今の季節は、バラなどの花と同時に、木々の新緑を楽しむ時である。昨日(5月15日)千葉発のツアーのバスに乗り、三島のスカイウオーク(https://mishima-skywalk.jp/)と伊豆の修善寺(https://travel.rakuten.co.jp/mytrip/ranking/spot-shuzenji)に行き、新緑を楽しんだ。静岡なので、富士山の雄姿が見えるとよかったが、あいにくの天気で、雪を被った頂上がちらっと見えただけであった(9830)。近代技術で作られた日本最長のつり橋(スカイウオーク)と、昔の情緒たっぷりの修善寺を楽しめて、思い出に残る旅となった。
月: 2023年5月
近所に、綺麗なバラの庭のあることを発見
最近の家は、塀や生け垣をつくらず、庭の草木が見えるようになっているところが多い。その分、凝った庭というわけではなく、シンプルな庭が多い。家の近所で、昔ながらの塀や生け垣がある庭で、庭内でバラを育て、そのバラ園を通りがかりの人に公開している家を見つけた。
入り口には 「open garden」とあり、「どなたでもどうぞ」という小さな看板がさがっていた。庭内に入ると、50坪くらいの庭に、様々な種類のバラが数十本植わっていて、ちょうど見頃で、見とれてしまった。バラの配置もよく、手入れも行き届いていて、さながら「秘密の花園」に迷い込んだ気分になった。鑑賞していると、奥の家からご主人が出てきて、バラの種類(60種とのこと)や手入れの仕方(剪定、肥料、病気対策等)を、親切に教えてくれた。10年くらい前からバラを育てているという。近くなのにこれまで気がつかなかったとは迂闊。うちの庭とは大違い。庭をオープンにして、近所の人との交流を図るという庭の主の心意気にも感心した。
チャットGPTについて(その2)
チャットGPTに関して、相変わらずいろいろ議論が続いている。私自身は、それほど試しているわけではないが、今感じていることを、記録に留めたい。
1 新しいもの(方法)が出てきたときは、いろいろ問題点があげられ非難されるが、段々人々に浸透(普及)していくものは多い。チャットGPTもそのようなものであろう。2 どのようなメカニズムで、質問に対する回答が出てくるのかのプロセスが、ブラックボックスである。3 回答は最大公約数的なものある。その意味で浅く表面的、常識的なものである。少数意見やマイノリティの意見、ユニークな見方は、出てこない。それらはデータベースに入っていないのではないか(あっても、回答を作成するときに使われないのではないか)。4 政治的な争点になっているようなこと、非政治的なことでも意見が分かれる事柄に関しては、中立的な意見を述べるような気がする。5 人名に関して尋ねると、かなり見当はずれの答えが返ってくる。この分野に弱いことがわかる。6 意見やデータの出典は必ずしも明記されないので、それが正しいものなのかどうかは、自分(質問者)で、別の方法で調べなくてはならない。7 研究者や学生の考え(見方、結論)のユニークさが要求される論文やレポートには向かないように思う。チャットGPTの回答を一般的な見方と考え、そこからどれだけ違った見方や論が展開できるのかを考える材料としては使える。8 各大学の、学生の論文やレポートにどのように使用すべきか(使用すべきではないか)に関する見解は、まちまちである。上智大学https://piloti.sophia.ac.jp/assets/uploads/2023/03/27162222/23f430e7f216cbe188652f8a6855c493.pdf、芝浦工業大学https://www.shibaura-it.ac.jp/news/nid00003130.html) 9 誤りを指摘すると、謝罪し、誤りを訂正したものを送ってくる(下記13に例を一つ示す) 10 今欧米ではチャットGPTの使用に関しては制限する方向ですすんでいる。今日本はその使用が自由であり、その分遅れているIT化がすすむとも言われている。11 出典を明記しないことに関係するが、今後著作権の問題が起きると思われる。その他、日本でも、チャットGPTの使用に関しては、規制が強くなるのではないかと思う。12 チャットGPTに関しては、「食わず嫌い」ではなく、自分でいろいろ試してみて考える必要があると思う。
13 (使用例)質問1―大学生におすすめの韓国ドラマは何ですか。チャットGPTの解答―大学生におすすめの韓国ドラマをいくつかご紹介します。①「愛の不時着」(Crash Landing on You):北朝鮮と韓国を舞台にしたラブストーリーで、主人公が偶然北朝鮮に不時着し、北朝鮮の軍人と出会い恋に落ちる物語です。北朝鮮と韓国の文化や風習、言葉の違いが描かれ、非常に面白く、感動的なストーリーとなっています。②「太陽の末裔」(Descendants of the Sun):現代の戦争医療ドラマで、特殊部隊隊長と外科医のロマンスが描かれています。非常にスリリングで、観る人を引き込むストーリーです。③「鬼滅の刃」(Itaewon Class):成功を目指す若者が主人公で、夢を追い求めながら、韓国の伝統的なビジネス文化や人種差別、セクシャルマイノリティの問題などが描かれています。社会的なメッセージが強く、若者にも共感を呼びやすいドラマとなっています。④「キム秘書はいったい、なぜ?」(What’s Wrong with Secretary Kim):会社の社長と秘書のラブストーリーが描かれたコメディーです。軽い雰囲気の中にも、登場人物たちの過去や秘密が描かれ、ドラマチックな展開があります。以上の韓国ドラマは、様々なジャンルのドラマで、大学生にとっては面白く、共感を呼ぶ作品だと思います。/ 質問2 Itaewon Classの訳は、「鬼滅の刃」ではなく、「梨泰院クラス」では、ありませんか? ChatGPTの回答―申し訳ありません。私の前回の回答に誤りがありました。正しくは、「鬼滅の刃」とは全く異なる、韓国ドラマの「梨泰院クラス」です。ご指摘いただきありがとうございました。梨泰院クラスは、韓国で人気が高く、世界中でも多くのファンを獲得しているドラマです。
追記 知り合いのI氏より寄せられて意見を転載する。
● ネット(Googleなど)にあるビッグデータを取り込んで、そこから回答する AI なので、一般的な事象、学問的なことでも教科書的な定説のあることなどは模範解答的なものを出してくる。● 専門的な内容、特殊な内容、古い内容(要するにネットに十分なデータが出回っていない、国会図書館で調べなくてはいけない類)には対応できない。● しかし、「よく分からない、データ不十分」ということをあまり認めずに、周辺のデータをつなぎ合わせて、「いかにも」な文章を作ってくる。一般的な情報でも、芸能人のプロフィールや疑似科学的なものは虚偽のデータがネットに多いので、そっちに寄ったことを書いてくるらしい。●しかし、世界的にこれは問題が多いという話になって、規制の方向に向かっているようなので、意外と数年後にはあっさり下火になるかも(ClubHouse のように)。ただ、あくまで「チャットGPT」というプラットフォームが、という話で、社会における AI の使用はもちろん増える一方。
「アプリ婚の時代」を読む
朝日新聞5月9日朝刊の耕論で、「アプリ婚の時代」というテーマで、3人識者がコメントを書いていた。なかなか興味深い内容だったので、そこで印象に残った部分を抜き出しておきたい。「恋愛への幻想は変わらない」「むしろ古い価値観を補強する」「結婚しないメリットに気がつく」というコメントに感心した。
■恋愛への幻想、変わらない 谷本奈穂(社会学者)― 恋愛と結婚の関係を大きな流れで見ると、近代以降、3段階に分かれます。第1は、戦前のイエ社会のもとでお見合い結婚が主流だった時代で、恋愛は必須ではありません。第2は、高度経済成長期に個人が相手を選べるようになり、恋愛の末に結婚するという「恋愛結婚」の時代です。 第3は、バブルがはじけ不況が続いた90年代からで、今は、恋愛はコスパもタイパも悪いという感覚がかなり広がっています。「恋愛は結婚に至る」とは考えない人が多くなっていった。結婚自体の必要を感じないという人も増えている。同時に、「結婚には恋愛感情が必要」(ロマンティック・マリッジ)と考える人が大半。現実の恋愛に冷めたまなざしが向けられるようになっている。しかし一方で、映画やマンガ、小説には相変わらず、「恋愛はすばらしい」と訴える言説があふれている。
■むしろ古い価値観を補強 阪井裕一郎(家族社会学者)―結婚の歴史を見ると、「正しい出会い方」は時代により変わってきた。仲人を立てるお見合い結婚が正当とされるようになった明治時代。戦後は、恋愛結婚が理想になり、お見合い結婚は個人の魅力がない証しではないかと恥じる人も出てきた。オンライン時代に、出会いの場がデジタルの領域に移行するのは不可逆的な現象。/新しい手段が、むしろ人々の古い価値観を補強する側面もある。マッチングには人工知能(AI)が使われるが、AIは個人が元々持つ要望や傾向に応じて情報を示す。そのため常識や社会通念を後押しする結果になりやすい。たとえば、男性の年収、女性の見た目を重視するような既存のジェンダー規範が補強されたり、年収や学歴といった「スペック」による序列が固定化されたりする。新しい仕組みを、多様なつながりを促すために利用することが課題。
■選べる条件、暴走する欲望 高橋勅徳(経営学者)- 婚活市場は今、巨大なデータベースとなっている。アプリに年齢、職業、年収、趣味、容姿などを入力し、結婚相手に望む条件を設定して、相手をピックアップする。欲望が暴走しはじめ、最初に設定したのは最低条件となり、それより下げようとはならなくなる。アプリは両刃の剣。欲望が際限なく増大すると、むしろ婚期が遅れるリスクが出てくる。一方で、選択にさらされる側は、価値が無力化してしまう。職場や日常的な人間関係を壊さないアプリ婚活は、スマートと言える。またデジタルネイティブの若い世代では、利用するのが当然。今の社会において、アプリは人間の本音を解放するツールと言える。アプリ婚で、女性は男性を選べるようになった。アプリ婚活でつらい目にあったことで、結婚をしないメリットに気がつく。結婚を諦めたら、趣味を充実させ、時間も自由に使える。
「風の便り」 55号、56号の掲載
私達は日頃、動物や植物、特に昆虫や雑草など「取るに足りない」もの(と思われているもの)に対して、どのような態度を取っているのであろうか。無関心あるいは冷酷な態度を取っているのではないか。
私は輪廻(=「霊魂が,人間,動物あるいは場合によっては植物などと,1つもしくはそれ以上の存在に次々に生れ代っていくとする思想」)を信じるものではないが、多少はそのようなこともあるかもしれないと思っている。
輪廻(転生)の思想を少しでも受け入れると、虫や雑草をむやみに抜いたり殺したりできなくなる。そのような虫や雑草にも大きく2種類がある。一つはハエや蚊や庭の雑草で、それらは人や庭の草花に危害を与えるので除去したり、殺したりしまうことが多い。それに対して、蝶やトンボやテントウムシやカタツムリは人に危害を加えないので、あたたかい気持ちで見守ることになる。道端の雑草も可愛い花を咲かせていることがある。その殺傷と見守りの中間に位置しているのが蟻である。蟻が庭の片隅に生息するのはいいが、家の中に入り込み甘いものに集まるようなら困る。この中間の存在の蟻に関する考察と写真が、今回の辻氏の「風の便り」55号である。蜘蛛を扱った56号、コガネムシ等を扱った57号も掲載する。