上海万博旅行

娘が上海万博に行くというので、それに同行した。うちでは妻と娘たちが海外旅行し、私は犬と 家で留守番というパターンがこれまで数回あったが、今回はその逆で、妻が犬と留守番し、私が娘と旅行するというはじめてのパターンであった。娘と二人で旅 行するというのは、初めてで最期の機会と思い、同行した。
7月11日(日)に、午後3時に妻の運転で家を出て、30分ほどで成田空港に着いた。 搭乗手続きを済ませ、午後後6時10分成田発のNHの飛行機に乗り込んだ。同じ飛行機に上海のにぎやかな小学生が50名以上一緒で、どうなることかと思っ たが、私たちはセミビジネスのようなゆったりした席に移された。井上揚水のライブを見ながら、ワインと美味しい機内食を味わっていたら、あっという間に上 海空港に着いた。空港には、旅行社の人が待ち受けていて、ホテルまで送ってくれた。ホテルは、街の中心地からは少し外れたところにあるが4つ星のホテル で、設備も豪華で快適であった。夜11時過ぎにホテルの周りを娘と散歩してみたが、コンビニの店だけが開いていたが、治安の悪さは感じなかた。
12日(月)朝7時、一人でホテルの周辺を散歩した。バス、乗用車、オートバイ、自転車、リヤカーの行き来は多く、クラクションの喧騒はすごい。裏の方に 回ると、まだバラックのような家もあり、朝食や野菜を売っている店も出ていて、日本の戦後直後を思い出した。(スイカは1個、2元(=30円)で売られて いた)
9時半頃、ホテルを出て、タクシーを広い、万博会場に向かった。タクシーの初乗りは12元(=160円)と安く、20分ほどで、万博の入 り口に着いた。万博会場は、上海市の中心地を流れる川の両側の広大な敷地内にあり(中の移動はバスとフェリー)、どこに最初に行くべきか迷ったが、まず一 番空いていると言われるEゾーンに行き、あまり待たずに入れるパビリオンを探した。どこも1時間以上待ちという表示が出ている中で、「都市の未来館」とい うパビリオンが20分待ちとあり、そこに最初に入った。映像やさまざまな展示品のセンスがよく、とても楽しめた。 その後も、待つのは嫌で、すいたパビリ オンを選んで入った。結局20近く入ったことになるが、それらはすいていることだけのことがあり、展示にセンスがなかったり、手抜きであったりで、がっか りすることが多かった。
とにかく、広い敷地の中に、多くの人がいる。そのほとんどが中国人(上海人?)で、西洋人は少なく、また日本人らしき人 に、ぜんぜん出会わなかった。中国で万博が開かれるということが、中国人には、誇らしくうれしいのか、皆ニコニコしている。また中国の人は皆元気で、大声 の中国語が飛び交っていた。
夕方になると人が減るというので、バスに乗り、Cゾーン(ヨーロッパなどのパビリオンが集まっている)、Bゾーン(都 市やオセアニアのパビリオン、)、Aゾーン(中国、日本、韓国、アジアのパビリオン)に移動した。 夜8時を過ぎると少し人が減って、アフリカ諸国やイラ ン、パキスタン、北朝鮮、アルゼンチン、チリといったパビリオンはすいすいと入れた。しかし、アメリカ、カナダ、ロシヤ、エジプトそしてヨーロッパの主な 国々のパビリオンは相変わらず行列で、そう簡単に入れそうもなく、入場をあきらめた。日本館は大変な人気で、夜9時の時点で、3時間待ちの行列であった (中国の人に日本(館)がこれだけ人気があるというのは、喜ぶべきことだと思い、その行列を写真に収めた。)
このように朝9時過ぎから夜10時 近くまで、万博を見て回り、足が棒のようになった。その日の天気は曇りで、雨も降らず、それほど暑くなく、ラッキーであった。1つでもいいパビリオン (「都市の未来館」)を見ることができたし、中国人の生の姿をたっぷり見ることが出来、充実した一日であった。
13日は、上海の大学の日本語学科に勤めている友人が、その女子学生を5名ほど連れて、2時間半かけて ホテルまで来てくれ、上海市内をいろいろ案内してくれた。美味しい中華料理とビールもご馳走になった。
その女子学生たちの服装のセンスがよく、また素直でかわいく、中国女性に対するイメージが大きく変わった。大学では、よく勉強しているという。まだ日本語 学びはじめて2~3年というのに、しっかりした日本語を話す。日本に留学したいという人もいて、相談を受けたが、日本の大学への留学を勧めていいのか迷っ た(今、日本の大学では、留学生で入学定員を埋め、しかも高額の授業料を留学生から取るところがあるようで、それに見合うものが、日本での大学生活で得ら れるのかを考えると、簡単に、日本への留学を勧められないと思った)。
夕方、大学の寮に戻る友人や学生と別れ、娘の友人とその伴侶(日本人)と 食事を一緒にした。娘の友人は、日本の音楽大学を出た後、こちらでバイオリンを個人で35人ほど教えている(主に、日本人の駐在員の子どもと)才媛、その 伴侶はこちらで起業した元気な日本の若者で、日本にいる若者にはないバイタリティを感じた。
ライトアップされた上海の夜景を堪能し、ホテルに帰り、翌日(14日)日本に帰国した。
このように、3泊4日の短い上海旅行であったが、万博を1日たっぷり見、会いたい友人たちにも会え、上海の景色と、美味しい中華料理を堪能し、充実した旅行であった。
使ったのは、H社の自由行動のパック旅行であったが、航空券、空港使用料、空港までの送り迎え、4つ星ホテル3泊、朝食付き、万博1日券付で、一人5万円弱と格安であった。皆さんに、上海の万博見学をお勧めする。

第28回 学校社会学研究会のご案内第28回学校社会学研究会のお知らせ

第28回 学校社会学研究会のご案内

毎夏に開催している学校社会学研究会も本年で第28回を迎えることになりました。
本年の研究会は下記の要領で開催いたします。万障繰り合わせのうえ、ご参加ください。
また、発表者(個人・共同いずれも可)もあわせて募集いたします。発表時間は1発表40分(質疑応答を含む)程度を予定しております。
7月末頃にプログラムを決定し、追ってご案内いたします。多くの方のご参加をお待ちしております。

第28学校社会学研究会 世話役
岡崎友典(放送大学)
武内清(放送大学客員)

日時 2010年8月26日(木)~8月27日(金)
26日 13:00集合~18:00 研究発表  終了後18:30~ 懇親会
27日 9:00~12:00 研究発表  12時 昼食
13:30~16:30 シンポジウム(予定)
会場 放送大学 セミナーハウス http://www.u-air.ac.jp/hp/sisetu/sisetu03.html
http://www.u-air.ac.jp/hp/sisetu/center/skanto/chiba/gaiyo.html
放送大学〒261-8586 千葉市美浜区若葉2-11 Tel:043-276-5111 Fax:043-297-2781
行き方;JR総武線幕張駅・京成電鉄千葉線幕張駅下車、海岸方向へ1キロメートル(徒歩15分)、JR京葉線海浜幕張駅下車、北方向へ1キロメートル(徒歩15分)

上智大学・教育社会学研究会のお知らせ

上智大学教育社会学研究会を下記の内容で開催しますのでご参加ください.

テーマ: 大学教育を考える
日時: 2月20日(土曜日) 15時~17時15分
場所: 上智大学 12号館 102教室

第1部 15時~16時
テーマ 自分の研究・教育をふりかえって
報告者  武内 清 (上智大学)

第2部 16時15分~17時15分
テーマ  卒業生・学生からみた大学教育
報告者  上智大学教育社会学ゼミ卒業生・学生

終了後,懇親会を開催します.ご参加ください.
(この研究会と懇親会は,「武内清教授を囲む会」を兼ねています.)
懇親会
時間: 17時30分~19時30分
場所: 2号館 5階 教員食堂
会費: 3500円(一般) 1000円(院生・学生)

上智大学・教育社会学ゼミ・就職活動・就職説明会

毎年、恒例で開いていますが、教育社会学ゼミの4年生がゼミの3年生に、就職活動に関して話す会を、今年も下記のように開きます。
卒業生の方も、是非ご参加下さい。就職活動では見えない、職場・職業の様子を、お話いただければと思います。
ご参加をお待ちします。

日時 12月16日(水) 午後7時~9時
場所 上智大学  2号館14階 教育学科会議室2

武内 清

教育社会学Ⅱ リアクション (11月10日)

        担当 武内
テーマ  1 今の若者は安定志向か? 2 エコの時代か?
3  大きな成功を求めるか、失敗を恐れるか
1 安定志向か
・ 今の若者の多くが安定志向であると思うし、私もその中の一人のような気がする。今、経済不況だということもあって、その志向は更に強まっているのだと思 う。/・私は自分でもとても安定志向であり、できるだけ無駄(だと感じる)エネルギーを使いたくない保守的な人間だと、この授業を通してつくづく感じた。 /・社会は安定志向にあるのではないか。不景気と言われるこの社会では、誰もが不安を抱き、敏感になっている。現代の若者はだからこそよりシビヤに現実 を見つめているのではないだろうか。/・今の生活レベルより下へはいきたくないという考えが何より強い。ハイリスクハイリターンのかけや不安定な生活は望 んでいない。/格差社会と言われていて、失敗した場合の取り返しのができない社会だという雰囲気が今の社会に取り巻いています。・私は安定を求める。スリ ルを味わっている場合ではない。大成功を納めるためのスリルが恐い。勝負は特にしたいと思わない。/「負け組じゃない人が勝ち」という感じになっている。 勝ち組へのあこがれよりも負け組を見下す方の感情が強いのではないか。/・安定ではなく冒険を望む人は、上層の人か一番底辺の人ではないか。中間層の大多 数はわざわざリスクを負う必要性はない。/・友達はほとんど全員が大企業への就職を希望しています。「良い大学に入って良い就職をする」ことが多くの子ど も・若者の目指すところになった現代だからこそ、受験競争の激化、就活の前倒しという社会現象が起きている。・冒険型(失敗を恐れない)は、基本的に高学 歴の層の人たちからしか生まれないように思う。自分に自信があり、企業で失敗しても自分自体は大丈夫だからなんとかなるというような思いがある。今までの 成功体験(学歴による)も挑戦へのきっかけになるであろう。/・大きな成功を求める人は、経済的に余裕のある人が多いのではないかと思う。失敗しても自分 に蓄えや経済的後ろ盾があれば、生活していくことができる。/いるものでなければエネルギーを費やさないというのが私の実情です。/・大企業を求める人が 多いのは、安定志向の象徴だと思います。/・リスクを恐れる社会ーそれはメディアの影響が大きい。/・団塊世代は、自身の成したことが後の世代に影響する ことを知るべきだ。/ ・若者は将来の安定を求めいているが、現実はそれにともなっていないのではないかと考える。/ もし経済的に可能ならば、専業主婦としてのんびり生きたいという思いもある。/ リスクを避け、大きな成功よりも平和な暮らしを求めている。/ 若者は面倒くさがりやではないのか。/・私は結婚するなら、なら大きな成功を求める人の方 がいいです。(そして)私は安定した職業に就いて、少しの失敗なら大丈夫のようにしたいです。/・全体を通して、日本人は人間らしさを失っている気がす る。素直を気持ちを押し殺して理性のみで生きている感じがします。と同時に 自分も安定志向だしエコ志向だと思います。安定があってこそ新たな事柄に挑戦 できると思う。 /・私自身エコだなと感じました。ただ、私自身過去に失敗したことがトラウマになっているのか、成功すると確証しているものでなければ、 エネルギーを費やさない。/ リスクを避ける生き方というのは、辛い思いをすることはないと同時に、何か大切なものを知ることもなく生きることではないかと不安を覚えました。

2 エコ恋愛婚について
・「今時の男女は恋愛にエコを求める」という文に、斬新なフレーズとアイディアで面白いなと思った。 草食系男子が話題にのぼり、婚活をテーマにしたドラマもできる時代。
/ ムダな恋愛をするくらいなら自分の好きなことをして時間を使いたいと思っている私はまさに”ゼロラブ族”である。/ 「彼氏いるの?」と言われることに不快感を抱く。 彼氏のいない毎日は充実しているし、そこに物足りなさを感じることはない。/ 毎日連絡をとったり週に何度も会ったりするのが面倒くさい、という意見をよく聞きます。/ ・私は大きな成功を求めるより失敗を恐れるタイプだと思うから、お金持ちと結婚して楽に暮らす幸せより、普通の人と普通に暮らす幸せを選ぶと思う。/
ド キドキ、ワクワクといった嬉しい感覚やまた傷ついたりする感覚は、私個人としては人が成長する為の大事な要素だと思いますが、エネルギーを使うのは事実 で、それを恐れる人が身近に多くいることに気がつかされました。//(上智の女子学生は、)恋愛に関しては、エコ的で、来るものを待つ人が多い。他のこと に関しては、エコ的だとは思わない。/・実際好きな人ができると、人は必死になっていると思う。しかし、恋愛に求めるものが、激しさや情熱というよりは、 癒しや安定になってきているかもしれないと思う。/

2 安定志向を越えて
・学生時代には損得勘定ではなく、全てことに全力で取 り組んでほしいと思う。/大学生などは、特に新しいこと、今までとは違っうことに挑戦しようという気持ちの人が多いと思う。/・「この世の中にムダなんて ない」ー全てのことに意味があり、そこから人は学び、前に進めるのだと思う。/・失敗してもめげない精神力が人を強く成功へ導くと思います。
何を おいて失敗してもそこから学ぶものは本当に多い。今の若者は行動力がないというよりは極端にナイーブな一面があるのではないか。/・私は今の時代が「エコ の時代」だと思いません。我慢してもエネルギーは消費します。今の人は欲がないんですかね? マサか! 人間は色々な分野において欲がある筈。/ / 私はどちらかというと冒険をしてきた。高校も親元を離れ上京したし、私立女子校という身分で[松屋」にも何回も入った。/リッター35キロのプリウスよ り、時代に逆行したツインターボ・ハイオク車レガシー(利リーター7キロ)が愛おしいもののです。/・何事にも無気力だと何も得られないし、人生を人より 損をして生きているように思います。/・「やってみてダメだった方が、やらないよりも良い」と思っています。/・「やった後悔よりやらななかった後悔の方 は大きい」という風に考える傾向があるように思います。たとえ、失敗してもまた頑張ればいいのではないかと思います。大きな失敗を恐れる時間があるのな ら、その時間に成功につながる努力にあてたいと、私は考えます。つまり、私はかなり楽観主義者なのだと思います。
・私は失敗を恐れるより大きな成 功を求めたい。今の自分を守るだけでは人生はつまらないと思う。波瀾万丈な方がお金や人生の大切さ、家族の絆などを感じて生きていける気がする。常に向上 心をもって生きることこそ、自分を高め人生を豊かにできるのではないだろうか。// 大きいリスクを背負って何かをやり遂げないと大きな成功は覚束ない。