人は音楽とどのように付き合っているのであろうか。そのことでまず思い出すのは、最初に勤めた武蔵大学で、授業の前にいつもヘッドホーンで音楽を聴いている男子学生がいたことである。その理由を聞いたら、「音楽を聴かないと落ち着かないんです」という答えが返って来た。大分県から来ている学生で、いかつい体格ながら繊細が神経の持ち主で、東京での一人暮らしに必死に耐えるのに音楽の力を借りていたのであろう。
自分のことでは、(半世紀も前のことだが)自宅に籠り修士論文を書いている時、午前中の最初机に向かった時、ピンクフロイドなどロックの音楽をかけ、作田啓一の文章を読むという作業を30分から1時間ほどすると頭が冴え、その日の文献の読みや執筆がすすんだという経験がある。
その後、そして齢をとってから音楽とは無縁の生活を送っているが、時々昔聴いたグループやシンガーの曲を、You Tubeで見聞きすることがある。昨日吉田拓郎メロディー( https://www.youtube.com/watch?v=QRwBXtKLyAs)を聴いて、相変わらず、吉田拓郎の曲や人となりには、何か癒されるものがあるなと感じた。 吉田拓郎は「女の人は苦手だ」と言っていたが、南沙織とデュエットしてはにかんで目を合わそうとしないが嬉しそうにしている姿や、日野皓正のトランペットや有名演歌歌手のバックコーラスでの「外は白い雪の夜」の歌(第45回紅白歌合戦、平成6年)は、貫禄があり(ただ歌の内容は何か切なく)、心打たれるものがあった。(吉田拓郎は病気から快復したのであろうか。ラストコンサートがあれば,是非聴きに行きたい。)