学校の隠れたカリキュラムの説明を読んで、学生から次のような感想が送られてきた。 <授業資料の中でも隠れたカリキュラムという言葉がとても印象に残った。これは生徒たちが、教室で教師から知識を伝達され実技の指導を受けるだけでなく、学校内の友だちとの関係や集団・組織・文化のさまざまな側面から学んでいるということである。私はオンライン授業が始まってから、在宅でも学ぶことができるならもう学校に行く必要がないのではないのかと,父に言われ、学校の役割は本当に勉強する場ということだけなのかと疑問を感じた。しかし、授業資料を読んで学校には勉強する以外にも多くの学びがあることに気づいた。私が経験したものでいうと、部活動などがあげられる。ここでは、目上の人に対する尊敬や、諦めない心や仲間の大切さ他にも様々なことを気づかないうちに学んでいた。>
今朝の朝日新聞の朝刊には、英米の大学もコロナの為に、授業は遠隔教育になり、英米の大学に高い留学費用を払って留学する意味が薄れていることが報告されている。その中で、学生たちの意見として、インターネットを使った遠隔授業が、教室の対面の授業に比べ、学びにくく効果がないという回答が多いということである。今、日本でデジタル(インターネット)による授業が万能のような風潮が作られつつあるが(背後に利権がらみや政治がらみの何かを感じる)、デジタル先進国の英米の学生がその効果を否定しているというデータのもつ意味は大きい。
<年750万円、留学先はオンライン授業に 渡米したのにー 世界中から多数の留学生を集めてきた米英の大学が、新型コロナウイルスの感染拡大で大きく揺れている。多くの授業がオンラインに移行し、留学生は不満を抱える。秋からの新年度をどのように迎えるかも不透明だ。収入の柱だった留学生の激減が予想されるなか、大学運営も岐路に立たされている。(中略) 米国の中西部アイオワ州にあるグリネル大学。新緑がまぶしいキャンパスに学生の姿はほとんど見られない。3年生の塩野博之さん(21)も、ガラガラになった大学寮の個室でパソコンと向き合う日々が続く。(中略) オンライン授業を受けに米国の大学に留学しているわけではない。授業のディスカッションの質は落ちた。ネット回線が不調で音声や画像が乱れることがしばしばだ。生活用品に囲まれた寮の自室では集中しにくいという。教授が空いている時間に気軽に研究室を訪ね、自由に議論ができたのにできなくなった。図書館もジムも閉まり、部屋にこもるしかない。(中略)オンライン授業の質に満足しているか。全米の約1300人の大学生、大学院生を対象にした調査では、76%の学生が「いいえ」と答えた。約1万4千人が対象の別の調査でも67%が「実際の授業ほどの効果はない」と回答。>(朝日新聞 5月24日 朝刊)