期間限定で、その都度「今」を生きる人生

 上野千鶴子が、「解散を念頭においたチーム作り」という興味深いことを言っている。それは「プロジェクト方式」で、「期間を区切り、運命共同体は作らない」。それは、「同窓会」の対極にあるもので、「手間ひまかけてメインテナンスして続いて」いくものであるという。(人生の贈りもの―私の半生ー上野千鶴子 8、朝日新聞 4月30日 夕刊)

社会学の用語でいえば、コミュニティーではなく、アソシエーションなのかもしれない。ただ、家族や地域や学校や大学(その同窓会も)といったコミュニティーも、期間限定だし、メインテナンスも必要で、安閑としていると消滅してしまうのが現代である。まったりせず、緊張し、生きるしかない(上野千鶴子ほど、テンションを常に高く、自分にも周囲にも厳しく生きることは常人には難しいが。) 

上野千鶴子は「要求水準の高い教師で、『こんなものでいいと思っているのか』と毎回真剣勝負をやってきた」という。それで、「目の前で学生が竹が皮を破ってバリバリと音をたてるように育っていく」場面に直面したという。(同、7、4月28日夕刊) 自分とは対極の教師だと、自己反省。