公益財団法人・中央教育研究所所長の水沼文平氏より、下記のメールをいただいたので、ご許可を得て、掲載させていただく。
11月1日掲載の「デジタル教科書に関する大学生の意見」。
「教師用デジタル教科書への賛成率は約4割、児童・生徒用のデジタル教科書への賛成者は3割弱と、後者の賛成率が低い」という結果ですが、20才前後の学生の意見だけに興味深く拝見いたしました。
教育におけるICT化を考えた場合、一般社会と同等、ICT化が学校現場に導入され、普及するのは時間の問題だと思います。
しかし、なんの疑問も持たず判断や計画も立てずにICTを活用しようとしても教育は目標を失い混乱するだけです。
真に求められている学び・学力の本質をしっかりと捉えたうえでICT化という新しい状況に対応していくことが必要です。
初等中等教育においては世界標準の学力テストが重視されていますが、グローバル社会・情報化社会を生き抜くためには、知識・技能・思考・判断・表現だけでなく、学力調査では計測できない非認知能力としての自己認識・意欲・忍耐力・メタ認知・創造性・問題解決の力を培うことも重要になってきます。
文科省は児童用デジタル教科書の導入を検討していますが、上記の視点を踏まえ、十分に調査・検討の上で実施してもらいたいものです。(水沼文平)