武内清『教育、大学、文学、ドラマ、日常―教育社会学的考察‐』(2022.9)について

この夏の暑い時期に、新型コロナで旅行もできず、テニスも卓球もできず、暇で、これまで書いたブログの文章を、テーマごとに少しまとめ(並べ替え)、1つの冊子にしてみた。これは編集を通さない手作りの冊子(印刷と製本は印刷屋に依頼した)の為、私のいい加減さもあり、誤字、脱字などの誤りもいくつか見つかっている(下記)

正誤表 ; 57ページ 11行目、13行目 大学教育 → 大学研究 /  64ページ 下から3行目~ 65ページ 2行目まで → 削除 /  73ページ  6行目 ようである。→ 削除 /  106ページ106ページ  6行目   振替え → 振り返っ

その配布目的は、3つあって、一つは、敬愛大学での後期の授業(「教育社会学」)の授業資料、2つ目は、研究者への情報(というよりは視点)提供、3つ目は、定年退職者同士の話題提供。

冊子の全体は、10章からなる。これまで、このブログでも一部公開してきた。今回は、「X 定年後の生活 自分史」を掲載する。

昔の写真

少し自分の部屋(書斎)を片付けようと、いろいろな書類を整理していると、昔の写真が出てきて、それに見入ってしまい、片付けが進まない。

今からもう12年前になる2020年2月20日という日付の入った1枚の写真が出てきた。大学の食堂で私も含め8人が立って並んで写っている。私が上智大学の退職時の懇親会の時のものである。退職時のドタバタや当日のことをいろいろ思い出される。それにしても、一介の専任教員の退職時の懇親会に、学科の同僚の先生方だけでなく、理事長、学長、副学長まで出席してくれるなんて、上智大学は何と教員思い大学なのかと、昔の写真を見て、改めて感謝する。

また、教え子のライターが、私の上智の研究室に来てインタビューし、その時の写真をブログに載せているのを最近送ってくれた (https://crystalaki.exblog.jp/347148/)。四谷の高層の階にあった景色のよい研究室と、そこでのいろいろなことを思い出す。(これ以上、過去の思い出にふけると危ないのでやめておこう)

海浜幕張のホテルで5泊6日過ごす

今の時代、同じ商品でも店によって値段が違う。したがって、良くて安い品物を買うためには、買い手が努力して、探し回らなくてはならない。自分の足で探すという方法もあるが、WEBで探す方法が今有効である。旅行に関しても同じである。ホテルの宿泊費は、同じホテルの同じ部屋でも、宿泊日はもちろん、予約の方法や日時によっても値段が違う。ホテルは、一般に、平日(休日前日は除く)で、ネットで申し込むのが安いであろう。さらに今は、新型コロナで落ち込んだ宿泊業界を国や都道府県が援助する為に、いろいろな割引制度がある。それを利用すると、とても安く泊まれる。私の住む千葉県の割引をネットで調べると下記のようにあった(一部抜粋)。

千葉県民割「千葉とく旅キャンペーン」GoToトラベル代替の全国旅行支援で宿泊割引、地域クーポン進呈。千葉県は地域観光事業支援を活用し、千葉県の旅行を割引する「千葉とく旅キャンペーン」を実施します。「千葉とく旅キャンペーン」9/30までー内容:1人1泊につき最大5,000円割引+地域クーポン2,000円分付与、対象:千葉県、栃木県、茨城県、群馬県、埼玉県、神奈川県、山梨県在住者。(9月1日以降は1人あたり4,000円以上の旅行を対象に50%割引)、加えてキャンペーンを利用して月曜日〜金曜日の平日に宿泊をする方に、1人1泊2,000円の地域限定クーポン券を付与します。6月1日以降は、土日祝日の宿泊についても、地域クーポン券を付与します。対象期間は、2022年3月24日〜9月30日(GW除く)まで。)

上記を、利用して千葉県の美浜区にある海浜幕張のホテルに、気分転換の為に、泊ってきた。1つのホテルに3泊、別のホテルで2泊(合わせて5泊6日)。どちらのホテルも「海浜幕張駅」の近くにある高級ホテルで、通常で泊まるとかなり高額。最初のホテルのフロントで値段を聞いたら、通常シングルで1泊一人16000円とのこと。それをネットで申し込みむと、1泊5000円の県の補助の割引があり、3泊4日で支払った額が1人1万1千円。それに1日2000円の地域限定のクーポン(千葉県での食事や買い物に使える)が3日分(6000円分)ついている。比較的高級なホテルに3泊4日して、実質5000円の出費というのは最初なかなか信じられなかった。次に宿泊したホテル(5773)の部屋はツインで約40平米弱はあり、外の景色もよく、高級感が溢れていて、朝食のバイキング付で(とても美味しかった)。そこでも実質、2泊朝食付で1人4000円で、さらにお得感があった。

同じ千葉市でも、私の住んでいる稲毛区と違い、美浜区の海浜幕張の駅の周囲は、国道14号から海に向かっての一大埋め立て地で、計画された未来都市の様相を呈している。行き来する人も若い人が多く、あまり老人をみない。京葉線・海浜幕張駅前の「三井のアウトレット」はたくさんの高級ブランドの店が並んでいて、おしゃれな人が買い物を楽しんでいる。私のようなものは、勇気を出さないと入っていけない雰囲気であった(なんとか、ナイキのT-シャツとリュックを買ったが)。幕張メッセと千葉ロッテの本拠地マリンスタジアムは、海浜幕張駅から歩いて15分の海に隣接してあり、イベントや野球のある日は、行き来する人で溢れている(連日千葉ロッテの試合をやっていたので見に行けばよかったと今は後悔している)。人工的な街なので緑は少ないのかと思ったが、そうではなくもう街ができてから40年近くが経過しており、当時植えられ木々が大きくなっている。とりわけ、海浜幕張の東側の一帯は、ヨーロッパの街並みを思わせる「幕張ベイタウン」(千葉にしては少し場違いな?高級マンション群)の一角がある(幾つかのタワーマンション5715もあるが、ほとんどが中庭のある6階程度の各住宅メーカーが競って作ったマンション群5703。その横が、芝生と木々の広大な公園になっている。ニューヨークのセントラルパークをイメージして作られられたのであろう)。そこを海側に行くと、日本庭園の「見浜園」(5687)があり、その先に広いサッカー練習場と人工の幕張の海(5683)に出る。そこには、海に観ながら浸かれる温泉もある(そこにも入った)、遠くに、スカイツリーや東京の街並み建物が見える。

毎朝、ホテルを出て、1時間ほど周囲を散歩した。そこで感じたことは、私の住んでいる稲毛区と違い、スッキリした街並みだなということ。また、通勤、通学で通う人は少し見るが、全体に人が少ない(幕張総合高校に行く生徒をみかけた)。散歩している人もほとんどいない(私の住んでいるところは、多くの老人と犬が朝散歩している)。朝ということもあるが、広大な芝生の公園で遊んでいる親子ずれもいないし、犬の散歩の人も少ない。昔、上智の加藤幸次先生の案内で訪れたオープンスクールの小学校(打瀬小学校)の建物の傍を通ったが、休日の為、門は閉まり壁が汚れていて枯れた葉や蔦が壁に付いたままになっていて、少しうらぶれている感じがした。中のオープンの教育が相変わらず先導的なものであればいいと思った。千葉市も先導的な学校建築や教育には、維持費をふんだんに使えばいいのにと思った。ここを散歩したのは休日の朝だが、昼間のこの地区の人々の暮らしや学校生活はどのようなものか見てみたいと思った(近くの学校や大学は、渋谷幕張高校、昭和秀英高校、幕張総合高校、神田外語大学、東都医療大学、放送大学本部・千葉学習センターなどがある)。

昔私は家族と2駅隣の稲毛海岸を埋め立てて造られた公団の団地で10年暮らしたので、ここの人工的な街と海の塩分を含んだ空気は馴染みのもので、居心地がいいなと感じた。ところが、5泊して、老人の多い昔ながらの何の風情もない(?)稲毛区の自宅に帰って来て、少しほっとしている自分を発見して驚いた。海浜幕張の人工的なおしゃれな街で、気を張って生活して、疲れてしまったのであろうか。

日本教育社会学会第73回大会に参加する

9月10日(土)11日(日)と日本教育社会学会が日本女子大学が開催校でズーム方式で開催され、それに参加した。ズームでの大会は昨年に続き2度目である。今回の学会大会に関する感想は、昨年と半分くらい同じで、半分くらい違う。昨年は「ズームを使い(私は初体験)、大変楽しく、またいろいろ学べて有意義な2日間であった。理解が通常の学会と同等あるいはそれ以上に深まった」と書いた(2021年9月6日、ブログ)

今年に関しては、参加した同年代の友人より、<日本教育社会学会の世代交代を明らかに感じさせた学会でした。学風が変わった。学会アカデミアの集合表象を感じさせてくれないものが(あった)。いまの40代前後で学会をリ一ドしている(しつつある)若手研究者は単著、新書も出版していて「知名度が高く」それだけに自信に満ちている。饒舌で「自己完結」的な雰囲気があ(る)>という感想が寄せられた。私はそれに半分賛同し、半分違う感想を抱いた。それに関しては、別の機会に書きたい。

教育社会学関連で、過去にこのブログに書いたものをまとめたので、断片的であるが、それを下記に転載しておきたい。

中央教育研究所『小学校教員の教育観とこれからの学校教育』の発刊

公益財団法人・中央教育研究所の研究報告No98 『小学校教員の教育観とこれからの学校教育―デジタル化の流れの中でー』(2022.8.30)が発刊された。本報告は、私達の研究グループの3年越しの調査研究の成果である。

新型コロナ禍、GIGAスクール構想、児童一人一台の情報端末(タブレット)も配布、教師の多忙やバーンアウト、新卒者の教員志望者は減少といった社会的背景の中で、現職の小学校教員は、どのような教育意識や意見をもち、どのような授業や指導を子どもたちにしているかを、小学校教員の全国調査からその実態に迫ったものである。報告書は、16章と9コラム、資料(調査票、クロス集計表、自由記述の抜粋)からなる(総ページ231)。

中央教育研究所(TEL,03-5390-7488)で購入することもできるし、WEBで 全頁読むこと(ダウンロード)もできる(https://chu-ken.jp/index.html)。

研究方法と結果の概要と全体集計の一部を、下記に掲載する。