「男らしさ」について

「世界経済フォーラム(WEF)は13日、2022年の男女平等度を示す「ジェンダーギャップ指数」を発表し、日本は総合ランキングで146カ国中116位となった。21年の調査から順位を四つ上げたが、政治や経済の分野で遅れが目立ち、先進国では引き続き最下位だった(@niftyニュース7月14日)」とある。このことと関連があるかどうかわからないが、今の朝ドラを見ていて、日本人の思う「男らしさに」について、考えた。

若い男が沖縄の一地域の相撲大会に勝ち、そこで勝って好きな女性(ヒロイン)にプロポーズするという場面があった。対戦相手(二人)にも好きな女性の為に戦うという姿勢が見られた。このように、「男らしさ」とは、(か弱い)女性を守る強い男(性)というイメージが暗黙の前提として存在していることがわかる。それを誰も疑わない。

さらに、女性を幸せにすること(女性の夢をかなえることも含む)に、男は全力を尽くすこと、それを約束することも、男らしさの証として描かれている。女性はそのような強い「男らしい」男に守られ、庇護され、自分の夢をかなえ幸せに暮らすことが期待されている。このようなジェンダー観に「否」を唱えることが、朝ドラのヒロインたちにどのくらいできるのか、今後を見守りたい。

中森明菜「伝説のコンサート」(NHK、7月9日)を見る

今日(9日)、たまたまNHKテレビをつけたら、中森明菜「伝説のコンサート」という番組をやっていて、全部ではないが、7割くらいを見た。

 一世を風靡したと山口百恵、松田聖子、浜崎あゆみ、安室奈美恵などの歌手に比べると、中森明菜の印象は薄い。でも、何か惹かれるところがあると昔感じていたように思う。その理由がわからないかなと思い見た。このコンサートは、1989年、中森明菜のデビュー8周年の最盛期のものということだが、今聴いて見ても、歌やファッションやダンス(しぐさ)に時代を感じず、当時としては時代を先取りした先進的なものだったのではないかと感じた。アップの多い映像で中森明菜の表情がよく見え、その笑顔に好感を持ったファンも多いと思うが、そこに何か脆さも感じ、荒波の芸能界を生き抜いていることができるのかという危惧も感じた。

ネットで、確かめると、同じようなことは書かれていた。一部転載。

 7月9日、「伝説のコンサート『中森明菜 スペシャル・ライブ1989 リマスター版』」(NHK総合)がついに放送された。「中森明菜になりたい!」と歌手を志したシンガー・Kayaに「伝説のコンサート」はいかにして“伝説”となったのかを語ってもらった。/「伝説のコンサート『中森明菜 スペシャル・ライブ1989 リマスター版』」で放送されたのはデビュー8周年、1989年4月に「よみうりランド EAST」で行った野外アニバーサリー・ライブ「AKINA INDEX-XXIII The 8th Anniversary」の模様だ。/ あの時が一番“明菜ビブラート”が美しい、完璧! 歌声もそうですが、体力もあって、痩せすぎてもおらず、スタイルもいい。明菜さんの表情がコロコロ変わるんですよね。お客さんの中に小さなお子さんがいて話しかけたり、明菜さんの魅力が全部詰まっている。/世界中の人に見せたいライブです。日本が誇る宝ですよ。こんなに美しいものはないです! 世界中に届いてほしい!」/夜のヒットスタジオ』で拝見して、衝撃を受けました。“お人形さんが動いている!”って。ただ華美なだけでなく、その中に憂いがある、ちょっとダークサイドなものが./当時のアイドルは華やかな感じだった中で、明菜さんは異色というか雰囲気も全然違った。憂いを持っていて、/ 明菜さんにしか出せない、憂いのある表現は天下一品だと思うんですよね。何を聞いても『闇』を感じる。表現者として明菜さんの運命そのものからほとばしる闇は本当に魅力的です。闇に美しさを見いだす文化って、やっぱり日本人にすごく合っている。だから日本人は明菜さんの魅力にハマってしまうんだと思います!」(AERA dot.編集部・太田裕子)

https://www.msn.com/ja-jp/news/entertainment/

「六本木クラス」について

第4次の韓国ドラマブームを巻き起こした原動力になった3作品の一つは、「梨泰院クラス」(他の2つは、「愛の不時着」と「賢い医師生活」)と、『人生を変えた韓国ドラマ』(光文社新書、2021.1)の著者・藤脇邦夫が書いている。確かに、私が韓国ドラマを見るようになった契機は、ドラマ「梨泰院クラス」である。(ブログにこれまで感想を書いてきた)

その「梨泰院クラス」の日本版ドラマ「六本木クラス」が、先週7月7日(木)夜9時のTBSで始まった。第1回を見ての感想は、①かなり丁寧に作られたドラマ ②「梨泰院クラス」に似せて作っている ③同じ音楽が日本人のバンドの演奏で流れている。オリジナル韓国版の方が迫力がある。④わざわざ、韓国で成功したドラマの日本版を作る意味はなんだろうなどである。

ネットで、その解説や感想を見てみた。

 2020年に動画配信大手「Netflix」で配信されブームを巻き起こした人気韓流ドラマ「梨泰院(イテウォン)クラス」をテレビ朝日が竹内涼真を主演に迎えリメイクした「六本木クラス」(木曜後9・00)の第1話が7日に放送された。作品タイトル「六本木クラス」がツイッタートレンド1位になるなど注目度の高さを示した。/ SNS上には多くの反響が寄せられた。「ほぼほぼ原作通りの展開。悪くない」「観たけど、端折られてるとこ多いな」「案外よかったな。余計なオリジナル要素追加したりしてなかったし、キャスティングもなかなか。」挿入歌は“超豪華”全4曲!本家「梨泰院クラス」のカバー曲もサプライズ披露

https://www.sponichi.co.jp/entertainment/news/2022/07/07/kiji/20220707s00041000684000c.html

この「六本木クラス」が、ネットフリクスで見ることができることがわかった。もちろん今は第1話だけだが、ネットフリクスだとコマーシャルなしで見ることができる。日本版を作った意味があるのかどうかは、これからの展開次第であろう。

追記(7月22日) 3話まで見た限り、とてもいい出来のドラマだと感じた。プロデユ―サー(監督)、主演者がいいのだと思うが、舞台の六本木のおしゃれな街の雰囲気もドラマを引き立てている。韓国ドラマ「梨泰院クラス」の核心の場面をきちんと押さえ、それを日本の役者で再現している。よく出来たカバー曲を聴くような心地よさを感じる。この日本版ドラマは、オリジナルなドラマを繰り返し見るのとは違った楽しみがある。

暗闇の中を歩く

私達は普段、明りの中で生活していることを感じる体験をした(7月1日、夜)。それは、蛍の光を鑑賞する為に、暗闇の中を1時間ほど歩いたことから感じたことである。

場所は、上越新幹線上毛高原駅から徒歩3分の月夜野ホタルの里。

「約2kmの遊歩道を散策しながら楽しめるみなかみ町でもっとも代表的なホタル観賞スポット。ゲンジボタル、ヘイケボタル、クロマドボタルなどの種類が鑑賞できます。ホタルを守ることが環境保護にもつながると、昭和58年、地元有志によって月夜野ホタルを守る会を結成。60代以上を中心とした250名もの有志が集まって、エサとなるカワニナを養殖するなどホタルの生育環境を整備したり、鑑賞会を案内したりといった活動が行われています。」という説明が上記のサイトにある。

鑑賞会は午後8時から9時までで、遊歩道は狭いところは幅2~3メートルで、街灯が全くない暗闇の中を歩く体験をした(下が崖の一角はさすがにライトがついていた。懐中電灯はもちろん、携帯のライトも禁止されている。月あかりもなかった)。暗闇の中に人がいるのがボーとわずかに見え、ぶつからないように歩かなければならない。鑑賞している人はそんなにいるわけではなく、全く人のいない暗闇を歩く時間もあった。暗闇の中を歩いていると、その暗闇に慣れ、周囲が見えることもわかった。暗闇に数匹の蛍の光が飛び交う光景は、幻想的であった。

月夜野ホタルの里の蛍は、時期が少し早く、少ししか見ることができなかったが(それでも1時間で、50から60匹くらいは見た―見たのは蛍の姿ではなく蛍の光だけだが)真っ暗の中を歩き、「昔の人はこのような暗闇の中で生活していたのだ、今の生活は光があり過ぎ」ということを感じる貴重な体験であった。

コラボ(総合芸術)の時代

今更ながら、今はコラボの時代だと感じる体験をした(7月1日。昼間)。それは埼玉県所沢市にある「角川武蔵野ミュージアム」の「ファン・ゴッホ展」を見た体験。https://kadcul.com/

「角川武蔵野ミュージアム」は、「人間と自然が折り合ってきた悠久の大地、武蔵野の地にオープンするまったく新しいコンセプトの文化複合施設。KADOKAWAが展開する『ところざわサクラタウン』のランドマークとして位置づけ。アート、文学、博物のジャンルを超え、あらゆる知を再編成した、世界で他に類を見ないミュージアム」と、上記のWEBサイトに説明がある。

そこの特別展 「ファン・ゴッホ展-僕には世界がこう見える」は、これまでの絵画展とは全く違うもので、絵と映像(動画)と音楽がコラボして、観客もその鑑賞体の中に組み込まれるという総合芸術で、絵画や芸術のイメージの変更を迫られた。また、そのミュージアムには、角川のブックストリートや本棚劇場(25000冊あり、自由に閲覧可能)もあり、本の装丁や置き方も大切だということを教えられた(TBS エンタメ情報でも紹介があった模様 (https://www.youtube.com/watch?v=MPiq2XepasE)。