日本教育社会学会第66回大会プログラム

日本教育社会学会第66回大会プログラムが、下記のサイトで、公開されている。
日時 9月13日(土曜日)、14日(日
場所 松山大学

http://www.ed.ehime-u.ac.jp/~jses2014/

発表者・参加者も多く、研究発表は同時に⒓部会開催される(子ども社会学会では4部会だった)大規模な学会である。

私達の研究グループ(大学生文化研究会)も発表する。

9月13日(土曜日)16時20分〜17時10分
大学の「学校化」と大学生の「生徒化」に関する分析
  ―2013年15大学調査をもとにー
報告者 岩田弘三、浜嶋幸司、武内清

誕生日のこと

上智大学を定年で辞めた時、「定年まで無事勤められたことに感謝しなければいけない」と先輩の教員から言われた。その通りだと思った。

歳をとって、誕生日を迎えると、この歳まで病気もせず、また事故もなく、大きなトラブルもなく仕事をこなし生きてこれたことを感謝したい気持ちになる。
今年の誕生日は、歳の節目ということもあり、家族が近くののイタリアンレストランを貸切りお祝いの会を開いてくれた。お祝いの品の他、色紙や花束までもらい、いい思い出になった。

『青空文庫で社会学』

 渡部真さん(横浜国立大学教授)は、また素敵な本を出版され、贈ってくださった。深く御礼申し上げる。
 
これは渡部さんの人気のブログ(4万7千件ものアクセス数がある)の内容を本にしたもののようだが、ブログと本との違いにも注目してみると面白いかもしれない。
http://sociologyofyouthculture.blogspot.jp/

 暑い夏の中で、一服の清涼剤になりそう。
 ソフィーも読みたがっている。

児童の気持ちに寄り添う授業

小学校のベテランの先生から、聞いた授業の仕方や不登校への対応に関して、感心した点があるので記録に留めておきたい。

1 授業は、児童との対話で進めるが、1対1の対話より、1対複数の対話の方がいい。T「どう思う」 S1「××だと思います」T「先生も気が付かなかったいい意見だね。S2さん、どう思う」という風に。対話をクラス全体に広める。
2 児童の発言を聞いた後の対応が大切。発言内容や態度をとにかく受容し、ほめる。決して軽く扱ったり、けなしたりしない。発言内容にほめるべきことなないときでも、「一生懸命答えてくれたね」「目が輝いているね」と態度をほめる。
3 したがって、「そのほかの意見は」と、発言者を軽く扱うようなことは、決してしてはいけない。
4 不登校児に対しても、まずその子どもの気持ちを受け入れる(受容する)。「頑張って学校に来なさい。友達も待っている」などと言わない。その子の気持ちに寄り添い、学校のことを聞きたがるのを待つ。
 このような児童の気持ちに寄り添う授業の実践は、小学校以外でも取り入れていかなくてはいけないかもしれない。

授業中の私語

大学の授業での私語に関して、昔学生の言い分を集め、次のように書いたことがある。
「大学生の忙しいスケジュールの中で、友達とのコミュニケーションとる場は、授業しかない。私語は悪いとわかっているが、必要に迫られているし、ストレス解消になるし、悪を犯す楽しみもある。私語をしながら大事なポイントは押さえているから、先生たちも気にせず,講義を続けて下さい。私語をするより面白い話をしてくれれば、耳を傾けますよ」
(武内清『学生文化・生徒文化の社会学』2014、ハーベスト社、18ページ)

これは、教員たちからは不評であった。「こんな甘い見方をするから、学生は付け上がって私語をやめないのだ。私語を厳しく取り締まるべきだ」と。
学生からは、「何も考えていなくて私語をしているのですよ」と言う意見と、「共感できる」という意見が返ってくることが多かった。

今回、学生のレポートの中に、それとは違った、しかも至極もっともな意見が書かれていたので、紹介する。

「この章を読んで、授業中の私語が良いことだと思っている学生が多いことに驚きました。私は、私語は授業の妨げになるし良くないと考えています。そのため、教科書に書かれている彼らの意見に同意できませんでした。「ストレス解消だ」とか「授業でしか話ができない」とか「私語をしていても授業はきちんときいている」といったことが書かれていましたが、みんな自分のことしか考えてないのかな、と思いました。授業以外ではアルバイトやサークルなどで会えないから授業中に話す、なんて自分のためでしかないのでは、と感じました。いくら自分にとって教師の話がつまらなくても、自分が興味を持てなくても、その授業を真剣に、真面目に受けている人もいるに違いありません。私語は、そんな人たちの邪魔になってしまいます。授業を受けるなら、他の人への迷惑にならないように行動するべきです。授業は、会話をするためにあるわけではないし、学生一人一人が勉強をするために、知識をつけるためにという意識で授業に臨むことが大切だと考えます。また、教師もしっかりと、はっきりと私語への注意をする必要があると思います。やはり、教師と学生では立場が違うわけだし、教師がきちんと指導しなければならないと思います。(また)なるべく大教室を減らし、少人数教室で授業を行うことがいいかもしれません。」