教育社会学会の理事会の中で、これからの学会の国際交流をどのようにすればいいのかという議論があった。
現在でも、大会時には英語で発表・議論する英語部会が2つ設けられているし、英語の論文や学会発表に賞を出す制度はある。しかし、参加者はあまり多くない。
グローバル化した社会の中で、「教育社会学会は内向きではないか、もっと国際交流を進めるべき」という意見と、「日本国内の教育問題を理論的にも実証的に解明することが主眼の教育社会学会は、日本的な枠組みと日本語という言語で議論しないと深いところに達しない」という意見が出されていた。
教育社会学会もかっては、欧米の有名な教育社会学者や社会学者をシンポに招いて講演をしてもらい、皆がその理論や方法を学んだという時代があった(講演者:ハービガスト、マイヤー、カミングス等)。
しかし、今は、そのような有名人を招けばいいという感じではない。海外の論文は簡単にインターネットで手に入る。多くの研究者が欧米に留学や在外研究で行き、現地で学んだ知識を持ち帰り、それを使って研究をし発表している。
しかし、その分、海外に目を向けず、国内だけ見て研究するという内向き状態に陥っていることも確かである。今でも優れた研究は、海外の研究動向を常にレビューし、そこから新しい理論や見方を学びながら、日本国内の実態を明らかにしようとしている。
学会発表は、 日本語と英語、また他の言語があまり意識されることなく、ちゃんぽんで行き交い、発表議論されるのが理想だと思う。