5月の花

5月のゴールデンウイークの時は、1年で一番いい季節であろう。青空が広がり、気温は、寒からず暑からずで、カラットして、気持ちがよい。
 数年前の5月のゴールデンウイークに北軽井沢の方から軽井沢を抜けて車で帰ったことがあるが、その時の山桜と新緑の柔らかさに、とても癒されたことが心に残っている。
 皆さんも、いろいろ大型連休を楽しんでいることであろう。私は、遠出が出来ず、実家(ちはら台)の、近くを散歩するだけの連休。
この季節で、一番輝いている花は、クレマチス。バラもそろそろ咲き始めている。

本の紹介、天才との比較

その本を読みたくなるような、本の紹介を書けると言うのは凄い。
前にも紹介したが、渡部真さんと小池さんの対談は、そのような気にさせる内容に満ちている。
最新の対談は、アントン・チェーホフのワーニャ伯父さんについて(http://sociologyofyouthculture.blogspot.jp/)。チエホフ全集をほしくなったほど。

そこで紹介されている、下記の内容にドキ。
(歳とった)大学教員の多くが思い当たってしまうのではないか。

<ワーニャ  (前略)考えなくちゃならないのは、次の点だ。それはね、まる二十五年のあいだ、やれ芸術だの、やれ文学だのと、書いたり説教したりしてきた男が、そのじつ文学も芸術も、からっきしわかっちゃいないという事実だ。やっこさん、二十五年のあいだ、やれリアリズムだ、やれナチュラリズムだ、やれくしゃくしゃイズムだと、人様の考えを受売りして来ただけの話さ。二十五年のあいだ、あいつが喋ったり書いたりして来たことは、利口な人間にはとうの昔からわかりきったこと、バカな人間にはクソ面白くもないことなんで、つまり二十五年という月日は、夢幻泡沫に等しかったわけなのさ。だのに、やつの自惚れようはどうだい。あの思いあがりようはどうだい。こんど停年でやめてみれば、あいつのことなんか、世間じゃ誰ひとり覚えちゃいない。名もなにもありゃしない。つまりさ、二十五年のあいだ、まんまと人さまの椅子に坐っていたわけだ。ところが見たまえ、あいつはまるで、生神さまみたいに、そっくり返っていやがる。
 (ワーニャ伯父さん「第一幕」より)

でも、このセリフを読んで、私が思い浮かんだのは、漱石の「こころ」ではなく、映画「アマデウス」に出てくる天才モーツアルトに対する先輩教師サリエリの気持ちである。天才と比較されるのでは、凡人はかなわない。

ライブ情報

BIGMADE MUSIC Inc. presents
「Heart to Heart」vol.22
(http://ameblo.jp/bigmade-music/)

日時:2013年5月21日(火)open18:30 / start19:00
場所:Rooster Northside(JR荻窪駅北口徒歩7分)
http://www.ogikubo-rooster.com/north/
料金:1,500円+ドリンク
進行・サポート:江藤雅樹 / 曽根裕貴

出演:
risa http://ameblo.jp/risa-mouichido/ the my gear notes
三上響子 http://ameblo.jp/kyoko-music/
AO AKUA http://www.aoakua.asia/
Traffic colors http://ameblo.jp/traffic-colors/

3年ゼミ3回目ー認知的不協和の理論

 4月24日[水]、敬愛大学3年の専門ゼミ3回目のテーマは「認知的不協和の理論」。
教育社会学のゼミで、なぜこのような心理学テーマを扱うかというと、心理学に興味がある学生がゼミ生に多いから。最初は前回の「予言の自己成就」と合わせて、2回ほど心理学的なテーマを扱った。
 今回も、発表者の内山沙諸里さんは、テキストの要約をわかりやすい図にしてきただけでなく、別に調べた関連する内容をパワーポイントで作成し、発表してくれた。抽象度の高い理論を身近な例に置き換え説明もわかりやすい。学生の優秀さを感じたゼミであった。

認知的不協和の理論

人のすすめる本について

大学の教師は、自分が読んで感銘した本を、学生に読むように薦めることが多い。私も今回発売になり話題になった村上春樹の『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』の最初の一部をコピーして学生に読ませたり、その解説の新聞記事(朝日新聞、4月23日、)をコピーしたりして、学生に読むように誘導しているようなところがある(実際はほとんど効果がないが、、)
だいたい、人に勧められて読む本や映画は面白くないというのが定番なので、聞き流せばよい。ただ、その勧めに従って読んだ場合、自分の感覚に合わなくて苦痛を感じる場合があるのではないか。

 非常勤先の大学で、村上春樹の今回の作品は、「若者の友人関係や恋愛や生き方に関していろいろ考えさせられる内容が含まれているよ」と話したら、学生から逆に、「先生、そのような友人関係や恋愛のことなら、『僕等がいた』(小畑友紀著、小学館)が絶対いいよ。先生も読んでみたら」と言われた。授業に参加していた学生全員が、「そうだよね。あのマンガはいいよね」とその内容で、ひとしきり話が盛り上がった。
 そこで、私は「そんなに学生がいいというのなら読んでみよう」と、帰りに、駅前のブックオフに寄り、(恥をしのんで?)店員に本の題名を言って、本の並んでいるところまで案内してもらい、全巻16冊中5冊を購入した。それは少女マンガなので、買うこと自体にもためらいがあったが(「怪しい人」と思われるのは必須)それ以上に、少女マンガのリテラシーのないものにとって、読むのがかなり苦痛で、1巻を読むのが時間がかかる。
 一緒に買った村上春樹の『アフタダーク』(講談社、2004年)(どういうわけか、この本を読んでいなかった)の方に、手(目)が行ってしまう。
 学生も私のすすめる本で、私と同じような苦痛を味わっているものもいるかもしれない、と思った。