詩オンチ?

人にはそれぞれ苦手なものがあると思う。センスがないといってもよい。私にもたくさんあるが、その一つが、詩がわからないということである。詩(音)痴といってもよい。それは、家庭教育や学校教育(国語教育)に問題があったのではないかと思っている。

藤原新也が、「詩人というのは失業者と同じようなものなので、応援のつもりで買ってほしい」とを書いていたので(http://www.fujiwarashinya.com/talk/)、ついアマゾンで、氏の推奨する詩集を1冊購入してしまった。
 伊藤友香『クロネコを撃ち殺したくなったら』(学びリンク、2013年)
   http://www.stepup-school.net/step/book/kuroneko/index.html

  読んでみると、思春期の悩みのようなものがうたわれているが、とてもシンプルで、詩オンチの私でも理解できるものがある。詩に添えられた
 北海道の通信制の芸術高校生の書いた挿絵も新鮮だ。
  うちの娘も共感すると思い見せたら、「自分の書く歌詞とは違う、ストレート過ぎる、暗すぎる」といわれた。やはり詩は難しい。
  いくつか、転載しておく。(これは、一つ一つが独立したもの。転載が 詩の著作権を侵してない、といいのだが)

  暑いものも嫌い 寒いものも嫌い 鈍いものも嫌い 痛いものも嫌い 嫌いなものをあげていったら 世界が消える  

  北極熊は思った ここは寒いな~ そして南に向かった そうしたら死んでしまった 

  赤信号 みんなで渡っても 轢かれるときは轢かれる

  勝手に入ってこないでよ ここは私のテリトリ―なのだから

  怒りが悲しみを越えると目が乾く

  捨てることもしない 欲しがりもしない 弱虫

 「私は悪くない」 と言い張りながら 自分が悪い事に気づき始めてた

  誰かが隣にいれば それでいい そういうことも あるだろう

  疲れたね そりゃあ そうさ 生きているんだもの

人間は優しい動物だ そう思える今日は いい日だね
 

小学校英語について

放送大学の院生で、私が論文の作成を手伝った院生がふたり、小学校の英語教育について、メールでやり取りしていた。ふたりはこの問題に素人ながら(Aさんは公立小学校運営委員,Bさんは日本語教育に関係している人)、興味ぶかい内容なのでで、本人たちの了解を得て、紹介したい。(放送大学の大学院卒業生は、いつもこんなに格調の高いメールのやり取りをしているのか、と感心する)
小学校の英語教育はまだ、模索状態なのであろう。私の勤める敬愛大学国際学部こども学科は、英語に強い小学校教員の養成を目指している。

Aさん
 公立小学校で英語活動が導入されましたが、10月10日にオーストラリアの姉妹校の児童・先生が来られることになり、付け焼刃ですが、R(語学学校)に通い始めました。
英語指導員の方はいるのですが、会話する機会が無いとも限らないので、一日2~4コマ、当日までに40レッスン、詰め込んでいます。耳は慣れてきましたが、学校の制度など、日常会話では済まない要素が多いので、やはり、家での英作文も欠かせません。
英語教育、というと、コミュニケーションか文法重視かと2者択一的に論じられることが多いのですが、両方必要だと改めて思いました。
語学の勉強は難しいものですね。また、世田谷区は「日本語特区」ですが、「日本語」か「英語」かの2者択一ではなく、これからの時代両方必要だと感じます。限られた授業時間の中、義務教育も考えなければならないことが山積していますが、とりあえず、私は目の前のことの対応に、あたふたしています。
Bさん 
「日本語教育」に関わった、関わっている者の意見・感想・経験として気になっていたことなどメールさせていただきます。
まず私自身の英語力の基礎は、中学時代教科の英語は100%マスターしました。あとは社会人になってから話す練習をして日常会話的なことは力づくでとうにかしてしまった。(いまはどんどん忘れる一方です。)
日本語学習者をみていて、日本語を着実に力をつけるのは自分の勉強スタイルを持っている人。母語できちんと読み書き、話ができる人、だと思います。母語は獲得して、第二言語は習得するもの・・・といわれます。第二言語習得では、幼い頃から第二言語を使う環境あれば自然に身につけることはできるとはいいますが、一方で大人になってからでも自分の頭で考え習得することでかなりのレベルまで第二言語を習得できるとも言われます。大人は母語レベルまで第二言語を習得する必要のある人は限られているので、「かなりのレベル」で十分、とも思うようになりました。
そこで日本の子供たちにはまずその母語をきちんと獲得してほしい、と思います。学校で4技能をきちんと身につけてもらいたいですし、日本人のくせに敬語も使えない、外国人の日本語のほうが きちんとしている・・・なんてことには なってほしくありません。
 日本の大学生に接する機会があり、私に対し甘えがあるのか幼稚な日本語や安易なメールの文章にがっかりすることもあるんです。コミュニケーション力とかストラテジーとか言われますが、社会全体がそういう方向に動いていることも否めませんが、考える、想像力を働かせる機会が減って、それらの力がついていないのだろうか、と考えさせられます。
これからは日本人も英語をきちんと話せるようになってほしい、とは思いますが、学校の中で、果たして その教育ができる先生がちゃんといるのか、という疑問もあります。そしてなにより 母語はきちんと習得してほしい・・・と感じるこのごろです。以上 つれづれなるままに書いてしまいました。
Aさん
私はといえば、学生の頃英語は得意な教科と言えましたが、海外生活を経験したにもかかわらず、「会話ができる」とは程遠い状況です。何度も、今度こそと思いながら挫折をしてきましたが、ここ最近、自分の立場もあって、ようやく気合が入り、まさにBさんのおっしゃる「力づくで」、を、実感し実践しているところです。しかし、「力づくで」できるのは、やはり学生時代の基礎基本があったからで、状況によって例文の暗記を積み重ねていく「日常会話」とはちがったアプローチで英語を「習得している」のではないかと、今の状態を客観的に分析しています。
S区の教育ビジョンが第一に掲げる子ども像は「世界に羽ばたくこども」ですが、「日本語特区」を申請し認められています。Bさんのおっしゃるように、「教科日本語」は、日本人として母語と文化的素養をしっかり持った上で、他国の言語や文化を学び、世界に羽ばたいてほしい、という思いがあるからです。S区では、いままで小学校教員免許の取得に必要のなかった英語の指導力のために、現職の教員の研修もありますが、海外生活の長かった帰国子女や海外赴任から帰った家庭の主婦も、区で行う研修の他に自発的に(自腹で)英語の教授法について学びに通い始めた方もいます。
外国語を学ぶ時に、母語の力は切り離せないというのはBさんのおっしゃる通りだと思います。
また、カリキュラムを作る側や教える側の、コミュニケーション力か文法かと偏ることの無い、意識の高さが求められますね。私としては、学校教育として、小学校とはいえ「会話」ではなく「学問」としての「外国語(英語)」を教えてほしいと思います。国が定める法律や制度、自治体(現場)の意識の高さと実行力、上手くかみ合っていかないと結果はなかなか形になって現れないのではないでしょうか。メールをありがとうございました。私も思うところをまとめて書くことができました。
Bさん
小学校での英語教育の問題は、単に「英語」だけの問題ではなく母語であったり、第二言語習得理論であったり、子供の進路をふくめた将来などさまざまな問題が含まれていると思います。下手な英語教育をして、それがまったく実にならなかった、なんてことにならないようモデルクラスなどを選んで、ネイティブ教師によるイマージョン、サブマージョン教育をしたり中学から集中的に勉強させたり・・・。(おそらく 公立の一貫校のようなところじゃないと、受験がネックになりますね。)語学にも適性があるので、クラスの中には 英語が入ることを好まない子供もいるでしょうね。正規クラスでなければ、希望者を募って・・・とか。国の制度が出る前に、さまざまな試行をして その結果をふまえさらに前進・・・ということができるといいですね。
私の考え方はやや悲観的かもしれませんが、臨界期仮説も考えると、子供の頃の母語獲得、第二言語習得は下手をしたら母語の獲得すら危くなります。(今後 日本語が国際語となるためにより単純になる可能性もあるかもしれませんが。)母語獲得は個人のアイデンティティに大きく関わるとも言われています。当然 日本のように 国内で 日本語以外の言語が公的に使われない国での第二言語ですから、せいぜいジャパングリッシュなんて できるだけでもすごいのでは、と思います。ただ、人間の品格には 言語をきちんと使える(正しい文法)ことが欠かせないと思います。おかしな言語を使っていては、日本の国際的な立場もどうなるか心配です。一方では 今後、日本は外国人とともに生きていかなければならない、といわれています。外国人への日本語教育と同様に第二言語教育は 将来を見定めて長期的に考えなければならないことだとあらためて思いました

千葉の「田舎」

先々週の週末は、埼玉新都心という超モダンな街で過ごしたが、この週末は、千葉の「田舎」(と言っても30年前に野原を造成して作られた住宅地、市原市)で、親の介護の為に、過ごしている。同じ日本でも、風景がかなり違う。
千葉の「田舎」は、緑が多く、今は実家でも柿がなっている。車椅子を押して、付近を散歩すると、3人に一人くらいは挨拶をしてくれる。
でも、人が少ないという点では、埼玉新都心と共通している。若い人には住みにくい街なのであろう。

イベントのお知らせ

●「防災教育を考える」シンポジウム in 千葉
平成25年10月5日(土)
受付開始 12:30 開会 13:00
国立大学法人千葉大学 西千葉キャンパス
教育学部1号館 大会議室
http://www.chu-ken.jp/

イベントのお知らせ

BIGMADE MUSIC Inc. presents  「Next Frontier」vol.7
日時:2013年11月8日(金)open18:30 / start19:30
会場:南青山MANDALA(地下鉄銀座線・外苑前駅徒歩5分)
http://www.mandala.gr.jp/aoyama.html
出演:
華  http://www.bigmade-music.com/hana/
AO AKUA    http://aoakua.asia
COME AROUND  http://come-around.com/
Tokyo Isis-fam
料金:3,000円(1ドリンク込)

「Next Frontier vol.7」2013/11/8 at 南青山MANDALA CM – YouTube

www.youtube.com/embed/R9IFEY_5GKM

7 日前 – アップロード