という形で現在あり、問題になっていることが、最近(5月25日)の朝日新聞に掲載されていた。

「座面が湾曲していたり、中央部に金属の棒が付けられていたり、腰掛けの奥行きが短かったり……。一目見ただけでわかりますが、とにかく座りづらい。そういうプロダクト(製造物)です」 「ホームレスのように、ベンチを寝床にする人をズルとみなし、その一部のズルを黙認するのではなく、みんなが少しずつ不幸になることを選んでいます」「これは生活保護をめぐる対応に似ています。『一部に不正がある。不正は許されない。だから、全体を厳しくしよう』というものです」(五十嵐太郎・東北大学教授)

この記事で、「排除ベンチ」があからさまに果たす機能(ホームレスをを排除する等)は、アフォーダンスそのもので、問題であるにしても目新しいものではないが、「生活保護をめぐる対応に似ています」という指摘には感心した。生活保護や、ジェンダーの平等や、教育の世界では奨学金やいじめ対策法案なども、一見、弱者を支援する方策のように見えて、実際は弱者を社会の中で排除する仕組みがその中に組込まれているのかもしれない。それを検証・暴露するのは、社会学、教育社会学の研究者の仕事だと感じた。