物語や歌の伝承について

現代の知識や感覚だけでものごとを見ていると、見落としてしまう点も多い。ものごとの歴史を見なければいけない。小説は刊行され一旦作家の手を離れると、作者の思惑とは関係のない一個の独立したものとして扱われると言われる。しかしそれは印刷技術が発明されてからのことかもしれない。歴史的にみれば、印刷のなかった時代の小説(物語)は、口頭で伝承されたり、写本されたりした。すると話をする人や写本をする人の考えや解釈によって、元の物語が改編されることは多々あったと思われる。むしろその方が普通で、源氏物語などオリジナルな底本がなく、いくつもの写本が存在する。さらに伝承物語というものがあり、口承伝達が普通で、バリエーションのある様々な物語が存在する。

これは物語(小説)の世界のことだけでなく、音楽の世界でも、昔はオリジナルな楽譜があるわけではなく、あっても曲の一部だったり、複数存在したりし、楽譜は時代とともに変化する。子どもの「わらべ歌」などは、口承で伝達され、地方により時代により、その内容は違っている。現代の音楽のカバー曲なども、この伝統を受け継ぎ、時代を反映した新しい歌や歌い方が人々に受け入れられているのであろう。

このようなことを考えたのは、前のブログに書いた神野藤先生の博士論文「散逸した物語世界と物語史」の概要を読んだせいだが、確認するために、生成AIに聞いてみた。

質問A―現代の小説は一度刊行されるとその後書き換えられることはありませんね。印刷技術のない時代の昔の物語(古文)は、写本や伝承で後世に伝承されたと思いますが、その際に時代に合わせたり、伝承する人の考えで、その物語の内容が変わることはよくあったのでしょうか?

回答(Bing Chat)―古代の物語は、文化を形作り、知識を伝え、世代をつなぐために重要な役割を果たしてきました。これらの物語は、時代と地理を超えて、原始的な洞窟の壁画から口承、手書きの写本、印刷された本、そして現在のデジタルメディアまで進化してきました123.古代の物語は、後世に伝承される際にさまざまな変化を経験しました。以下に、古代の物語がどのように変化したかについていくつかの観点を示します。伝承者の影響:物語は、伝承者の考えや文化的背景によって変化することがありました。伝承者は、物語を自分の視点で解釈し、時代に合わせて調整することがありました。このため、同じ物語でも異なるバージョンが存在することがあります。社会的・文化的変化:物語は、社会や文化の変化に合わせて調整されることがありました。新しい価値観や信念が広まると、物語の内容も変化しました。たとえば、宗教的な物語は、宗教的な変革に合わせて再解釈されることがありました。口承伝承の特性:古代の物語は、口承伝承によって伝えられたため、伝承者の記憶や解釈に依存していました。このため、物語の内容は伝承者によって微妙に変化することがありました。文学的影響:古代の物語は、文学的な作品や詩に影響を与えました。たとえば、ホメロスの「イリアス」は、アレクサンダー大王の征服に影響を与え、その後の世代にも影響を及ぼしました1。総じて、物語は歴史を形作り、文化を伝え、人々をつなげる重要な手段であり、その内容は時代や伝承者によって変化することがありました。

質問B―伝承物語って何ですか

回答(Bing チャット)―伝承物語は、民間において口承で伝えられてきた散文形式の物語を指します。これらの物語は、語り手が聞き手に口頭で伝える伝承(口承)の形式を持ち、一定の型を備えています1。さて、昔から伝わる物語には「民話」「昔話」「おとぎ話」などの類似した複数の名称があります。例えば、民話は民間の人々が生活の中で伝えてきたもので、口承を基本的な伝承の様式として持つ散文の形式です。また、伝説は民間において口承で伝えられてきた散文形式の物語で、しばしば具体的な事実や人物と結びついています。さらに、世間話は昔話と共通する散文形式の物語であり、様式性や虚構性を重視しない点で異なります1。伝承物語は、古くから世界中で語り伝えられており、日本でも多くの優れた研究が行われています。これらの物語には、知恵や教訓、人生の知恵を学ぶ要素が含まれており、現代の子どもたちにも同様に効果的であると考えられています。学校教育においても、伝承物語を積極的に活用することで、生きる力を育む一助となることが示されています12。伝承物語は、私たちの文化遺産であり、その教育的価値を探求することは、子どもたちの成長にとって重要な一環です。12

質問C―歌をカバーするというのはどのような意味がありますか? その歌に時代性や新しい意味を付与するという意味でしょうか?

回答(Bing チャット)―「歌をカバーする」という表現は、元々の歌を別のアーティストが再演することを指します。この行為にはいくつかの意味が含まれています。再演とアレンジ:アーティストが元の歌を自分のスタイルで再演することで、新たなアレンジや解釈を加えます。これにより、歌に新しい魅力や感情が生まれることがあります。時代性の付与:カバーされた歌は、その時代の音楽や文化の影響を受けて再構築されることがあります。アーティストは、現代の視点や感性を反映させて歌詞やメロディをアップデートすることで、歌に新たな意味を与えることがあります。トリビュートとリスペクト:一部のカバーは、敬意を表すために行われます。有名なアーティストやバンドの楽曲を再演することで、彼らへのリスペクトを示すことがあります。総じて、歌をカバーすることは、音楽の進化や多様性を促進し、新しい視点で楽曲を楽しむ機会を提供します。