学校教師の多忙化が加速化し、教員志願者も減る中で、教師の負担を減らす教育の外部化はどうあるべきなのであろうか。部活の指導員に、外部の専門家を入れることにはあまり異論はなく、かなり進んでいるのだと思う。ただ、部活を学校でやることをやめて、全て外部(地域社会)に移譲すればいいという考え方までは至っていないと思う。学校の部活動は、費用がかからず、全ての児童・生徒が平等に参加できる教育の機会均等に寄与しているという西島央氏の主張(「部活動」『子どもと学校』学文社、2010収録)には、誰しも賛同するのであろう。また、部活を通してこそ、児童・生徒の興味や特技が伸ばせるとか、教師と児童生徒との絆が深まるというメリットがある。
体育の授業の中の、水泳を外部化する学校があることが、ネットに載っていた。水泳指導を学校のプールを使って教師が行うより、民間のスポーツクラブのプールで、インストラクターの指導のもとで行った方が、上達するし、教師の負担は減り、費用もそれほど変わらないという。(下記)
<東京・多摩市の北諏訪小学校。校舎から出てきたのは、2年生の子どもたち86人。これから水泳の授業なのだが、子どもたちは担任の先生と一緒に学校の外へ出ていく。向かった先は、学校から歩いて数分のところにあるビルだった。子どもたちが水泳の授業を受けていたのは、近くのスポーツクラブ。北諏訪小学校では、2021年から水泳の授業を外部委託しているという。86人の子どもたちは9つのグループに分かれ、それぞれのレベルに応じて丁寧な指導を受けていた。スポーツクラブは水泳を教えるプロ。そのプロのノウハウと設備を活用するので、授業の内容が充実しており、子供たちの表情も生き生きとしている。/なぜ今、水泳の授業の外部委託が増えているのか?理由は3つある。1つ目は「熱中症とゲリラ雷雨」。水泳の授業を外部委託をすると、暑さや天候に左右されない屋内のプールを利用できるため、授業時間をしっかり確保できる。2つ目の理由は「プールにかかるお金」。今回、取材した多摩市によると、プールを維持・管理する費用は、水道代を含めて1年間1校あたり約150万円。一方、外部委託をすると費用は約300万円と倍かかる。しかし、プールが老朽化などした場合の改修費や修繕費などを考えると、外部委託をしても採算が取れるという。3つ目の理由は「先生の負担軽減」。/これらの理由から、水泳の授業の外部委託というのが増えている。データによると、1996年度は約2万8000校が小中学校にプールがあったんですが、2018年度は約2万1000校まで減っている。つまり、7000校も全国で学校からプールが消えている>(https://www.msn.com/ja-jp/news/national/)
ただ、学校からスポーツクラブへの移動時間(距離)、児童生徒数などで、学校により外部委託の費用はかなり違うのではないか。また、今の子どもは民間のスイミングスクールに通っている率が高く、さらに体育の時間に水泳をやる必要はないと考える親も多いのではないか。水泳は1つの例だが、その他の教科内容も、外部化した方がいいもの、学校で教えなくていいものがあるかもしれない。