チャットGPTについて(その2)

チャットGPTに関して、相変わらずいろいろ議論が続いている。私自身は、それほど試しているわけではないが、今感じていることを、記録に留めたい。

1 新しいもの(方法)が出てきたときは、いろいろ問題点があげられ非難されるが、段々人々に浸透(普及)していくものは多い。チャットGPTもそのようなものであろう。2 どのようなメカニズムで、質問に対する回答が出てくるのかのプロセスが、ブラックボックスである。3 回答は最大公約数的なものある。その意味で浅く表面的、常識的なものである。少数意見やマイノリティの意見、ユニークな見方は、出てこない。それらはデータベースに入っていないのではないか(あっても、回答を作成するときに使われないのではないか)。4 政治的な争点になっているようなこと、非政治的なことでも意見が分かれる事柄に関しては、中立的な意見を述べるような気がする。5 人名に関して尋ねると、かなり見当はずれの答えが返ってくる。この分野に弱いことがわかる。6 意見やデータの出典は必ずしも明記されないので、それが正しいものなのかどうかは、自分(質問者)で、別の方法で調べなくてはならない。7 研究者や学生の考え(見方、結論)のユニークさが要求される論文やレポートには向かないように思う。チャットGPTの回答を一般的な見方と考え、そこからどれだけ違った見方や論が展開できるのかを考える材料としては使える。8 各大学の、学生の論文やレポートにどのように使用すべきか(使用すべきではないか)に関する見解は、まちまちである。上智大学https://piloti.sophia.ac.jp/assets/uploads/2023/03/27162222/23f430e7f216cbe188652f8a6855c493.pdf、芝浦工業大学https://www.shibaura-it.ac.jp/news/nid00003130.html) 9 誤りを指摘すると、謝罪し、誤りを訂正したものを送ってくる(下記13に例を一つ示す) 10 今欧米ではチャットGPTの使用に関しては制限する方向ですすんでいる。今日本はその使用が自由であり、その分遅れているIT化がすすむとも言われている。11 出典を明記しないことに関係するが、今後著作権の問題が起きると思われる。その他、日本でも、チャットGPTの使用に関しては、規制が強くなるのではないかと思う。12 チャットGPTに関しては、「食わず嫌い」ではなく、自分でいろいろ試してみて考える必要があると思う。

13 (使用例)質問1―大学生におすすめの韓国ドラマは何ですか。チャットGPTの解答―大学生におすすめの韓国ドラマをいくつかご紹介します。①「愛の不時着」(Crash Landing on You):北朝鮮と韓国を舞台にしたラブストーリーで、主人公が偶然北朝鮮に不時着し、北朝鮮の軍人と出会い恋に落ちる物語です。北朝鮮と韓国の文化や風習、言葉の違いが描かれ、非常に面白く、感動的なストーリーとなっています。②「太陽の末裔」(Descendants of the Sun):現代の戦争医療ドラマで、特殊部隊隊長と外科医のロマンスが描かれています。非常にスリリングで、観る人を引き込むストーリーです。③「鬼滅の刃」(Itaewon Class):成功を目指す若者が主人公で、夢を追い求めながら、韓国の伝統的なビジネス文化や人種差別、セクシャルマイノリティの問題などが描かれています。社会的なメッセージが強く、若者にも共感を呼びやすいドラマとなっています。④「キム秘書はいったい、なぜ?」(What’s Wrong with Secretary Kim):会社の社長と秘書のラブストーリーが描かれたコメディーです。軽い雰囲気の中にも、登場人物たちの過去や秘密が描かれ、ドラマチックな展開があります。以上の韓国ドラマは、様々なジャンルのドラマで、大学生にとっては面白く、共感を呼ぶ作品だと思います。/ 質問2 Itaewon Classの訳は、「鬼滅の刃」ではなく、「梨泰院クラス」では、ありませんか? ChatGPTの回答―申し訳ありません。私の前回の回答に誤りがありました。正しくは、「鬼滅の刃」とは全く異なる、韓国ドラマの「梨泰院クラス」です。ご指摘いただきありがとうございました。梨泰院クラスは、韓国で人気が高く、世界中でも多くのファンを獲得しているドラマです。

追記 知り合いのI氏より寄せられて意見を転載する。

● ネット(Googleなど)にあるビッグデータを取り込んで、そこから回答する AI なので、一般的な事象、学問的なことでも教科書的な定説のあることなどは模範解答的なものを出してくる。● 専門的な内容、特殊な内容、古い内容(要するにネットに十分なデータが出回っていない、国会図書館で調べなくてはいけない類)には対応できない。● しかし、「よく分からない、データ不十分」ということをあまり認めずに、周辺のデータをつなぎ合わせて、「いかにも」な文章を作ってくる。一般的な情報でも、芸能人のプロフィールや疑似科学的なものは虚偽のデータがネットに多いので、そっちに寄ったことを書いてくるらしい。●しかし、世界的にこれは問題が多いという話になって、規制の方向に向かっているようなので、意外と数年後にはあっさり下火になるかも(ClubHouse のように)。ただ、あくまで「チャットGPT」というプラットフォームが、という話で、社会における AI の使用はもちろん増える一方。

「アプリ婚の時代」を読む

朝日新聞5月9日朝刊の耕論で、「アプリ婚の時代」というテーマで、3人識者がコメントを書いていた。なかなか興味深い内容だったので、そこで印象に残った部分を抜き出しておきたい。「恋愛への幻想は変わらない」「むしろ古い価値観を補強する」「結婚しないメリットに気がつく」というコメントに感心した。

 ■恋愛への幻想、変わらない 谷本奈穂(社会学者)― 恋愛と結婚の関係を大きな流れで見ると、近代以降、3段階に分かれます。第1は、戦前のイエ社会のもとでお見合い結婚が主流だった時代で、恋愛は必須ではありません。第2は、高度経済成長期に個人が相手を選べるようになり、恋愛の末に結婚するという「恋愛結婚」の時代です。 第3は、バブルがはじけ不況が続いた90年代からで、今は、恋愛はコスパもタイパも悪いという感覚がかなり広がっています。「恋愛は結婚に至る」とは考えない人が多くなっていった。結婚自体の必要を感じないという人も増えている。同時に、「結婚には恋愛感情が必要」(ロマンティック・マリッジ)と考える人が大半。現実の恋愛に冷めたまなざしが向けられるようになっている。しかし一方で、映画やマンガ、小説には相変わらず、「恋愛はすばらしい」と訴える言説があふれている。

 ■むしろ古い価値観を補強 阪井裕一郎(家族社会学者)―結婚の歴史を見ると、「正しい出会い方」は時代により変わってきた。仲人を立てるお見合い結婚が正当とされるようになった明治時代。戦後は、恋愛結婚が理想になり、お見合い結婚は個人の魅力がない証しではないかと恥じる人も出てきた。オンライン時代に、出会いの場がデジタルの領域に移行するのは不可逆的な現象。/新しい手段が、むしろ人々の古い価値観を補強する側面もある。マッチングには人工知能(AI)が使われるが、AIは個人が元々持つ要望や傾向に応じて情報を示す。そのため常識や社会通念を後押しする結果になりやすい。たとえば、男性の年収、女性の見た目を重視するような既存のジェンダー規範が補強されたり、年収や学歴といった「スペック」による序列が固定化されたりする。新しい仕組みを、多様なつながりを促すために利用することが課題。

 ■選べる条件、暴走する欲望 高橋勅徳(経営学者)- 婚活市場は今、巨大なデータベースとなっている。アプリに年齢、職業、年収、趣味、容姿などを入力し、結婚相手に望む条件を設定して、相手をピックアップする。欲望が暴走しはじめ、最初に設定したのは最低条件となり、それより下げようとはならなくなる。アプリは両刃の剣。欲望が際限なく増大すると、むしろ婚期が遅れるリスクが出てくる。一方で、選択にさらされる側は、価値が無力化してしまう。職場や日常的な人間関係を壊さないアプリ婚活は、スマートと言える。またデジタルネイティブの若い世代では、利用するのが当然。今の社会において、アプリは人間の本音を解放するツールと言える。アプリ婚で、女性は男性を選べるようになった。アプリ婚活でつらい目にあったことで、結婚をしないメリットに気がつく。結婚を諦めたら、趣味を充実させ、時間も自由に使える。   

「風の便り」 55号、56号の掲載

私達は日頃、動物や植物、特に昆虫や雑草など「取るに足りない」もの(と思われているもの)に対して、どのような態度を取っているのであろうか。無関心あるいは冷酷な態度を取っているのではないか。

私は輪廻(=「霊魂が,人間,動物あるいは場合によっては植物などと,1つもしくはそれ以上の存在に次々に生れ代っていくとする思想」)を信じるものではないが、多少はそのようなこともあるかもしれないと思っている。

輪廻(転生)の思想を少しでも受け入れると、虫や雑草をむやみに抜いたり殺したりできなくなる。そのような虫や雑草にも大きく2種類がある。一つはハエや蚊や庭の雑草で、それらは人や庭の草花に危害を与えるので除去したり、殺したりしまうことが多い。それに対して、蝶やトンボやテントウムシやカタツムリは人に危害を加えないので、あたたかい気持ちで見守ることになる。道端の雑草も可愛い花を咲かせていることがある。その殺傷と見守りの中間に位置しているのが蟻である。蟻が庭の片隅に生息するのはいいが、家の中に入り込み甘いものに集まるようなら困る。この中間の存在の蟻に関する考察と写真が、今回の辻氏の「風の便り」55号である。蜘蛛を扱った56号、コガネムシ等を扱った57号も掲載する。

今日から5月

高齢者にとって月日の経つのは早い。少し前に冬の寒さが緩んだと思ったら、もう5月である。年により寒暖差があり、花の季節は変動する。千葉では5月の連休の頃がツツジの花が満開になると思い、今日(5月1日)千葉市の南の「昭和の森公園」に出かけた(車で40分)。今年は開花が早かったのかツツジはすっかり咲き終わり、緑一色の公園で、鯉のぼりが空に舞い(下記)、平日のため人も少なかった。

そこから東に向かい(車で15分)九十九里海岸に行き、初夏の広い太平洋を眺め(9506,9512)、例年通り白子町で大きな玉ねぎを購入した(10キロで1,500円)。古民家のレストランで海の幸のランチを堪能し、初夏の恒例行事を一つこなし、夏に備えたた。

教育社会学のことをChatGPTに質問してみた

今「チャットGPT」のことが話題になっている。私も登録して、教育社会学のことを質問をしてみた。その質問と回答は下記。回答が早いのと、内容がかなり的確なのに驚いた。このChatGPTの回答をどう評価するか。詳細な検討はこれから。回答は質問の質に規定されるということも聞いたことがある。その意味では質問者が試されているともいえる。またさまざまな問題点も指摘されている。

質問1―「教育社会学はどのような学問ですか」

ChatGPT 回答―教育社会学は、教育を社会的な現象として研究する学問分野です。具体的には、教育制度、教育政策、教育経済、教育格差、教育の社会的機能や役割などを分析し、社会的な文脈における教育の意義や影響を探求します。/また、教育社会学は、個人の社会的背景や出自、家庭環境、文化的背景などが教育に与える影響にも焦点を当て、教育における不平等や差別なども研究の対象としています。/教育社会学は、教育を通じて社会がどのように機能しているかを理解し、社会的変化を促進するための政策や実践について提言することを目的としています。

質問2―「教育社会学は教育学と社会学のどちらに近いですか」

ChatGPT 回答―教育社会学は、その名前からもわかるように、教育と社会の関係を研究する学問分野であり、教育学と社会学の両方の側面を含んでいます。しかし、一般的には、教育社会学は社会学により近いと考えられます。/これは、教育社会学が、教育を社会的な現象として捉え、社会的な文脈や要因を考慮しながら教育を研究することに焦点を置いているからです。教育社会学では、教育制度や教育政策、教育の社会的機能や役割などが社会的文脈で考察され、社会学的な理論や枠組みが活用されることが多いため、社会学により近いと考えられます。/ただし、教育社会学は教育学とも密接に関係しており、教育学の理論や知見をもとに研究が進められることもあります。したがって、教育社会学は教育学と社会学の両方から影響を受けているといえます。

質問3-「教育社会学は教員になるのに役立ちますか」

ChatGPT 回答―教育社会学は、教員になるための専門知識や教育現場での実践力を向上させるために役立つことがあります。具体的には、以下のような点が挙げられます。/まず、教育社会学は、教育制度や教育政策について深く理解することができます。教員は、教育現場で生徒に適切な教育を提供するだけでなく、教育制度や政策にも精通している必要があります。教育社会学を学ぶことで、教育制度や政策についての専門的な知識を身につけることができます。/また、教育社会学は、教育における不平等や差別についての理解を深めることができます。教員は、様々な出自や背景を持つ生徒たちに対して、公平かつ適切な指導を行う必要があります。教育社会学を学ぶことで、生徒たちの多様な背景や文化を理解し、それに適した教育を提供することができます。/さらに、教育社会学は、教育現場での問題解決力を向上させることができます。教員は、日々様々な問題に直面しますが、教育社会学を学ぶことで、社会的な背景や制度的な要因などを考慮した解決策を見出すことができます。/以上のように、教育社会学は、教員にとって非常に有用な学問分野であり、教育現場での専門的な力を高めることができます。

質問4 「教員採用試験の内容は、教育社会学の分野からも出題されますか」

ChatGPT 回答―教員採用試験において、教育社会学の分野からの出題は一定の割合で行われることがあります。教員採用試験では、教員として必要な知識や能力が問われますが、その中には教育社会学の分野からの出題も含まれます。/具体的には、教育制度や教育政策、教育現場における問題点や課題、教育における不平等や多様性に関する知識などが出題されることがあります。また、教育現場での倫理や法律に関する問題についても、教育社会学の分野からの知識が必要とされることがあります。/ただし、教員採用試験の出題範囲は教科ごとに異なるため、具体的な出題内容は教科によって異なります。また、地域や試験会場によっても異なる場合がありますので、試験要項をよく確認して対策を立てることが重要です。

質問5 -教職のやりがいについて教えて下さい。

ChatGPT 回答ー 教育職には、以下のようなやりがいがあります。/子どもたちとの交流や成長を見ることができる-教育職に携わると、子どもたちと毎日接することができます。子どもたちの成長を見ることができるのは、非常にやりがいがあります。教師は、子どもたちが自己肯定感を持ち、自分の能力を発揮できるように、指導やサポートを行うことが求められます。/社会貢献ができる-教育職に携わることで、社会貢献を行うことができます。教師は、子どもたちに知識やスキルを教えるだけでなく、社会人としてのマナーや倫理観、コミュニケーション能力などを教育することで、社会に貢献しています。/自己成長ができる-教育職には、常に自己研鑽や教育方法の改善が求められます。自分自身の学びとともに、子どもたちと一緒に成長することができます。また、教育に関する知識やスキルを磨くことで、教育界でのキャリアアップや専門家としての評価を得ることができます。/生涯にわたって影響を与えることができる-教育職に携わることで、生徒たちの人生に影響を与えることができます。教師が伝えた知識や価値観は、生徒たちが将来に向けて大切に思うものになることもあります。教師として、生涯にわたって生徒たちの人生に貢献することができるというやりがいがあります。/以上のように、教育職には、子どもたちとの交流や成長を見ることができるやりがいや、社会貢献ができるやりがい、自己成長ができるやりがい、生涯にわたって影響を与えることができるやりがいがあります。

追記 CHatGPTに関しては、さまざまな問題点や批判も出されている。ウイキペディアにもその一部が紹介されている。https://ja.wikipedia.org/wiki/ChatGPT