「蛙化現象」の意味

学生のレポートに「蛙化する」という言葉があり、その意味が分からず困った。以前にテレビで取り上げられていたような気がするが、よく覚えていない。家人に聞いてもわからない。そこで小学5年生の孫に聞いてみた。「女の子が男の子にドン引きすることだよ」とのこと。さすが今の子どもの方が新しい言葉を知っている。娘に「そんなことはネットで調べればすぐわかるよ」と言われ、ネットにあった東京新聞の記事(2023年8月14日)を読んでほぼ理解した(一部転載)。

<「蛙化現象」って何のこと?どう使う?意味が変わって流行語にも・・・ Z世代や専門家に取材してみた。/現在の中学生ぐらいから20代半ばの「Z世代」*の間で流行っているある言葉をご存じでしょうか。それは「蛙化現象」。今年1年の世相を反映した言葉を選ぶ「2023ユーキャン新語・流行語大賞」のトップテンにも選ばれました。特に女性の間でよく使われるそうです。/この言葉を取り上げたのは、Z世代を研究するシンクタンク組織「Z総研」が6月に発表した「Z世代が選ぶ2023年上半期トレンドランキング」。「流行った言葉」部門で全体の54%を占め1位に輝いた。/「恋愛感情や好意を抱いている相手のささいな言動が気になり、気持ちが急速に冷めてしまう」という意味で使われる。では、実際にどんな状況で使われるのだろうか。/ 都内の大学3年の女性(21)は以前つきあっていた男性に「ケチな対応」を取られて「蛙化現象」を起こした。/(その他の例)「お母さんのことをママと呼ぶ」「交通費がかかっているからと、食事代を多めに払うよう要求された」「走り方が変だった」「学園祭で公開告白をされた」「フードコートでおぼんを持ってきょろきょろしている」/◆本来は別の意味だった。ある男性に好意を持つ女性がいて、その男性も自分に好意を持っていることが分かると生理的な嫌悪感を抱いてしまう現象を「蛙化現象」と名づけている。/なぜ「蛙」なのかについては、お姫様の前に現れたカエルが王子様に変身するグリム童話の「蛙の王様」を挙げ、逆に王子様がカエルに変身するかのようなこれらの事例について「蛙化」と命名したとしている。/https://www.tokyo-np.co.jp/article/264372 

チャットGPTに蛙化現象について聞いてみたら、全然違った意味の説明をし、チャットGPTは新しい分野が弱いことがわかった。Bingチャトに聞くと、「『蛙化現象』は、好意を抱いている相手が自分に好意を持っていることが明らかになると、その相手に対して嫌悪感を持つようになる現象を指します。この現象は、グリム童話『かえるの王さま』に由来しています。しかし、2020年代に入ってからは若い世代を中心に『交際相手などの嫌な面を見て幻滅する』という意味でも用いられるようになっています」と、まともな回答であった。

*(Z世代 1990年代後半から2000年代に生まれた世代。米国では、1960年代初頭または半ばから80年頃までに生まれた世代を『ジェネレーションX』、その後を『ジェネレーションY』と呼び、さらにその次の世代『ジェネレーションZ』が日本にも浸透した。生まれたときからインターネットが身近な環境で育ち、SNSなどのデジタル技術を使いこなすことから「デジタルネイティブ」とも呼ばれる。)

谷川彰英先生の「エンジン01 in 市原」での講座を聞きに行く

谷川彰英先生(筑波大学名誉教授、地名作家、中央教育研究所の元理事長)が、「エンジン01 in 市原」(https://enjin01-ichihara.jp/)の講座の1つに登壇され、「千葉の地名から日本がわかる」という題で報告されるというので、それを聞きに行った。以下その報告(記録)。(谷川先生のご著書『ALSを生きる』に関しては、2020年3月21日のブログで紹介している。)

 日時は、1月27日(土曜日)12時~13時15分。会場は、千葉県市原市の帝京平成大学の教室。定員80人ほどの中教室で、そこが満席だった。聴講者は、中高年が多く、4対6くらいで女性が多く、地名ファンあるいは谷川ファン人が多いという感じで、会は冒頭から終止あたたかい明るい雰囲気であった。登壇者は、谷川先生の他、3名の方(ルポライター、映画監督、写真家)がいて、主にルポラーターの方が、谷川先生の書かれた原稿(それは「千葉の地名に関するクイズ」)を読み上げ、そのクイズの解答を視聴者に聞くという形式で進行した。そのクイズの内容がとてもよく出来たもので(谷川先生の地名に関する歴史的,民俗学的知識が散りばめられている)、そこに3名の登壇者の話も挟さみながらの、興味深い内容だった。最後に、会場から出された難しい地名(漢字)の読み方を、谷川先生が当てるというものがあり、谷川先生の博学ぶり健在ぶりが示されてた。中身の濃い部会(セッション)で、時間が経つのがあっという間で、聴きに来てよかったと思った。谷川先生は筋萎縮性側索硬化症(ALS)という難病で体が不自由というお話をお聞きしてたが、車いすの谷川先生は、顔色もよく、自分からの発言は障碍者用のPCを通してだが、他の人の声は難なく聴けるようで、終止にこやかで、健在ぶりを確認することができた。献身的で素敵な奥様がいつも傍についていらっしゃり、また他に介護の方も2名いてそれが谷川チームという説明であった。谷川先生の普段使われている障害者用のpcの説明が奥様の方からあり、普通のワードなどとは違い、ひらがなの50音から2段階でひらがなを選んで、それから漢字変換をする仕組みで、普通のワードの10倍以上の時間がかかるとのこと。谷川先生はそれに1日10時間近く向き合い、10ページのニュースレターを打ち込むのに2週間はかかるとのことだった。

 谷川先生が、ニュースレターの最新号(2024.1.18)に、「これまでたくさんの著作を世に問うてきましたが、直接的には学者として作家として少しでも大きな成果を残したいという思いでやってきたものです。しかし、ALS宣告以降の著作は明らかに違う意図で書くようになりました。ALSという難病にめげずに執筆を続けることが、周りの人々に生きる勇気と元気を与えているかもしれないと考えるようになったからです」(NO69.p.6)と書かれてる。先生のご著書やニュースレターに、先生の多くの時間の労力と思いが込められていると思うと、その言葉と内容の重みが伝わってくる(先生はASL発病後、6冊の本を出版されていて、もうすぐ7冊目が出るとのこと)。先生は難病にめげずに執筆を続けて、このような会に登壇される姿は、多くの人に生きる励ましと元気を確実に与えていると感じた。

「推し」の時代

「推し」に関して、以前に宇佐美リン『推し、燃ゆ』の言葉を引用して、片思いや人との距離のことを書いたことがある(2021年3月6日、7月23日)。評論家の中森明夫氏に対する「推し」に関する朝日新聞のインタビュー記事では、別の側面(利他的, 未来志向、仮想空間、)を指摘している。一部を転載する。

<応援するアイドルやキャラクターを指す「推し」という言葉を様々な場所で聞く。老いも若きも「推し活」にいそしむ時代だ。/「選抜総選挙」(2009~18年)が社会現象になったAKB48のファンの間でしきりに使われたことが大きい。アイドルを応援することがカジュアル化した。/  推す主体はファン側にありながら、フォーカスが当たるのは推されるアイドル側。ファン側を指すおたくやマニアとはそこも違う。/ (2010年代のアイドル、AKB48や乃木坂46は)、歌詞の中では、一人称の「僕」が多用される。アイドルが男性ファンの視点から歌う「仮想空間」では一体化し、同じ方向を向いている。現在のアイドルシーンにおいては、ファンは推しの背後に回って、相手の推進力になりたい、という。/ 「自分ではない何か」のために活動することが自分の生きがいになるというムードが出てきている。利己的な時代から利他的な時代になってきている。/大変な状況に置かれているからこそ、人を助けたい、あるいは、人を助けることで自分が生きられる、ということがある。/ さらに、推しを持つからこそ、大事なこともある。それは想像力。推しとファンが一体化できるのは、仮想空間においてだ。/自分がいなくなっても推しにもっとよくなって欲しいと思う。推しを持つことは、未来につながること(になる)>(朝日新聞朝刊2024年1月17日)

高齢者のスポーツ三昧(ざんまい)のこと

この頃私は暇で、平日の午前中からテニスと卓球を高齢者仲間と行うことが多い。テニスを週に3回、卓球を週に2回する時がある(同じ日に卓球を2時間、テニスを2時間した日もある)。それが習慣化すると、テニスや卓球をするのが、「遊び」ではなく、自分の「仕事」のような気がしてくる。常勤で大学に勤めていた時は、暇があれば原稿や授業の準備をするのが大学教員の務めで、スポーツは休日に骨休めに少しするだけのものであったが、大学を退職して仕事がなくなると、この低落(ていらく)である。勤めや年齢に関係なく研究や本の出版をし続けている先輩や同期の大学人を見ると、少しは見習わなければとは思う。一方高齢者のスポーツ三昧は「健康維持の為」であり、それは高齢者の大切な「仕事」であり。「病院通い」と一緒であるという「言い訳」も用意しながら。

これだけ頻繁にテニスや卓球をやっているとわかったことがいくつかある。その一つはテニスと卓球をやる高齢者の平均の年齢差は、10歳くらいあるのではないかということ。少なくても私が一緒にやる男性の平均年齢は、テニスは70歳台、卓球は80歳台(女性はそれより10歳は若い)。

もう一つは高齢者のスポーツ三昧は、上達は望めないが、技術の現状維持は何とかでき、どのような技術が重要かは少しわかるようになる。テニスのダブルスの練習試合の場合、これまで返球のミスをなるべく少なくすることを心掛けていたが、それだけだと相手から強い球や空いているスペースに球を打ち込まれてしまう。大切なことは、コントロールの利いた球を打ち返すことと、空いたペースに球を的確に打つこと。卓球の場合も同じようなことが言える。ただ卓球の打ち方はテニスの打ち方と微妙に違い、注意されて直そうとしてもなかなかうまく行かない。また私は相手の裏をかく巧妙なサーブや端を狙った打ち方は好きになれず、その為に私の卓球のレベルは上がらない。

大学におけるレポートの書き方

そろそろ大学も学期末で、学生たちは、レポートを書く作業に追われることであろう。教員からは「レポートを書きなさい」と言われることが多いが、「レポート」ってどのように書けばいいのか、教えられることはあまりないのではないか。私自身も学生に聞かれたら、「レポートは通常、何かテーマを決め、それについての問題意識、文献の参照、自分なりの考察を書くものです」ぐらいしか答えられない。そこで2つの生成AI(「Bing チャト」と「ChatGPT」)にそのことを質問してみた。その回答を下記に転記する。私の答えより詳細で的確なことを言っている、と思う。

A Bing チャト

質問 大学の授業でのレポートの書き方(1000字程度)に関して教えて下さい。

回答―大学のレポートを書く際には、以下の点に注意すると良いでしょう。/指示に従う: 大学のレポートには、指示が含まれています。指示に従って、必要な情報を収集し、レポートを書きましょう。/構成を考える: レポートは、序論、本論、結論の3つの部分から構成されます。序論では、レポートの目的や背景を説明し、本論では、調査結果や考察を述べます。結論では、レポートのまとめを述べます。/文字数を守る: 大学のレポートには、文字数の制限があります。指定された文字数を守りつつ、必要な情報を簡潔にまとめましょう。/参考文献を引用する: レポートには、参考文献を引用することが求められる場合があります。引用する際には、正確な情報を記載し、参考文献リストを作成しましょう。/文章を校正する: レポートを書き終えたら、文章を校正しましょう。文章の誤字脱字や文法のミスがないか、注意深く確認しましょう。/以上の点に注意して、大学のレポートを書くことができます。

B   ChatGPT

User―大学の授業でのレポートの書き方に関して教えて下さい。

回答―大学のレポートは、学問的な視点から問題を分析し、自分の意見や調査結果を論理的かつ明確に表現するための重要なスキルを養うものです。以下は、一般的な大学のレポートの書き方の手順です。/課題の理解-課題や指示をよく読み、要求されている内容や対象を理解します。質問やテーマに対する自分の見解や理解を整理しましょう。/調査と情報収集―レポートをサポートするために必要な情報を収集します。参考文献、研究論文、本、記事などの信頼性のある情報源を活用します。/アウトラインの作成-レポートの構造を考え、アウトラインを作成します。これにより、論点や論証の流れが整理されます。/導入部の作成-レポートの背景や目的、取り組むテーマの重要性を説明する導入部を書きます。問題提起や興味を引くエピソードを使うと効果的です。/本論の構築-アウトラインに基づいて、明確で論理的な順序で本論を構築します。各段落ごとに一つの主題を扱い、段落の最初にトピックセンテンスを置きます。/論証と例の提供-論点を支持するために論証や具体的な例を提供します。統計データ、引用、事例研究などを活用して、自分の主張を裏付けます。/反対意見や批判の考慮-対立する意見や批判的な視点を考慮し、それに対する反論や説明を提供します。あらゆる側面からの分析を行います。/結論のまとめ-レポート全体を総括し、主要なポイントを強調する結論をまとめます。新たな洞察や提案があれば、それも述べます。/参考文献リスト-使用したすべての情報源を正確に引用し、参考文献リストを作成します。大学の指定された引用スタイルに従ってください(APA、MLA、Chicagoなど)。/文章の校正と修正-レポートを読み返し、文法、スペル、論理的な流れなどを確認し、必要に応じて修正します。他の人にも読んでもらってフィードバックを受けると、より改善されることがあります。/これらのステップに従うことで、大学の授業で要求される高品質なレポートを書くことができます。