東大名誉教授(元上智大学教授)の清水義弘先生の一周忌が近づいているが、追悼刊行委員会よ り『清水義弘、その仕事』(東信堂、2007年12月)という本が刊行された。総ページ213ページの立派な本で、61名の教え子や知人の追悼の言葉(思 い出)が掲載されている。奥様の「思う出すままに」といういい文章も掲載されている。
執筆者名前を一部あげると、麻生誠、天野郁夫、潮木守一、神田道子、新井郁男、菊地城司、藤田英典、金子元久、小林雅之、渡部真、苅谷剛彦、高祖敏明、浜名篤、新堀通也、黒羽亮一、高桑康雄、堀尾輝久などとなっている。一読に値する本である。
先生の1周忌に間に合い、先生のご霊前にお届けできたのは、教え子の一人としてうれしい。先生が内容を読んで喜ばれると同時に、苦笑されている顔が思い浮かぶ。安らかに。
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授業中の私語について
今学期、私の担当している講義科目は2つある。そのうち一つは私語が多く、もう一つは私語が ほとんどない。私語について学生の言い分を聞くと、「私語の多い授業は、教員の側に問題があり、講義内容がつまらなかったり、話が下手だったりする」と、 教師側の要因を挙げるものが多い。また、私語を取り締まらないのは、教員側の管理責任のなさ、という学生の意見もある。
しかし、私の2つの講義内 容や方法にそれほど違いはないはず。かえって、私語のない「教育原理Ⅱ」の方が退屈な基礎的な事柄の内容で、私語の多い「教育社会学Ⅱ」は歌や文芸の題材 も取り上げ学生の興味を引く筈。私語の多い「教育社会学Ⅱ」は、学科の仲間が多く、教師も学科の教員なので気楽で、気の緩んだ気持ちで受講しているのであ ろう。
「授業の最初に、この教師はどの程度、私語を許すのかを見きわめ、その見きわめに従い、以後私語の程度を調整する」と学生はコメントに書いている。
要するに、教員の態度に学生は対応してだけ、授業の最初が肝心ということか。教師と学生の信頼関係、学生の自主的勉学態度を前提とした講義内容や形式は、通用しないのであろうか。少しさびしい時代である。
社会学科・目黒依子先生のお話
総合人間科学部の教員の懇親会(12月19日)で、社会学科の目黒依子先生のお話しを、少人数で聞く機会があった。「なぜ社会学の研究者を目ざしたのか」、「どのような経緯で家族やジェンダーなどのテーマに関心を持つようになったのか」等、先生の淡々としたお話しが、心にしみた。福武直先生、森岡清美先生など、懐かしい先生のお名前も出てきて、私にも共通の接点もあったことを知った。「ネットワーク」、「ライフコース」、「個人化する家族」というキーワードで、先生が何を考えたのか、先生から頂いたご著書を、じっくり読んで再考したいと思った。社会学の面白さを再認識した会であった。
教育学科卒論発表会
今年度は、教育学科の卒論の公開発表会を開くことになった。日程は、2008年1月19日(土)、9時30分より16時頃まで。場所は上智大学4-175、4-183,4-185教室。卒論を書いた39名が、一人の持ち時間が20分(発表10分、質疑10分)で行う。教育社会学のゼミからも、6人が発表する。ご参加を。(教育社会学のゼミ論発表会は、別に開く予定)