鳥飼玖美子先生(立教大学名誉教授)より、最新のご著書『英語教育の危機』(ちくま新書(2019年1月)をお送りいただいた。
ご著書の中では、新学習指導要領の内容が批判的に検討され、「英語の授業で日本語の使用禁止」「センター試験廃止で入試が民間試験に」、小学校英語の教員の力量などの問題が、過去の英語教育をめぐる論争や言語学や異文化コミュニケーションなどの理論から、詳細に論じられている。
内容がとても重厚で、読み応えがあり、いろいろなことを考えさせられた。
英語や英語教育に関する論争の背後には、このようなさまざまな理論や考え方の相違があることをはじめて知った。
とりわけ授業を英語でやることのことの是非や、大学入試の外部試験の是非、同時通訳、イマ―ジョン教育、異文化コミュニケーションのことをいろいろ考えさせられた。
英語をどのように子どもたちに教えるかは、とてもいろいろなことを考量しなければならない問題で、日本人の英語コンプレックスや体験からだけ考えることの危険性を感じた。