京都三大学教養教育研究・推進機構の児玉英明さんより、先の小島さんの意見に対して、ご意見をいただいた。児玉さんのリメディアル教育学会の発表レジメ(添付)を添えて、転載させていただく。
<小島先生は「私もリメディアル教育には賛成ですが、個別的には大学教員も取り組んでいると思います。すわわち、学生のレベルに合わせて教え、単位を出しているということです。それを組織的にやるかどうかということは、大学のプライドもあり、コンセンサスを得るのは難しいと思います。」と述べています。この記述にリメディアル教育の根本的な問題があります。つまり、大学には「個別的に」取り組んでいる教員はいても、「組織的に」取り組んでいる大学はないという点です。どこまで行っても、個人的な取組であり、それ故に教員によって対応が分かれ、学生が不利益を被っている可能性があります。教職員一人ひとりのレベルでは、基礎学力に不安を抱える学生の学習支援に関心を持っている者は多いです。しかし、それが組織的な議論に発展するかというと学内ではなかなか難しいという現状があります。このようなディレンマは、なぜ発生するのでしょうか。私がまとめた論考を添付します。(児玉英明)>