短いコラムや文章を書く機会はある。このブログもその1つである。その際、どのような構成で、どのような文章で書けばいいのか迷う。
最近、名古屋大学の渡邊雅子教授が『「論理的思考」の社会的構築』(岩波書店、2,021)という優れた著作を出版された。それを読んで自分の書く文章のことを考えた。その結果は最初に結論を述べその理由を論証していくアメリカ方式でもなく、またフランス式の弁証法でもなく、思いつくままにだらだらと書き、最後の結論は文章の流れや気分次第で書いているように感じた(これは日本式なのかとも思った)。
短い文章を書く極意に関して、元「天声人語」の執筆者の福島伸二氏が、新聞(9月9日)に書いている(下記に転載)。その主な点を書き出しておこう。
1 自分の周りや心の内にあるものを、ふっと形にする。2 書くことは考えること。3 自分はいま何を書こうとしているかを自問する。4 自分にしか書けないことを、だれにでもわかる文章で書く。/5「大きな言葉」ではなく、小さな言葉で細部を描く。/ 6 冒頭の数行で読み手を引き付け、ぐっと離陸する。7 短く書くことは書くことを選び抜くこと、つまり「捨て上手」。
今週、内外教育の「ひとこと」の欄に短い文章を書き提出した(10月5日発行)。字数は816字。字数は制限内に納めたが、行数で4行60字多いと言われ、その60字を削るのに苦労した。書きたいことを書けたのか、書きたいことを選び抜けたかどうか、疑問である。