若い人の時間感覚

齢をとってくると、せかされる仕事もなく、時間感覚が鈍くなるように思う。別の言い方をすれば、時間に制約されずのんびりしたペースで生活を送ることができる。寝る時間も、眠たくなれば寝る。朝起きる時も目覚まし時計をかけることなく、目が覚めた時間が起床時間となる(おかげで見ようと思っていた「朝ドラ」が終わっている時も少なくない)。

それに比べ、若い人の時間感覚はきちんとしているように思う。平日の朝、家の前の小学校の校門を子どもたちがくぐる時間を観察すると、7時45分から50分の5分間に集中している。朝食はじめ、朝にすることや支度はいろいろあるだろうに、どうしてこのような正確な時間に登校できるのか、不思議である。それだけ時間感覚がしっかりしているのであろう。

私が敬愛大学でオンデマンド教えている科目(「教育社会学」)のレポートの締め切りを2月3日(金)24時に設定した。それを知らせたのは10日前で、提出方法は授業のサイトを通してPCによる。多分遅れる学生もかなりいるものと考えていた。締め切りの2時間前の2月3日の22時にみると、まだ61名中20名の学生が未提出であった。そこで締め切りを1日延長した。ところが、最初に設定した3日の24時までに提出が、1名を除く全員であった(「23時59分に送ったけど着いたかどうか」という問い合わせが1件あったが)。大学生達の時間感覚がきちんとしているので驚いた。それだけ、(家庭や)学校で、日頃から時間を守るように教育されているのであろう。それに従順に従っている日本の若者の「道徳心」にも感心した。