もう梅雨入りしているのか、あまりはっきりしない天気が続いている。
昨日(20日)は、天気予報では午後雨とのことだったが、雨は降らず、梅雨の晴れ間の過ごしやすい天気であった。
千葉外房の御宿海岸では、サーフィンをする人で賑わい、もう海の家が夏の開店の仕度をしていた。
今日(6月17日)の教育原論(敬愛1年生)の授業のテーマは、「クラブ活動・部活動」。
小学校学習指導要領の「特別活動」の項のプリントを配って、文部科学省が「クラブ活動」を含む「特別活動」を、どのように規定しているのかを、読み取ってもらった。その後、西島央「部活動」(『子どもと学校』学文社)を読んでもらい、自分の意見も含め、下記の質問(リアクション)に答えてもらった。
教育原論(6月17日) クラブ活動・部活動 リアクション
1 特別活動(小学校)の目標は何ですか。
2 特別活動(小学校)には、どのような分野がありますか。
3 あなたは、小学校のクラブ活動で、何をしましたか。
4 小学校の「クラブ活動」は、何を目標にし、児童に何を学ばせようとしていますか。
5 西島央「部活動」を読んで、次の問に答えなさい。
6「学校は勉強をする場だから、クラブ活動・部活動はなくてよい」という意見に対してどう思いますか。
1から5④までに関しては、ほとんどの学生が資料の内容をよく読みとっていた。6に関しては、アメリカでは日本ほどクラブ活動・部活動を学校ではやらない(地域社会で行なう)、日本は、教師が部活動で土日もなく多忙であるという説明をしたが、学生は自分の体験からも、クラブ・部活動は学校で必要という意見が多かった。
今日の敬愛大学国際学部1年ゼミでは、「本と活字について」というテーマを扱った。まず、下記の質問に答えてもらい、この分野の自分の状況を把握してもらった。その回答を回覧して、情報を共有した。次に、濱野智史「若者はなぜISをめざすのか」(朝日新聞記事)を読んでもらい、2つの質問(下記の11と12)に答えてもらった。その後、このテーマに関して議論しようとしたが、時間切れで、議論までに至らなかった。
本&活字について(質問)
1 1日にどのくらいの量の活字を読んでいますか。( )頁くらい(新書1ページ800字)
2 1か月に、何冊本を読みますか(教科書を除く)( )冊
3 毎日新聞を、どのくらいの時間読みますか。 1 読まない 2( )分くらい
4 毎日 テレビを見る時間は 時間 分
5 毎日 スマホ&携帯を使用している〔いじっている〕時間は 時間 分
6 本屋に行く回数 1か月に ( )回くらい
7 1か月に 本をどのくらい買いますか。 ( )冊くらい
8 1か月に雑誌をどのくらい読みますか ( )冊
9 1か月にマンガを何冊くらい読みますか ( )冊
⒑ 自分の(へ部屋の)本箱(本棚)とそこにある本の種類(教科書、本、雑誌,マンガ、等)を、絵に書いてください。
11「若者はなぜISをめざすのか」、筆者・濱野智史の考える理由は何ですか。それへの意見
12 現代の日本の若者の将来には、どのような夢ややりがいがあると思いますか?
まだ学生の回答をきちんと整理していないが、3つほど印象を書いておく。
1 新聞をまったく読まないという学生が16名中15名。読む学生も1日2分が一人。家で新聞を取っていないというものも多い。ニュースはテレビで見るという。これだけ、若者が新聞を読まないとすると、施政者の政策はほとんど批判にさらされることなく、若者に受け入れられていくことであろう。現政権の支持率が安定しているわけである。日本の将来はかなり危ない。
2 スマホは1日3時間以上が半数近くいる。LINEなど人とのコミュニケーションの為が多い。
3 新聞の要点の読み取り(11の質問の回答)は、比較的できていた。大学の授業で、活字を読ませる必要はあると感じた。
6月11日の朝日新聞朝刊に、藤原新也のインタビュー記事([ニッポンの若者よ])が、ほぼ一面を使って掲載されていた。
藤原ファンの記者の思いが込められた記事で、読み応えがある。
<静かな語りの中に、熱がたぎっていた。アジアの旅で「世界の虚偽」を見た若き日の感受性は、71歳のいまも変わりないようだ。柔らかさと思いの深さが、少女たちの心を開かせたに違いない。(聞き手・藤生京子)>
藤原新也は、下記のように現代の若者の現状に憂慮していると同時に、期待もしている。
「多数派の若者は抜け殻の大バカ者連中です。奴隷制度に近い雇用の中、昔なら左傾化したはずが逆に右傾化している。東日本大震災後、結婚願望が増したように、不安が高まる中、寄らば大樹の陰で、まったりしたいんだろう。昨年、香港の雨傘運動の取材から帰国した足で渋谷へ行ったら、ハロウィーンの仮装ですごい騒ぎ。この差は何だ? と考えこんだよ」
――絶望的になりませんか。
「期待するね。たとえば海の魚は種類ごとの棚に棲(す)み分けるけど、ときどきストレスをためた変な魚が別の棚に泳ぎ込むと、一気にバリアーが崩れて魚種の違う大群になるんだ。そんな変な魚になって、世界をぱっとつなげていくのが僕ら表現者の役割。恐れず行き来すれば、異種のマグマに満ちたコミュニケーションが生まれる。そうなると怖い、と思うよ」
藤原新也は、少年少女の衝撃的な事件からその時々の若者の心情を読み解くすぐれた感受性、洞察力を持っていて感心させられるが、一方、そのような特殊な事例が一般化できるのかという危惧の念も感じざるを得ない。
最近の犯罪白書などの統計を見ると、青少年の凶悪犯罪も刑法犯少年も触法少年もかなり少なくなっている。この新聞記事の冒頭の「若者や子どもがわからない。そんな戸惑いと不安が広がっている。陰惨な事件は後を絶たず、閉じたコミュニケーションも世代の壁を厚くするばかりだ」は、記者の書いたものだが、このように藤原新也も思っているのか、聞いてみたいところだ。
我々、大学教員は、学生の素顔をよく知らない。それは、ゼミの学生についても言える。ゼミで使っている文献の要約やコメントを学生に割り当て、発表してもらうことで、その学生の意欲や理解力をある程度知ることはできるが、それも学生の属性の一部で、素顔とは言えない。
今日の敬愛の2年生のゼミでは、一人20分も持ち時間で、自分の好きなことを発表してもらった。その発表の内容と話し方が素晴らしく、とても感心した。今の学生は、表現能力、プレゼン能力がとても優れている。学生の素顔もかなり見えた。
最初のK君は、今好きで打ち込んでいる水球の話をしてくれた。水球という競技があることすら知らなかった私にとって、驚くことばかりであった。水球は水の中の格闘技のようなスポーツで、オリンピック種目にも高校の部活動にもあるという。A君は中学時代に民間のクラブで始め、今も楽しんでいるという。そのルール、競技のポイントなどわかりやすく説明してくれた。ネットでも競技の様子が見られるという。
https://www.youtube.com/watch?v=sW8hPgWoUiA
2番目のSさんは、今やっているアルバイト3つの話を、面白ろ可笑しく話してくれて、皆聞き惚れた。マリンスタジアムの売り子、スポーツクラブでの子ども向け体操指導、居酒屋のウエイトレスの3つのバイトを掛け持ちしている。いずれも人とふれあうことが多い職種で、そのふれあいを持ち前の明るさとユーモアとパワーで楽しんでいる。どこにもファンがいて、楽しくやりがいがあるという。この能力と経験は、将来の小学校教師になった時生かされるであろう。
3番目のTさんは、アイドルメンバーとしての活動を話してくれた。(私のゼミにアイドルがいるとは知らなかった)。高校時代ダンス部で活動し、ダンスが好きで払い習っていたが、アイドルのオーディションを受けるように勧められ、ダンスや歌のレッスンを無料で受けられるということで受け、合格して、週一程度、地元で活動しているという。メンバーの中の競争、確執(誰がセンターを取るか、誰のプロマイドがよく売れるかなど)もあり、辛いこともあるが、自分達の活動が人々の笑顔を引く出すことに喜びがあるという。Tさんもいい小学校教師になりそう。
http://profile.ameba.jp/mini-chu0227/
私の知らなかったゼミ生の素顔を見て、感動のゼミであった。これは、来週も続く。