大学院時代の先輩で、武蔵大学で同僚だったTさんから多くのことを学んだ。ただ、一つだけ、学べなかったことがある。それは、学生の教育である。
Tさんは、学生に厳しく、授業やゼミで多くの文献を読ませ、かなりの量のレポートを課していた。成績評価も厳正で、怠ける学生は容赦なく落とした。
Tさん本人はとても優しい人だったが、その優しさを学生の前では決して見せず、「鬼のT」として恐れられていた。そのせいで、Tゼミの学生はよく勉強し、力をつけて卒業して行った。卒業間際にTさんははじめて、学生に自分の素顔を見せた。
その教育者としての姿勢に感銘を受けながら、私自身はそれが真似できず、学生に甘く、学生の要求に引きずられ、学生の教育がまともにできず、今日まで来てしまった。
最近、若い大学教員で、Tさんのような人に出会い、Tさんを思い出した。
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絶対値か増加率か?
50持っている人(B)が100を持つようになるのと、100持っている人(A)が150持つようになるのでは、どちらがうれしさや幸福感が高いのであろうか。
絶対値で見れば、150を持つAの方が、100を持つBより高い。
しかし、上昇率で見ると、Bの上昇率は2倍で、Aの上昇率1.5倍より高い。
具体的なことで考えてみたい。
この数字がお年玉の額であったらどうであろうか。
乗っている車の値段(価値)だったらどうであろうか。住んでいる家の値段(価値)であったらどうであろうか。賃金だったらどうであろうか。