敬愛大学で私の担当する「教育原論Ⅱ」の今学期最後の授業(1月22日)は、講師の方を招いての特別講義で締めくくることができた(経済学部中山教授の「道徳教育研究」と合同)。
講師は南房総市教育長の三幣貞夫氏。テーマは「教師をめざす学生へー私の教師像」。
講師の三幣先生は、A4で5枚のレジメを用意され、それに沿って格調が高く内容のある話を1時間半に渡ってされた。
「教師には創造する喜びがあるーセンスとアイディア、そしてデリカシー」「教師の魅力―子どもと喜怒哀楽をともにすることができる、子どもとともに成長できる」「教育は生き方を教えることができる」「尊敬されることはすべての始まり」「こわい、すごい、すてき、ありがたい存在に」「教師の最もいい姿は、新鮮だということ、謙虚だということ」「思いの強さに分だけ成長させられるー願いとねらいをもった指導」
以上のような含蓄のあるフレーズが、レジメに満載されていて、それを事例をまじえて、具体的に説明された。学生達も、三幣先生の長年の教育現場の実践委裏打ちされた話に聞き惚れ、教職への思いを熱くしていた。 [以下、学生の感想の一部転載]。
「人生経験を踏まえた話がとても素晴らしと思いました」「レジメに書いてあること全てが身に沁みます。ますます教師になりたいと思いました」「教師という職業に挑戦したいという思いが強くなった」「貴重なお話をしていただいて勉強になりました」「一番感銘を受けたのは、教師の道は’楽苦しい‘という言葉です」「忍耐力と地道な努力が必要だと感じた」「教師は児童を育てるだけでなく、児童と一緒に成長するものだと聞いた時は少し安心した」「叱るときは叱るなど、自分にできるか不安になったが、子どもの為に、頑張りたいと思った」「子ども達に尊敬されなければ始まらない、その言葉を胸に自分も頑張ろうと思います」「すべてが自分自身い足りないものだと痛感した。きっと家に帰り、一人で悩むでしょう」「厳しい言葉の中にも優しさがあり、自分の甘さを思い知った」「文章を読むことがとても重要なんだということを理解した」「ひとつひとつの言葉がすごく重く心に響きました。今回のお話はこれから生きていく上で大変糧になるものだと感じました」「素直さと忍耐力をもって大学生活を送りたいと思う」
学校の管理職(校長等)を経験した人の、スケールの大きさを感じた。いろいろな修羅場もくぐって来られたのであろう。人間的な幅が広く、深いと感じた。教師としてまた人間として、子どもへの並々ならぬ愛情とその子達を育てる為の厳しさを、実践の中で鍛えてきていることが感じられた。我々「知識オタク」の大学教師とは一味違うものを感じた。学生達が魅きつけられるのも頷ける。