老年学

新しい環境に置かれたり、新しい境遇になったりしたとき、そこで生き抜く方策を指南してくれる本を読むことは有効であろう。定年で職を退き、定年後老後を生きるということは、具体的にいろいろなことがあるのであろう。また現役で働く人にはわからない悲哀があることであろう。

地元の「卓球愛好会」でご一緒しているMさん(84歳)が、老年学の文献を紹介してくれた。私にとってはこれから必要な文献である。 

老年学に関する文献 紹介

水野 肇「40歳からの新老年学 1992-1 版

水野 肇「夫と妻のための死生学」 1984年版

水野 肇「夫と妻のための老後設計」1980版

「新老年学」   東大出版会 1992-8

佐藤真一「後半生のこころの事典」2015年版

古谷野 亘、安藤孝敏編著「改訂・新社会老年学」2013年11月版

 

Mさんの解説—-水野氏の本3冊は大変読みやすい書物であった。しかし35年前のものでデータが古いのが残念でした。東大出版の新老年学も25年前で古いものであったが1300ページの大作であった。「後半生のこころの事典」を書いた佐藤真一氏は阪大の老年行動学専門の教授(医学)で最近のデータを使い大変面白かった。大塚邦明氏の「健やかに老いるための時間老年学」はいささかわかりにくいものであった。古谷野、安藤氏の「改訂・新社会老年学」は新しいデータを豊富に使用し大変面白かった。しかし大学生の教科書に使用しているかのような硬すぎる表現で読みやすいものではなかった。しかし内容は大変濃いものであった。 

私の感想—紹介されている本には、下記のような老人の直面する具体的なことが書かれているようで、決して楽しいものではないが、避けては通れないものであろう。大変な覚悟ないし、自然体で対処する心構えが必要である。

<定年退職 継続雇用、再就職 地域活動への参加.   親の死、配偶者または自分の大病、老化の進行、 仕事からの引退、心身の質的変化、地域活動からの引退、孫への援助、自分または配偶者が要介護認定される、認知症になる、 施設に入居する、子供と同居する 、友人、知人の死配偶者の死 歩けなくなる、 金銭管理を他者に委ねる、寝たり起きたりの毎日になる>

                      

雛飾り

今、各地でお雛様の飾りが見られる。佐原でもいろいろなところにお雛様が飾られていた。千葉では、勝浦の雛祭り(http://www.katsuura-sanpo.com/news/post-15821/)が有名。一度見に行きたい。うちのお雛様も、年の一度くらいは、飾ってあげないとかわいそう。

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佐原、伊能忠敬記念館に行く

今日(2月8日)は、敬愛大学の村川教授の「佐倉プロジェクト」で、伊能忠敬記念館と、伊能忠敬が生活した佐原の街並みを見学するツアーがあるというので、同行させていただいた。 伊能忠敬は江戸時代に、現在も通用するような正確な日本全国の地図をつくった秘訣がよくわかる記念館で、そこで現物の緻密できれいな地図を見ることができ感激した。 また佐原の街並みも、歴史的建造物を残して,町の人々がそこで生活しているとのことで、昔にタイムスリップした気分が味わった。 40年近く前、私が武蔵大学人文学部に奉職したとき、その時の学部長が伊能先生という伊能忠敬の曾孫にあたる生物学の教授で大変お世話になった方であり、その縁も感じた。 また、先に紹介した谷川先生のご著書『千葉の地名の由来をを歩く』の該当箇所も読み、歴史を学んだ一日であった。 IMG_20170208_0001

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学期末試験問題(敬愛大学)

今年度の後期に私が敬愛大学で担当した講義科目は「教職概論」(こども学科2年生)と「教育課程論」(こども学科1年生)の2科目である。

毎時間資料として配ったプリント(毎回3~4枚)と、各自が書いてリアクションを見直してほしいと思い、学期末試験は、電子類を除き持ち込み可とした。そして、下記のような問題を出した。学生の答案を見ると、B4の解答用紙いっぱいに文字を埋めている学生が大部分で、読み応えのあるものが多く、講義の手答えを感じた。

教職概論 試験問題  平成29年1月31日  9時15分~10時15分

次の中から 2つ選び答えなさい。(解答の順序は自由)

1 現代の社会において、教師には、どのような資質や能力が求められていますか。それを達成する為に、どのようにすればいいでしょうか。

2 現代の教師の特質を明らかにするには、どのような方法があるでしょうか。説明しなさい。

3  学校の教師が力を発揮できるように、現代の学校にはどのような改革が求められていますか。

4  教師は子どもの親とどのようにかかわっていけばいいですか。また教師や学校と地域社会とのかかわり方について説明しなさい。

5 「教職概論」の授業で、特に印象に残っていることを、説明しなさい。

 

教育課程論 試験問題  日時 平成29年2月1日  13時15分~14時15分

次の中から 2つ選び答えなさい。(解答の順序は自由)

1 戦後日本の学習指導要領の変遷の概要を説明しなさい。

2 学校における潜在的カリキュラムの様相(具体例)とその教育的機能(はたらき)について説明しなさい。

3 21世紀には、どのような能力が求められていると、国や文部科学省は考えているでしょうか。

4 小学校の「特別活動」の意義について説明しなさい。

5 アイデンティティの達成には何が必要ですか。それに学校や教師はどのようなかかわりができますか。

6 学校や教師は社会的格差に苦しむ児童・生徒に何をすればいいでしょう。

7 ジェンダーとカリキュラムの関係について、説明しなさい。

8 「教育課程論」の授業で、特に印象に残っていることを、説明しなさい。

 

 

東書教育賞

今日(5日)、私も審査委員を務めている「東書教育賞」の授賞式があり、出席した。教育実践の論文の授賞式である。
東京書籍の千石社長、中央教育研究所の伊藤所長、谷川理事長、他各審査委員から、応募論文の内容に踏み込んだいいコメントがあり、受賞者代表のスピーチも心打つもので、教育論議としても充実したものであった。
私は下記のような通りいっぺんのありきたりのことしか言えなかったが、いろいろ勉強になった。

敬愛大学の武内と申します。審査にかかわった一人として、感想と受賞された先生方にお祝いを申し上げようと思います。
今の時代が反映した教育内容や教育方法の応募が多く、また選ばれたもののそのようなものなっていると思います。その時代的特性としていくつかのことを感じました。
第1は、学校と地域の連携が言われていますが、地域特性を生かした教育実践が多く見られました。小学校の淀野(よどの)先生の山形県の食農教育、窪谷(くぼのや)先生の黒めだかの観察・飼育も地域に根ざし、地域の資源をよく活用しています。
第2に、子どもたちの学びにおいて、アクティブラーニング的な、つまり主体的学習の重視。これは、すべての実践で感じます。中学校の新谷先生の国語の古典学習にしても、調べ学習、意見交換会、群読、創作など生徒の主体的な学びができる工夫をちりばめています。
第3に、子ども達のグループワークや共同学習の重視があげられます。多くの実践でみられますが、さらに中学校の下野先生のST(スモールティチャー)学習のように、出来る生徒が指導役を果たす試みも、生徒の学習が効果を上げていることがわかります。
第4に、IT,情報機器の活用です。デジタル機器は、工夫によっては、大きな効果を上げることが、随所で感じられます。
第5に、教科横断的な実践や教科と特別活動の組み合わせのような広がりのあるものが多くみられます。
第6に、学校全体ないし全学校的な取り組みです。今回、校長先生の応募が多かったように思います。小学校の三谷先生の学校全体での俳句作りで、クラスや学年対抗も取り入れ、学級づくりや学校の一体感に繋がる優れた実践だと思いました。
このように、教育現場も時代の流れや要請を敏感に感じながら、それに対応した実践を工夫していて、それは必要で、とてもいいことだと思います。
一方、各教科に特有の論理の上に立った教育実践も大切だと思います。今回の授賞のものでは、中学校の理科の運動単元を扱った若林先生の、実験実践がありますが、このようなものももっとあっていいと思います。教育には時代により大きく変わる部分と変わらない部分があり、また教科特有のものあると思います。
今回受賞された先生方の実践が、広く全国に公開され、日本の教育実践の水準の上がることを願っています。授賞された先生方、おめでとうございました。

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