① 強い信念に基づく一途な行動、困難に立ち向かう果敢な行動、がメインテーマのひとつ。② 仲間(友情、恋愛)の大切さがもうひとつのテーマ ③ ①と②の組み合わせで人間の4類型ができる。(A―信念・仲間、B―信念のみ C―仲間のみ、D-信念も仲間もなし=損得と利己的行動。)主人公のセロイとその仲間はA類型が多く、敵役はD類型が多い。④ 中で描かれている恋愛関係は、一歩方向(片思い)が多い(グンス→イソ、イソ→セロイ、セロイ→スマ←グオン)。ただその片思いは秘めているのではなく、はっきり公言され、その成就に向かう努力が評価される(失恋で泣く様子も激しいが)⑤ 韓国は学歴社会といわれるが、主人公のセロイは中卒・高校中退で、ヒロイン・イソも超優秀ながら高卒である。学歴に価値は置かれていない。強い信念と行動が評価されている。セロイの初恋の相手スアは超美人で、大卒で控え目な女性だが、信念が弱く、そのような女性は韓国では生きにくい。⑤ 母親はほとんど出てこず、いても影響力は小さい。強い父親が求められていて、その父親の信念に基づく行動(背中)が心の支えという息子が多い。信義や仲間を大切にしない父親からは、問題児が育っていると描かれている。⓺ 登場人物の日常に交される会話は、ひとつ一つの言葉は短いが、ホンネ(本質)をズバリと発していて、緊迫感がある。相手の言葉に「エ?!」と驚く場面が多い(毎回、数場面あるのではないか)。主人公セロイをめぐるヒロイン・イソと初恋相手のスアの会話のレベル(緊迫感)は、漱石の「明暗」の中の、二人の女性の会話のそれに匹敵する高さと感じた。