国民性ー台湾の場合

中国や韓国と違って台湾の人は穏やか、ということはよく言われる。藤原新也も次のようなことを書いている。

占領した日本軍への恨みを持たない「土着の台湾の人々の持つ人徳」「土着の台湾人の持つあの夜来香の花のような優しい香り」がある。そして(台湾映画には)「題材は深刻なものでありながら、どこかそこに“癒し”が同居している」(「夜来香の花は満月一夜のみ咲く」)

もちろん、台湾にもいろいろな人がいるだろうがそれを示すような絵本を見た。

台湾の国民的作家・黄春明の書いた絵本を、難波鉄也という人が翻訳したものが、ネットにアップされていた。(下記)

https://www.dropbox.com/s/pxzdps7py0vks9e/Semushi-Japanese.pdf?dl=0

これは、身体に障がいのある少年が、皆からその障がい故にいじめられ、土管の中で暮らしているが、そのいじめに恨みを持つことなく、来世での穏やかな生活を夢見て、死んでいくという物語である。

このような物語が、台湾の国民的作家が描き、それが国民に受け入れられているというのは、日本人の私からみると驚きである。

いじめられている人間が、諦め、何の救いもなく死んでいくというのは、日本ではありえない。日本では、いじめた人間に報復はしないまでも、いじめの加害者が罰を受け、いじめを受けた少年もそれで心の平安を得るという物語になると思う。

台湾の人は、よほど優しく、自分が傷つけられても、報復しない人が多いのであろうか。

ついでに、私的な「台湾賛歌」の紹介(台湾のいろいろな場所&人、台湾の有名な歌手周杰倫(ジェイ・チョウ)も出てくる)

 

https://www.youtube.com/watch?v=8U-b4aGWBys