韓国映画『私の頭の中の消しゴム』(2004)をみる

自分は少しミーハーで流行を追いかけているように思っていたが、そうではないことを知った。15年前に流行った映画のことをほとんど知らなかった。映画『私の頭の中の消しゴム』(2004年)を、ソン・イェジンが主演というので今回はじめてみた。 日本で上映された韓国の興行映画のうち、歴代2位の記録を持つ映画である。当時全く知らなかった 。よくできた映画だと思った。アカデミー賞映画『パラサイト』(2019年)より、出来はいいのではないかと感じた。。今回もネットの解説を転載しておく。

「号泣必至の不朽の名作!『私の頭の中の消しゴム』消えゆく記憶に負けぬ愛エンタテインメント」 「建設会社の社長令嬢のスジンと、建築家志望の建築作業員チョルスは運命的な出会いで恋に落ちる。チョルスは育った環境の違いから結婚を拒んでいたが、スジンの献身的な愛に結婚を決意するのだった。チョルスが建築士の試験に合格し、幸せな新婚生活を送っていた矢先、スジンは自分の家への道順すら忘れてしまうほど物忘れが激しくなる。病院で検査をすると、若年性アルツハイマー症だと診断されて・・・」

「原作は日本のドラマ『Pure Soul~君が僕を忘れても~』(2001年、読売テレビ制作)。原作では、序盤ですぐに妻の病が発覚し、そこからの家族のストーリーが濃密に描かれているが、この映画ではスジンとチョルスのコンビニでの運命的な出会いから、結婚にいたるまでの葛藤、そして愛情を深めていく過程に重きを置いている。不倫相手の上司に裏切られて心に傷を負ったスジンが、口は悪いが心が温かく純朴なチョルスに好意を抱き、孤独に生きてきたチョルスは、温かい家庭で育った天真爛漫なスジンに惹かれてゆく。お互いに欠けたものを求めるように愛しあい、お互いの傷を癒してゆくのがとても自然に描かれて感動的。また、スジンの説得によって、チョルスが自分を捨てた母親を許すエピソードも、2人の愛の深まりを感じさせる効果的なスパイスになっている。シンプルなストーリーだが、印象的なエピソードの積み重ねが心に残り、2人の愛が美しくドラマチックなほど、スジンがその記憶を失ってしまうことが一層悲しく感じられる。コカ・コーラ、トランプの手品、バッティングセンター、チョルスのローションなどのキーアイテムの織り交ぜ方や、スジンの気持ちの高まりを表現するように流れるオペラやラテン系の音楽も印象的だ。

ヒロインは、ドラマ『愛の不時着』で再びの全盛期を迎えているソン・イェジン。2003年にドラマ『夏の香り』や、映画『ラブストーリー』で人気を博した彼女は、その翌年に本作に出演。不倫に涙して化粧がドロドロに落ちた顔から、お嬢様らしい品のある表情、チョルスの前で魅せる満面の笑顔、病気を知っての絶望に陥った表情、そして記憶を失くした虚無の表情までを繊細に表現し、”メロドラマの女王”との称号を得た。 一方、チョルス役のチョン・ウソンは、ドラマには滅多に出演しない根っからの映画俳優。アウトローのイメージで、男くさい作品に出演することが多かったが、本作ではそのイメージを活かしつつもラブストーリーということで女性ファンが倍増。」(安部裕子 https://allabout.co.jp/gm/gp/1193/)