韓国ドラマ「ピノキオ」を観る

最近、いろいろ忙しいことがあり、また家のネットフリクスに上手く繋がらないこともあり、韓国ドラマから遠ざかっていた。ネット環境が安定し、暇になり、韓国ドラマを見ることが増えた。まず友人にすすめられたドラマ「ピノキオ」の続きを見た。

最後の数話は面白く、一気に見た。真実を報道することの大切さを訴えたテレビ局の報道部が舞台のドラマ。その主題(「真実を報道することの大切さ」)に心を打たれると同時に、韓国特有の文化にも気が付いた。第1に、上下や官僚制の組織原理が、韓国で強いことも感じる。組織の内部告白者が、たとえそれが正しいことであっても組織の人やそれまで恩を受けた人を裏切った人いうことで、道徳的には糾弾され、一生就職もできなくて当然と人々が思っていることが描かれている。第2に、親しいし人や組織には特別の便宜を図る人情が大切という韓国の個別主義の原理と、不正をしない癒着をしないという近代の普遍主義の原理とが、組織内で攻めぎ合っていることを感じる。前者は韓国の方が日本より強い感じがする。第3に、韓国では若い人の恋愛や結婚に関して、親や保護者の許可が必要。これは日本より韓国が強いように思う。「育ててくれた親の恩」「上の人を敬う」という儒教の伝統のようなものが韓国で今も生きているのであろう。第4に、他の韓国ドラマでも見られるが、禁断の恋に、近親婚すれすれのところを扱ったものが見られる。韓国の親戚・きょうだい愛は、日本より強い感じがする。韓国ドラマ「よく奢ってくれる綺麗なお姉さん」では、実際の姉弟ではないが、姉弟のような関係で育ってきた二人の恋愛を周囲が猛反対する話。ピノキオでは親戚・きょうだい関係と恋愛関係に関する、微妙で複雑な心理が描かれている。

今新しく見始めたドラマは、「ウ・ヨンウ弁護士は天才肌」https://www.wowkorea.jp/profile/201139.html、「天才的な頭脳と自閉スペクトラム症を同時に持つ新人弁護士の大型ローファーム生存記」で、韓国社会の諸側面が描かれていて興味深い。裁判のドラマながら、登場人物も皆人がよく、心温まるドラマである。https://www.youtube.com/watch?v=4qsMsRIr1hc