『教育、大学、文学、ドラマ、日常』の学生の感想

1年半前に手づくりで作成した冊子『教育、大学、文学、ドラマ、日常-教育社会学的考察』(2022.9)には、Ⅲ章「学校教育」の章だけでなく、その他の章にも「教育社会学的考察」を入れたつもりである。それで、2023年度の後期の敬愛大学での「教育社会学」の授業でも学生に初回の対面授業で配布し,第12回の授業では、その冊子を読んでの感想を寄せてもらった。課題を次のように提示した。

<武内清「教育、大学、文学、ドラマ、日常-教育社会学的考察」(2022.9)の感想を書いて下さい。(手元に冊子のない方は、私の HP (https://www.takeuchikiyoshi.com)の2022 年11 月13 日)でも読むことができます。感想は、その冊子の項目のどれか 1 つでも、複数でも冊子全体についてでも構いません。全体はⅠ~Ⅹの 10 の章からなっています。この冊子は、 教育や学校だけでなく、教育の周辺のいろいろなテーマに関して、教育社会学的ないし社会学的な考察を加えています。教育社会学や社会学の見方を少しでも理解していただければと思います。>

提出された感想は、多岐の章にわたっている。比較的多かったのは「学校教育」(Ⅲ章)、「日常生活の社会学」(Ⅵ章)、「韓国ドラマ、映画」(Ⅷ章)、に関することである。そのいくつかを掲載する(匿名での公開は、受講者の許可を得ている)。

<今回は、初回の授業の際に受け取った「教育、大学、文学、ドラマ、日常 ー教育社会学的考察ー」という本についてレポートをする内容であった。正直、この課題に取り組むまではこの本を読む機会がなかったため、新鮮な気持ちで本に触れることができた。この本では、冒頭に書いてあるように社会学の授業に役立てるだけでなく、武内氏の社会学的考察の一部を提示することや武内氏の生きた過程(自分史)を語る内容となっていた。1~Ⅹ章にわたるかなり細かく別れたテーマが展開されており、どれも魅力的な内容であり、楽しく読むことができたが、その中でも最も興味を惹かれたのが「Ⅷ 章(韓国ドラマ、映画)」の内容である。それまでの章は大学のことや日常など、私たちの身近な部分について触れた内容もあったが、どれも教育や社会学に関連付けた内容となっていた。そのため、本章も韓国ドラマや映画を教育や社会学に関連付けた内容になっているのだと想像していた。しかし、このⅧ章(韓国ドラマ、映画)は学習的考察などが特に書かれておらず、武内氏の韓国ドラマについての意見やネットに出ている感想のみが綴られている内容となっていた。私はこの衝撃的な内容に驚きを隠せなかった。普段は教育についての議題を資料を元に考察したり、自分なりの意見でまとめるといった学習的内容が多い中、武内氏の韓国ドラマに対する愛、そして韓国ドラマを通して現代韓国における恋愛観や社会観の考察といった私的内容のみで構成されていて、非常に読んでいて興味深い内容であった。>(以下略)        (その他の感想は以下の添付参照)