高齢者の健康法

先週夏のフジロックも終わり人のほとんどいない苗場のボードワークを散歩していたら、91歳のマウンテンバイクに乗った人に話しかけられた。医学関係の仕事をしてきたとのことで、健康に関していろいろアドバイスを受けた。

「重力に抗して運動することが必要。毎日運動して汗をかくといい。骨がすべてのもとになるので骨を鍛えなければいけない。登山が一番いい。自分は日本の山はもちろん世界の山に登ってきた。冬は苗場に来て毎日スキーをしている。苗場のマンションには、トレーニング装置が揃えてある。自分は風邪をひいたことがない。きょうだいは皆医者で、100歳以上まで生きている。目標をもってそれを達成すべく努力することは大切。見たところ、あなたは何も運動をしていないね。今からでも遅くない頑張りなさい」と、言われてしまった。70歳台くらいにしか見えない鍛えた体の持ち主だった。サイクリングの服装もオシャレで決まっている。「目標をもってそれを達成すべく努力する」というのは、歳をとってからも必要なことと教えらえた。

 今卓球愛好会でご一緒しているMさんは、今92歳で、夏でも毎日卓球やラージボールをやり、試合にも出ているという。聞いたみたら、卓球だけでなく、会社を定年退職してからは日本各地の山に一人でよく登ったという。福岡の空港でMさんが卓球の試合帰りというのにお会いしたこともある。友人と南米のマチュピチュに旅行したこともあるという。

高齢者で、元気に活躍している人を見ると、勇気づけられる。90歳代の二人の話から、山登りは健康にいいということ(今更私には無理だが)と、毎日運動することと、高齢者でも何か目標を持ちその達成を目指すことの大切さを認識した。

オートエスノグラフィー(autoethnography)について

オートエスノグラフィ―という方法で書かれた論文が今、社会学、人類学、教育学等の分野でよく見られるという。学問の新しい分野に疎くなっている私には、少し驚きの新鮮な情報である。Bing Chatは簡潔に下記のように説明する。

<オートエスノグラフィー(autoethnography)は、著者が自己省察および著述を通じて、自身の個人的経験を調査し、その自伝的なストーリーをより広い文化的、政治的、社会的な意味・理解へと結びつけるための質的研究の一形態です。具体的には、研究者が自身の経験を詳細に記述し、それを文化的な文脈で分析します。これにより、個人的な物語が社会全体の理解に貢献することを目指します。例えば、研究者が自身の文化や社会の一員としての経験を記述し、それを通じてその文化や社会の特性や問題点を明らかにすることができます。オートエスノグラフィーは、コミュニケーション研究、教育、社会学、人類学など、さまざまな学術領域で用いられています。この方法は、研究者自身の視点を重視し、主観的な経験を通じて新たな洞察を得ることができる点が特徴です。>

 他の文献では、下記のような説明がなされている。

<個人的なことを書けば、そのままAEになるというわけではない。自分のことを書いた文章をAEたらしめる必須要件として、多くの概説書が挙げている相互に関連する3つの要素がある。それは、〔A〕auto(自己性、主観性、個人的な体験)、〔B〕ethno(集団や文化の信念、慣行、アイデンティティ)、〔C〕graphy(記述、解釈、表現)である[e.g. Adams & Herrmann 2020:2]。すなわち、〔A〕を用いて、〔B〕を〔C〕することで、AEは日記や自叙伝(autobiography)や自己語り(self-narrative)と区別される表現行為となるのである。いずれの要素が欠けても、一般的に、AEとはみなされない(北村 毅「オートエスノグラフィで拓く感情と歴史 序」(『文化人類学』87/2 2022.9)

<喚起的AEにおいては,ある出来事の学術的文脈よりも,生活上・実践上の文脈の中での位置づけが重視される。それは,喚起的AEが,いわば「自己物語を介した対話的・共感的なコミュニケーション」の実践を目指しているからである。つまり,日常的な経験から自己物語を著述することによって,読者がテクストと対話したり,共感するようなコミュニケーションに参加したりすることを促しているのである>(土本哲平・サトウタツヤ「オートエスノグラフィーの方法論とその類型化)(対人援助学研究2022,Vol. 12 )>

実際、オートエスノグラフィーで書かれて論文には、興味深いものが多い。その方法を教えてくれた人の論文を含め、下記のような論文を読んで、その方法の特質を学んでいる。

1 浜島幸司「キャンパスライフと学生の成長—コロナ禍で問われる大学の姿勢」『高等教育研究24集』 https://www.jstage.jst.go.jp/article/jaher/24/0/24_49/_pdf/-char/ja 

2 高橋 勅徳「増大するあなたの価値, 無力化される私 婚活パーティーにおけるフィールドワークを通じて」(日本情報経営学会誌 2020   Vol. 40, No. 1・https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsim/40/1-2/40_201/_pdf/-char/ja)

3高橋 勅徳「新興市場でのオートエスノグラフィー:婚活市場において商品化される私」https://tokyo-metro-u.repo.nii.ac.jp/records/9333(東京都立大学)

私自身は、民族誌学的な研究、京都学派の文化社会学的研究、新しい教育社会学、内田樹の知性論 (http://blog.tatsuru.com)、村上春樹のノンフィクションの方法なども、この方法との共通点があると感じている。学びを続けたい。

生涯学習に関して生成AIに質問する(その3の2)

生成AIに関しては、まだよくわからない点が多い。特に、どのようなメカニズム(過程)を経て、尋ねた質問に対するか回答が出てくるのかが不明である。その為、その回答の真偽はその過程を吟味することからは得られない。出された回答から判断するしかない。今回、生涯学習に関して「その3」として聞いた質問のBing Chat の回答が、1回目と2回目以降で違っていた。同じ質問をして、違う回答が出てくる理由がわからない(時間の関係か。 1回と2回目以降では2時間程度の差がある)。「その3」の2回目以降の解答と、その引用文献をあげておく。(チャトGPTでは、引用(参照)文献は上がってこないが、Bing Chatでは、引用文献が表示される。Bing Chatの回答が引用文献の記述にかなりよっていることが推察される。そしてその引用文献が、大学の紀要や学会誌のようなかなり専門的な文献(しかもWEBで公開されているもの)であることが多い。

質問(自分)―イギリスの生涯学習は、労働者階層の為の教育という説を読んだことがあります。それはどのようなことでしょうか。それは日本の生涯学習に何か、示唆を与えてくれますか?

Bing Chat(2度目以降)の回答

イギリスの生涯学習が労働者階層のための教育とされる背景には、歴史的な文脈があります。19世紀のイギリスでは、労働者階級の教育は主に社会統制の手段として利用されていました。これは、労働者階級が社会秩序に適応し、資本主義社会の一部として機能することを目的としていました1。そのため、教育は労働者階級に対する「再教育」としての役割を果たし、彼らの文化や生活習慣を変えることを目指していました1。/現代のイギリスでは、生涯学習は「ゆりかごから墓場まで」の継続的な学習を指し、個人のキャリア開発や再教育、地域社会の強化などを目的としています2。特に、成人教育や職業訓練が強調されており、資格取得や就業に直接結びつかないインフォーマルな学習も支援されています2。/ 日本の生涯学習に対する示唆としては、以下の点が考えられます:①社会的包摂:イギリスの生涯学習は、社会的に排除されがちな人々を包摂するための手段としても機能しています。日本でも、地域社会の強化や社会的包摂を目的とした生涯学習プログラムを展開することが重要です。/ ②多様な学習機会の提供:イギリスでは、フォーマルな教育だけでなく、インフォーマルな学習も重視されています。日本でも、資格取得や職業訓練だけでなく、個人の興味や地域のニーズに応じた多様な学習機会を提供することが求められます。/ ③政策の一貫性:イギリスの生涯学習政策は、政府のビジョンに基づいて一貫して展開されています。日本でも、長期的な視点で生涯学習政策を策定し、継続的に支援することが重要です。/ これらの点を参考にすることで、日本の生涯学習もより充実したものになるでしょう。

引用文献(詳細情報)

  1. https://core.ac.uk/download/pdf/59180988.pdf (上野耕三郎「19世紀英国の労働者階級文化と教育態様についてのノート」(人文研究 第73号)
  2. https://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/detail/__icsFiles/afieldfile/2011/07/29/1308856_5.pdf,(第三章 「イギリスにおけるICTの活用による生涯学習支援)/
  3.  松塚俊三「イギリス労働者階級の自伝と独学の文化」(日英教育研究フォーラム 2020年24号
  4.  https://repository.kulib.kyoto-u.ac.jp/dspace/bitstream/2433/287617/1/sse_024_018.pdf 藤波明志「教育はいかにイギリス社会の分断に寄与したか」(『教育、社会、文化研究大24号』

補足

イギリスの生涯学習の特質と日本への示唆に関して同じ質問をしても、違った回答が返ってくる理由について、Bing Chatに直接聞いてみた。以下がその回答。

イギリスの生涯学習に関する質問に対して異なる回答が出てくる理由は、以下のような複数の要因が考えられます。/ 1. 視点の違い  ①経済的視点: 一部の回答は、労働者階級の経済的向上を目的とした教育政策に焦点を当てています。例えば、職業訓練やスキルアップを通じて労働者の社会的・経済的地位を向上させることを重視しています1。② 社会文化的視点: 他の回答は、労働者階級の文化的・社会的な側面に焦点を当てています。例えば、コミュニティの強化や市民参加を促進するためのインフォーマルな学習(資格取得や就業に直接結びつかない学習)を重視しています2。/ 2. 歴史的背景ー①19世紀の労働者教育: 19世紀のイギリスでは、労働者階級の教育は主に社会統制の手段として見られていました。この時期の教育政策は、労働者を「道徳的に改善」し、社会秩序を維持するためのものでした3。② 現代の生涯学習: 現代のイギリスでは、生涯学習は「ゆりかごから墓場まで」の継続的な学習を指し、個人のキャリア開発や社会的包摂を目指すものとして広く認識されています1。/3. 政策の変遷 労働党政権の影響: 1998年のブレア労働党政権時代には、「学習社会の構築」を目指し、生涯学習が積極的に推進されました。この政策は、労働者階級を含むすべての国民が生涯を通じて学び続けることを奨励するものでした1。/4. 多様なアプローチ: イギリスの生涯学習政策は、フォーマルな学習(職業訓練や資格取得)とインフォーマルな学習(コミュニティ活動や趣味の学習)の両方を含む多様なアプローチを取っています2。/ 日本への示唆 日本の生涯学習に対する示唆としては、以下の点が考えられます:①多様な学習機会の提供: イギリスのように、フォーマルな学習とインフォーマルな学習の両方を重視することで、幅広い学習機会を提供することが重要です。②社会的包摂の促進: 労働者階級や他の社会的に弱い立場にある人々が学び続けることを支援する政策を強化することで、社会全体の包摂を促進できます。/ 異なる回答が出てくる背景には、これらの多様な視点や歴史的背景、政策の変遷が影響していると考えられます。

生涯学習に関して生成AIに質問する(その3)

質問(自分)ーイギリスの生涯学習は、労働者階層の為の教育という説を読んだことがあります。それはどのようなことでしょうか。それは日本の生涯学習に何か、示唆を与えてくれますか?

チャットGPTの回答

イギリスにおける生涯学習が「労働者階層のための教育」として捉えられている背景には、歴史的な経緯と社会的な文脈があります。/ イギリスの生涯学習と労働者階層 ① 歴史的背景: イギリスでは、19世紀から20世紀にかけて、工業化と都市化が進む中で労働者階層が増加し、その教育ニーズが社会的課題となりました。労働者階層は、正式な教育機会を十分に得られなかったため、成人教育や夜間学校、労働者教育協会(WEA)などが発展し、労働者に対して基本的な教育やスキルを提供する場が作られました。② 社会移動の促進: 生涯学習は、労働者階層がより良い職業に就くための手段としても重視されました。教育を通じてスキルを身につけ、キャリアアップを図ることで、社会的な階層移動を実現することが期待されていました。③ 社会的公正の実現: 生涯学習は、労働者階層が社会の中で平等な機会を得るための手段として位置づけられました。教育を通じて、知識やスキルを身につけることで、社会における不平等を是正し、より公正な社会を実現しようとする意図がありました。/ 日本の生涯学習への示唆 ① 包摂的な学習機会の提供: 日本においても、すべての社会階層に対して生涯学習の機会を提供することが重要です。特に、高齢者や地方在住者、経済的に恵まれない人々が学びやすい環境を整えることが求められます。② 社会的公正の実現: イギリスのように、生涯学習を社会的公正を実現するための手段と位置づけることは、日本にとっても有益です。教育格差を埋めるための政策やプログラムを整備し、誰もが学べる社会を目指すことが重要です。③ 労働市場との連携: 労働者階層のスキルアップや再就職支援を目的とした生涯学習プログラムの充実は、日本の労働市場にも貢献する可能性があります。職業訓練やリスキリング(新しいスキルの習得)を推進し、労働者のキャリアアップをサポートすることが求められます。/ イギリスの生涯学習の歴史から学ぶことで、日本もすべての人が公平に学べる社会を目指し、特に社会的弱者に対する教育機会の提供を強化することができるでしょう。

Bing Chatの回答

イギリスの生涯学習は、特に労働者階級に焦点を当てた教育政策が多く見られます。これは、労働者階級が教育を通じて社会的・経済的な地位を向上させるための手段として位置づけられているからです。例えば、イギリスでは「生涯学習社会」の実現を目指し、成人教育や職業訓練を通じて労働者階級のスキル向上を図る政策が展開されています12。/ 具体的には、1998年に発表された緑書『学習の時代』では、グローバル経済に対応するために国民全体の技術・技能水準を向上させることが強調されました2。また、労働党政権下での白書『成人のための学習革命』では、成人の基礎技能向上や資格取得のための教育・訓練が重視されました2。/ これらの政策は、労働者階級が教育を通じてキャリアを開発し、経済的な安定を得ることを目指しています。また、インフォーマルな学習(資格取得や就業に直接結びつかない学習)も支援されており、地域社会の強化や個人の充足感を高めることが期待されています2。/ 日本の生涯学習に対する示唆としては、以下の点が考えられます:① 多様な学習機会の提供:日本でも、労働者階級や社会的に不利な立場にある人々に対して、多様な学習機会を提供することが重要です。これにより、社会全体のスキル向上と経済的安定が図られます。② インフォーマルな学習の支援:資格取得や就業に直接結びつかない学習も支援することで、地域社会の強化や個人の充足感を高めることができます。③ 政策の一貫性と継続性:長期的な視点での政策の一貫性と継続性が重要です。イギリスのように、政府が一貫して生涯学習を支援することで、効果的な学習社会の実現が可能となります。/ これらの点を参考に、日本でも労働者階級を含むすべての人々が生涯学習を通じて自己実現を図れる社会を目指すことができるでしょう。

生涯学習に関して生成AIに質問する(その2)

質問(自分)高齢者にとって生涯学習はどのような点で必要ですか。高齢者の生涯学習に関して国家がすべきことは何ですか?

チャット GPTの回答

高齢者にとって生涯学習が重要である理由は多岐にわたります。/ 生涯学習の必要性ー① 認知機能の維持・向上: 生涯学習は、脳の活性化を促進し、認知機能の低下を防ぐ効果があります。新しい知識やスキルを学ぶことで、脳を刺激し続けることができます。② 社会的つながりの維持: 学びの場を通じて他者と交流することで、孤立を防ぎ、社会的なつながりを維持することができます。これは、精神的な健康にとっても重要です。③ 自尊感情の向上: 新しい知識やスキルを習得することで、自己効力感や自尊感情が向上します。これにより、人生に対する満足感や意義を感じやすくなります。④ 生活の質の向上: 生涯学習を通じて、新しい趣味や興味を見つけることができ、退職後の生活が充実したものになります。また、学んだ知識を日常生活に役立てることも可能です。/ 国家がすべきこと ① アクセスの向上: 高齢者が学習にアクセスしやすい環境を整えることが重要です。オンラインとオフラインの両方で学習の機会を提供し、地方でも学びやすい環境を整備することが求められます。② 経済的支援: 高齢者が経済的な負担を感じずに学べるよう、学費の助成や無料講座の提供が必要です。特に年金生活者にとっては、学びの機会が経済的に負担とならないよう配慮が必要です。③ プログラムの多様化: 高齢者のニーズや興味に応じた多様な学習プログラムを提供することが重要です。文化・芸術、健康、テクノロジー、社会問題など、幅広い分野での学習機会を提供することが求められます。④ 地域コミュニティとの連携: 地域のコミュニティセンターやNPOと連携し、高齢者が地域社会に参加しやすい環境を整えることも重要です。地域での活動が、生涯学習の一環として機能するよう支援することが求められます。⑤ 認知症予防プログラムの導入: 生涯学習を通じて認知症予防に取り組むプログラムを導入することも、重要な施策です。専門的な知識を持った講師による講座やワークショップの提供が考えられます。/ 国家や自治体がこれらの支援を行うことで、高齢者が積極的に生涯学習に参加し、健康で充実した生活を送ることができるようになるでしょう。

 Bing Chatの回答

高齢者にとって生涯学習は多くの面で重要です。/ 高齢者にとっての生涯学習の必要性ー①健康維持と認知機能の向上:学習活動は脳を活性化させ、認知機能の低下を防ぐ効果があります。新しい知識やスキルを学ぶことで、脳の働きを維持し、認知症の予防にもつながります1。② 社会参加と孤立防止:学習を通じて新しい人々と出会い、コミュニティに参加することで、孤立感を減少させ、社会的なつながりを強化します2。③ 生きがいと自己実現:趣味や興味を追求することで、生活に充実感をもたらし、生きがいを感じることができます。これにより、自己肯定感が高まり、精神的な健康も向上します3。/ 国家がすべきこと ① 学習機会の提供と拡充:高齢者向けの学習プログラムや講座を増やし、アクセスしやすい環境を整えることが重要です。オンライン学習の普及も一つの方法です2。② インフラの整備:公共施設や図書館、コミュニティセンターなどを活用し、高齢者が気軽に学べる場所を提供することが求められます1。③ 情報提供と啓発活動:生涯学習の重要性や利用可能なリソースについての情報を広く提供し、高齢者が学習に参加しやすいようにすることが必要です2。④ 世代間交流の促進:若い世代と高齢者が共に学び、交流する機会を増やすことで、相互理解を深め、社会全体の連帯感を強化します1。/ 生涯学習は高齢者の生活の質を向上させるだけでなく、社会全体の活力を高める重要な要素です。/(注1: 文部科学省の資料,  2: 健康長寿ネットの情報  3: 生涯学習の取り組み事例)