韓国映画「パラサイト―半地下の家族」の評価

今年度のアカデミー賞を受賞した韓国映画「パラサイト」を見た(劇場ではなく、レンタルしてパソコンで)。私の感想はともかく、見た人の評価をネットで見てみた。アカデミー賞を獲得しただけあって、専門家の評価はきわめて高い。一般の人の評価はどうであろうか。

1つのサイト(https://eiga.com/movie/91131/review/)で見ると、だいたい5点満点の5か4の称賛が7割、3の中間が1割、2か1の酷評が2割という割合で、一般の人の評価もおおむね高い。

その中身を見てみると、称賛(4&5)は「経済格差を縦の構図を巧みに用いて描いた演出センスに脱帽する。何から何までセンスが良い作品だ」「貧富の差の拡大というグローバルに深刻化する問題を取り上げ、予測のつかない超一級のエンターテイメントとなった」「最初から最後まで引き込まれ、あっという間の2時間。エンディングも最高」。など。中間(3)は「面白いが、深さ・鋭さには欠ける」、酷評(1&2)は「目で見るだけの映画 何も入ってこなかった!共感する事もなく感情移入する事もなく 考えさせられる事もない」「パラサイトは刺激的ではあるものの素材が調和していない感がある。最終的に富裕層も貧困層も救われず、後味も最悪な映画だった」「評判がよかったから期待してみたけど、本当につまらない作品。色々な感性があると思うがこれを面白いと評価する人が信じられない。時間の無駄。アカデミー賞もたいしたことない。」などである。

全体では称賛が多いが、そうでない評価も少なからずあり、同じ映画でも見る人によって評価が違うことがわかる。 これは本や音楽についても同様に言えることであろう。

このことから、自分が好きや感動したからと言って人に薦めると,迷惑がられることがあることを自戒しておこうと思った。(とかく教師は自分の好きな本やドラマや音楽を学生に無理やり押し付け勝ちであるので)

梅雨時の花 ―アジサイ、蓮

梅雨時の花と言えば、アジサイであろう。千葉でもアジサイの綺麗な場所が茂原に「服部農園あじさい屋敷」(ajisaiyashiki.la.coocan.jp/)などあるが、遠くに出かけること避けている今年はまだ行けていない。ただ、近所でアジサイが綺麗に咲いているところが幾つもあり、散歩の途中で楽しんでいる。

また千葉では千葉公園の大賀蓮(はす)が、梅雨時に見頃で、昨日、見に行ってきた(車で10分ほど)。極楽浄土に咲く花にふさわしく上品で心が安らぐ見事な花である。(https://www.city.chiba.jp/toshi/koenryokuchi/kanri/chuo-inage/ogahasu-kaika2013.html)、

「教育思想」に関する遠隔授業(第6回)

私が敬愛大学で担当している「教育原論」の授業で、「教育思想」のことを扱うとき、私はこの分野に知識がない為、いつも苦労する。ただ、過去の教育思想家の教育論を、学生に興味をもって聞かせるのは教育哲学の専門家でも、難しいのではないか。(専門過ぎても学生の興味を惹かない)。ましてやその分野の素人が教科書的な知識を提供しても面白いはずはない。

そこで  「教育原論」第6回は、WEBで配信の「講義ノート」(添付参照)で、教育思想の意義を簡単に説明し、講義資料で、敬愛大学の中山幸夫教授の西洋の教育思想家7人の的確な紹介の文章と、他のいくつかの説明を配信し(添付参照)、後はインターネットでもいくらでも調べられるので調べて、「誰か一人ないし二人の教育思想家を取り上げ、その教育思想の特質を説明しなさい」という課題を出した。

学生達は、資料を読んで、興味をもった教育思想家に関して、資料とインターネットで調べ、なかなかいい解答(リアクション)を寄せてくれた(添付参照)。多少のコピペ(転記、転写)はあるにしろ、自分の興味と一致した部分を書き出し(抜き出し)、現代の教育問題と結び付け、教育思想を考えたことが、リアクションの内容からわかる(一部以下に転載。講義ノート、講義資料は添付参照)。「今の教育の考え方が昔の教育者の思想に起源があることを知った。、教育思想をもっと学びたい」という趣旨の学生からのリアクションがいくつもあり、この方法がある程度成功したことを感じる(以下、学生のコメントの一例)

<私は以前デューイの「学校と社会」を読んだのとがある。そこでデューイの教育観に感銘を受けたのを今でも覚えている。そして、高校時代に何度も目にした『ルソー』の考え方がデューイに似ていることに今回の資料を読んで気がつき、興味を持った。ルソーは、当時のフランスの絶対王政の中で「人間は生まれながらにして自由である」と説き、現実の人々の偏見や権威や慣習などによって変質される前の自然のままの人間を意味する「自然人」を作ろうと考えた。彼は、子どもには自ら成長発達しようとする内在的な能力が備わっていると説き、子どもを大人の世界から解放しその子どもの生得的な本性の考察により教育論を展開した。ルソーは、何よりも子どもの感覚や自発性を重んじ、子どもの活動意欲を喚起し、さらにそれを発展させようと主張した。また、私はルソーの「熱心な教師たちよ、単純であれ、慎重であれ、ひかえめであれ」という言葉に心を打たれた。親や教師は、子供を愛しているからと言って過度に援助を行うと、かえってそれは成長の邪魔になる場合が多くある。これは私が実際に妹とかかわる際や教師体験、そして塾講師のアルバイトでも痛感した。同時に、子どもを見守ることがどれだけ難しいことかに気がついた。だが、不安定な道を走り回って転んだ時に、初めて子どもはそのような道を走るのは危ないと気づくのである。大人が危険を予知し、走る前に止めてしまうと子どもは学べないのである。そして、ルソーのように子どもを中心とした教育を展開したデューイ。彼は、子どもが中心となり、その周りに教育についての装置が組織されていると述べ、学校を小さな共同社会と捉え、子どもにとって生活と密接に結合し、生活を通して現実社会を学ぶ場所だと考えた。デューイ・スクールでの実験授業は協力して問題解決を目指し頭も体も使い子どもの学習意欲を奮い立たせ、おまけにそれは将来の役に立つという今の日本の座学では想像のできないものであろう。私は、子供たちが大人に指図されずに、心から意欲的に学ぶ顔をいつか見てみたいと思う。すべてをデューイのような授業展開にすることは現実的ではないが、デューイやルソーの教育観を頭に入れておくだけで、将来自分が教壇に立った時にすべきことが見えてくるのではないかと思う。彼らの考え方をもっと知りたいと感じた。> 

ヨーロッパ映画のお薦め

今韓国ドラマばかりが話題になっているが、もともと映画やドラマやドキュメンタリーは欧米が発祥の地で、そちらの方が優れたものがあるのかもしれない。ヨーロッパの映画に詳しい知人より、下記の映画を薦められた。ネットフリクスで観ることができるという。これから観賞する

第1位 「ラインオブデューティ」

BBC制作の警察ものです。東野圭吾には書けないという感じです。骨太にて繊細。人間が丁寧に描かれています。https://en.wikipedia.org/wiki/Line_of_Duty

第2位 「ブリッジ」

スゥエーデン、デンマークの合作ミステリドラマです。これが好きすぎて、舞台のマルメ(スゥエーデン)に行ったほどです。https://ja.wikipedia.org/wiki/THE_BRIDGE/ブリッジ

第3位 「flea bag」

BBC制作のドラマです。中産階級の若い女性の日常や恋愛などです。高い評価を得ているようです。https://ja.wikipedia.org/wiki/Fleabag_

番外 ザ・ウインザーズ

イギリスの民間放送チャンネル4制作。王室を笑いものにしています。容赦がないです。日本では考えられません。https://en.wikipedia.org/wiki/The_Windsors

久しぶりに「テニス教室」に参加する

コロナの自粛が終わり私の住む千葉市でも、幼稚園や学校は先週からほぼ通常の授業に戻りつつある。児童・生徒たちは通常の時間に登校し、授業を受け、給食も食べ、帰宅する。塾やお稽古も再開し始めている。(大学は相変わらず遠隔授業のままであるが。今年の日本教育社会学会の大会は、大学での開催ではなく、WEBでの開催になった。)公共の施設でも使えるようになっているところが多い。

高齢者にとってコロナ自粛・その解禁はどのような変化を生活に及ぼしたのであろうか。もともと多くの高齢者は自宅で過ごすことが多かったので、コロナ禍の影響はもっとも少なかったのではないか。

私が毎週火曜日11時から2時間参加している「テニス打ち方教室」(千葉市長沼原勤労市民プラザ)がある。参加者はほとんど平日の昼間に暇な高齢者ばかりだが(少し年齢の若い女性もいる)、2か月の休止の後、再開された。それに、私も久々に参加した。いつもメンバーが集まり、コーチの指導のもと、いくつかの打ち方の練習(ボレーとスマッシュ)と練習試合をしだ。久々のテニスは爽快感があり、楽しかった。私も含め高齢者は、以前と何も変わらず、淡々と日常を過ごした様子が伺われた。