NY Timesに Rikejo に関するのコメント

山形大学の河野銀子さん(先に紹介した「ジェンダーと学校教育」の章の執筆者)より、日本のRikejo(理系女子)に関するコメントが、ニューヨーク タイムス(NYTimes)に、載ったという知らせをいただいた。

 河野さん自身は「前後の文脈が切り取られていてコメントの趣旨が伝わっていない」と少し不満のようだが、ニューヨーク タイムズに、コメントが載るなんて、すごい。(下記に一部転載)

The topic of women entering these fields has suddenly become fashionable. They even have a nickname: “Rikejo,” roughly meaning “science women.” Publishers print magazines for young women interested in science, and there is even a novel about a “mathematics girl.”
Masao Togami, editor of Rikejo magazine, a free publication with 17,000 subscribers, said he wanted to give young women encouragement, career tips and a vision for the future. “Universities have been strengthening efforts to recruit more female students,” Mr. Togami said. “That’s clearly evident just in the last few years.”
“Rikejo fairs” aimed at high school girls have become popular. When TiTech announced campus and lab tours online last year, the slot for about 30 students “was gone in one minute,” said a university official. “We wish we could let in more.”
The tide turned around 2008, when the government began subsidized programs to support scientific research conducted by female scientists and increased funding to help universities employ more of them, said Ginko Kawano, associate professor of social education at Yamagata University

第31回 学校社会学研究会のご案内(再掲)

下記のご案内を、以前に掲載しました。まだ、宿泊、発表に余裕がありますので、参加希望の方は、お申し出ください。
発表は、一人 50分程度 を予定しています。
いろいろ、有意義なシンポも企画しています。 

学校社会学研究会第31回を、下記のように開催します。どなたでも、ご自由にご参加ください。
つきましては、ご発表を希望される方は、7月1日までに、お名前とテーマをお知らせ下さい。(発表時間は、一人1時間程度を予定しています)
 世話役  岡崎友典(放送大学)、武内 清(敬愛大学)
【連絡先】武内 清  E-mail: fwne3137@mb.infoweb.ne.jp

日時:  2013年8月19日(月)~8月20日(火)
19日   13:30分~18:00  研究発表
18:30~20時30分  懇親会
20日    9:00~12:00  研究発表
12:00~12:15  総会 解散
会場: 放送大学 セミナーハウス 会議室 (〒261-8586 千葉市美浜区若葉2-11)
会費(予定): 研究会参加費 1000円、懇親会参加費 4000円
プログラムが確定次第、お知らせし、参加予定をお聞きします。(7月中旬の予定)

「武蔵太郎君の一日」に対する学生のコメント(2012年、2013年)

A大学
「すごくだらしない生活、全く自分の為にならない」「生活のリズムが乱れている」「はたしてはこんな生活をしていていいのか」「大学に行っている意味が分からない」「両親に申し訳ない」「しっかりバイトしてお金を稼げ」、

B大学
「この物語の中で、彼が勉強している姿はひとつもない」「だらしがない。現代の大学と過去の大学とでは大きな溝があるように感じる」「非常に腹がたった。何の為に大学に行っているのかと、つい聞きたくなってしまう」「授業料の無駄をしている。将来的に苦労するのではないか」「講義に出ても寝ているのでは意味がない。大学で学ぶべき知識や教養などの少し専門的なものが欠けている」「高い学費を払っている両親の気持ちを考えると意識を変えるべき」「これでは、学校に通っている意味は分からないし、毎日がこの繰り返しであれば、本当につまらない生活だと思います」「何の為に、大学に来ているのかわかりません。大学に通っている本来の目的を根本から見つめ、意識を変えることが大切である」「学生であるという自覚が全く見られない」「太郎君のような学生は、もっと勉学に励んだり、バイトを、目標をもって生活をするべきだと思います」「私はもう少し為になることをして生活したい」「こういった大学生活を送っていては、今の私たちは不安になるのではないか」「私たち生徒は、もっと自分に厳しくすべきだと思う」。「怠惰な生活を送る友人に囲まれると自分まで怠惰になってしまう」「このような楽な大学生活を送ってきた人達が自分たちの上司になるかと思うと嫌な気分になる」
「今21世紀を生きる私の周りにもこのような堕落している大学生はたくさんいる。私はこのような人を見て軽蔑さえする」「こうゆう人多い。楽しい今ということしか重要視せず、将来を長い目で見ることができていない」「学生らしいと言えば言える。麻雀をして生きている。アルバイトもサークルなどしない。講義に出る気がない」「これが、世間が想像しているいわば大学生のステレオタイプなのだろう」
「この漫画は少し極端ですが、実際このような学生がほとんどだと思います」「大学生の一日は昔も今も、そう変わっていない」「現代の大学生とやっていることはほとんど同じ。それにしても全く勉強しない」「現代の大学生でも普通にあること」「就職の心配もない。だから毎日をただ思うように過ごせばいい時代」「私たち大学生からすれば特に異端な学生とは言えない」「こんな大学生はたくさんいるし、特に珍しいとは思いませんでした」「今の大学生と変わらないと思う。この4年間でどれだけ自分の為になる時間を過ごすかで、卒業後の将来が大きく変わるのではないかと考えさせられる」「「大学生になったら、親や教師に指図されるのではなく、学生自身で考えて行動していくべきだと強く考えます」

自分が書いた文章についての、他人の引用・解説について

先の敬愛の3年生の私の文章のコメントにも表れていたように、自分の書いた文章を他の人が、とてもわかりやすく引用・解説してくれることがある。
大学生の「生徒化」ということに関して、かって、私は、以下のように書いていたことを、他の人の引用から教えられた。もっとも、私の論を批判するために引用しているのだが。批判のポイントは、昔の大学生を理想化し、昔の大学生の多様性を見落としているというもの。この批判も、(残念ながら)ある程度正しい。いろいろ教えられる。

[以下その箇所の転載]

「生徒化」した大学生についてどのような議論がなされているか、主要な先行研究者達の意見を取り上げながら整理していきたい。
まず、大学生の「生徒化」を学生文化、若者文化の観点から捉えた研究として武内の研究が挙げられる。
武内は大学生の学生文化を高校生の生徒文化と比較した際、生徒文化の延長としての側面がある一方で、大学生の文化は高校生に比べて非常に広範な広がりと深さを持つことを指摘している12)。しかし、大学が「生徒化」すると大学生の生活は大学の設定するカリキュラムの中に組み込まれていくようになるため、大学生活における自由な時間が無くなり、そのような文化的広がりが減少してしまい13)。さらに、学生の文化には遊戯性や対抗性、特異性等の特質を持っているが、学生が「生徒化」しそれらのカリキュラムに従順になることでそのようなものも失われることも指摘している14)。そして、大学からそれらが無くなってしまった場合、大学が学生の自立性を養う場としての機能が失われてしまうと危惧している15)。

注12) 武内清「学生文化の諸相」武内清編『キャンパスライフの今』玉川大学出版部、2003 年、p.169。
13) 武内清・浜島幸司・大島真夫「現代大学生の素顔」武内清編『大学生とキャンパスライフ』2005 年、上智大学出版、p.315。 14) 同上。15) 同上。

(新立 慶「大学生の「生徒化」論における批判的考察」(名古屋大学大学院教育発達科学研究科教育科学専攻『教育論叢』第53 号 2010 年)

ジェンダー論の説明

「ジェンダー意識」にについて説明する時、「料理のできる男子って、ちょっとイケてますよね」という発言(河野銀子「ジェンダーと学校教育」『子どもと学校』学文社 p.89)に、どう思うかを問うた。
「軟弱男子」という性別役割分業意識強い発言は少数意見。
「いいね」は、今の学生の普通の発言。
しかしこれで終わってはいけない。この発言は「料理は女性のもの」というジェンダー観を前提にしての、発言である。
「当たり前」「感心する必要がない」が、ジェンダーにとらわれない正当な発言である。

このような説明でいいのであろうか。ジェンダーの説明は難しい。

これって、メタ思考?
<メタとは、「超~」「高次~」「~の間の」「~の後ろの」「~を含む」などの意味を持つ英語の接頭辞。何らかの概念について、その概念自体を対象とする同種の概念、すなわち「 ○○についての○○」を「メタな○○」「メタ○○」という。>(http://e-words.jp/w/E383A1E382BF.html)