藤原新也写真展「花のParis」(転載)

藤原新也写真展「花のParis」が、銀座・ライカギャラリー東京で3月6日(金)から開催される。藤原は1944年、福岡県生まれの写真家。画家、文筆家としても活動し幅広い分野で活躍している。

本展「花のParis」では、ライカを携え挑んだアンリアレイジのパリコレクションのバックステージをはじめ、藤原自身が「未知のフィールド」と呼ぶパリの街をライカで撮り下ろした渾身の作品を展示。なお、3月7日(土)からはライカギャラリー京都、4月22日(水)からはライカ GINZA SIXでも展示される。

タイトル「花のParis」日時 2020年3月6日(金)~5月31日(日)会場 ライカギャラリー東京(東京都)時間 11:00~19:00 定休日 月曜 URLhttps://s.imaonline.jp/2vOfNf3 (新型コロナウイルス感染拡大防止のため、当サイトに掲載している展覧会やイベントの内容が変更になっている可能性があります。公式サイトなどから最新情報をご確認ください。)https://imaonline.jp/news/exhibition/20200220-2/

卒業旅行について

これから大学も卒業式のシーズンで、卒業式や謝恩会はどうなるのであろうか(上智大学や敬愛大学では卒業式は中止になっている。他の大学も同様であろう)。大学生にとって、これまで日常的に会っていた人たちと、卒業式を境に(意図しないと)会う機会もなく、一生の別れのようなところがある。それで、仲のよい友達と思い出作りに「卒業旅行」をすることは大切なことだと思う。卒業旅行は、昔からなされてきたように思う。私の場合は、もう半世紀以上前になるが、学部卒業の3月に男4人で、九州一周の旅(ほとんどユースホステルに泊まった)に行ったことが、いい思い出になっている。大学後輩のT氏より、私のブログを読んで、自身の卒業旅行に関して、思い出を語ってくれた。

<3/7付の「南房総のお花畑」を読みまして、とても懐かしく、メールさせて頂きます。私が大学を卒業する時に「卒業旅行」で行ったのが、南房総だったのです。男3人で行きました。東北出身と九州出身の人で、お2人とも故郷にUターンするということで、関東近辺には来にくくなる、遠くまで行く気はない、それでやっぱり暖かいところがいいよねーということで、決めました。1泊2日で、ちょうど今頃(3月上旬)に行きました。千倉のお花畑でポピーを摘んだり、泊まったホテルでパターゴルフをしたり、何かの史跡(城跡でしたか)に行ったりしました。とてもいいところで、しかも空いていて、みんな満足しました。大学教員になってから学生に「卒業旅行はどこに行ったのですか?」と時々聞かれますが、「千葉県の房総半島の南の方に、男3人でお花摘みに行った。」と言ったら、たいてい絶句されますが、それがまた気に入っています。この度、菜の花に囲まれたお孫さんの写真を見て、一気に鮮やかに当時の記憶が蘇りましたので、メールさせて頂きました。>

、今の学生に「千葉の房総半島に卒業旅行に行きましたというと、絶句される」というところがいい。普通は卒業旅行というと海外旅行が定番だと思うが、この新型コロナウルス騒ぎで海外旅行がままならなくなっている今、近場で人も少ない房総はお手頃かもしれない。

南房総のお花畑

南房総の千倉は、村上春樹も好きな場所で、氏のエッセイによく出てくる。素朴で、のんびりした漁村である。

昨日(5日)は、学校や幼稚園が休みで退屈している子(孫)を連れて、家族で南房総にドライブに出かけた。千葉からは高速の館山道を使うと、2時間弱で着く。途中砂がきれいで水が沖縄の海のような青い浜辺(遠くに富士山)、保田の漁港内の食堂で取れたての美味しい魚(お刺身やフライ)のランチを食べ、千倉のお花畑を目指した。着いた海の傍にある千倉のお花畑では、いろいろな花を自分で摘むことができて、入場料は無料で、摘んだ花は7本あるいは5本300円と格安である。菜の花は、おまけでいくらでも摘んでいいと言われた。

コロナウィルスの蔓延で学校や幼稚園が休みになり、不要な外出をやめ自宅に籠りなさいと言われるが、子どもたちは家にいると、ゲームをしたり、You Tubeばかり見てしまう。今日のテレビでは、「正しい外出」はした方がいい(それは、家族など少人数で、人混みを避け、手洗い、うがい、消毒などをしっかりするもの)とも言われていた。コロナ対策の為には、健康でストレスを溜めないことも必要と言われている。いろいろな工夫が必要だ。

つげ義春のこと

これも昔よく読んだ人・本だが、『多田道太郎著作集Ⅱ』をアマゾンで購入した(元の定価3980円、購入価格2円、送料350円)。目次を見ると、有名な「複製芸術論」はじめ、興味深い論稿がたくさん再録されている。加藤典洋の「解説対談」もある。さらに、つげ義春の論が漫画付きで載っていた。つげ義春の漫画は私も好きで昔よく読んだが、最近では海外で賞を受賞したという新聞記事を読んだばかり(下記に転載)。つげ義春の漫画は今の時代の気分に合うのかもしれない(その一部を転載しておく)。

<つげ義春さんが特別栄誉賞 欧州最大規模の漫画の祭典―仏南西部アングレームで1日にあったアングレーム国際漫画祭の授賞式で、賞を受け取った漫画家のつげ義春さん。 フランス南西部アングレームで1日、欧州最大規模の漫画の祭典として知られる第47回アングレーム国際漫画祭の授賞式が行われ、「ねじ式」や「沼」「無能の人」などで知られる漫画家つげ義春さん(82)が特別栄誉賞を受賞した。 漫画祭の公式ツイッターによると、つげさんは授賞式で観客から総立ちの拍手を受け、「非常に光栄です」とあいさつした。漫画祭ではつげさんの特別作品展が開かれ、多くのファンが訪れた。 東京出身のつげさんは、1950年代に漫画家としてデビュー。60年代から「月刊漫画ガロ」に発表した作品の数々は高い評価を受けている。>(朝日新聞2020年2月2日 )

<折々のことば:758 鷲田清一 私は関係の持ちかたに何か歪(ゆが)みがあったのか、日々がうっとうしく息苦しく、そんな自分から脱(の)がれるため旅に出、…… (つげ義春) ◇ 旅の途中、うらぶれたボロ宿に惹(ひ)かれた心境を漫画家はこう綴(つづ)る。そこだと「自分がいかにも零落して、世の中から見捨てられたような心持ち」になれ、えもいわれぬ「安らぎ」を憶(おぼ)えるのだと。もうこれ以下はないとわかると、いじけた根無し草のような存在にも、ゆるくて黒いユーモアが漂いはじめる。「新版 貧困旅行記」から。>(朝日新聞 2017年5月19日)

多田道太郎「つげ義春の変化意識」の一部をコピーしておく(続きは、各自原本を。)