「小1プロブレム」とか「中1プロブレム」という言葉がある。その学年が他の学年に比較して、学校への適応やもろもろのことで問題あるということであろう。
大学の場合は、どうであろう。「大1プロブレム」ということがあるのであろうか。昔は、大学生の「5月病」のようなことが言われた。大学受験の目標を達成した後の目標を失った虚脱感のようなものである。今は大学受験がそのような超えるべき目標になっていないので、「5月病」ということを聞かないように思う。
ただ最近は、「初年次教育」の必要性は言われている。高校までの教育と大学の教育は違う。その大学での学びや生活に適応できるように大学がさまざまな対策を取る必要があるということである。つまり「大1プロブレム」があるということであろう。
私は、それより「大2プロブレム」があるように思う。それは、大学生活に慣れてきた大学2年生が、ダレてしまう現象である。1年生の時は新しい環境に慣れようとする緊張感があり、3年生になると先の就職のことを考え気持ちを引き締めようとするのに対して、大学2年生は、その狭間にあり、緊張感もなくぼんやりと弛緩して大学生活を過ごす傾向である。
これは、2年生と対象にした講義やゼミを担当している時に感じることである。なかなか教科書を揃えなかったり、読んでくるように指示した本を読んでこなかったり、発表をいい加減にやってそれで済ませようとする学生が2年生に多いように思う。
このようなことが、量的データでも言えるのか、我々の大学生調査のデータでも確かめてみたい(浜島幸司氏が、報告書の2章で、学年差の分析も詳細にしている。)https://www.takeuchikiyoshi.com/wp-content/uploads/2011/12/24531072.pdf)
ただ、大学生として勉強以外にやりたいことが山のようにあり、勉強どころではないということなのかもしれない。教員からの指示を無視や無化して、自分の好きなことに多くの時間を費やすことは、青年期の自立形成には必要なことなので、この傾向を一概に非難できない。
昨日、敬愛のこども学科の3年生に「大2プロブレム」のようなことがあるのか聞いてみたら、「自分たちは2年生の時、たくさんの必修科目があり大変だったので、遊ぶ余裕はなかった。かえって、3年生の方がのんびりしている」という答えが返ってきた。
少し学年差について、検討してみたい。学科によっても違い、1学期と2学期でも違っていることであろう。