関東に住む人間にとっても、3.11の東北の地震の時のことは記憶に残っている。揺れは大きかったし、東北ほどでないにしても大きな被害があり、交通機関はマヒした。それで、今でも地震に対する備えをしている人は多いであろう。
それに対して、台風や大雨、強風に関しては、ここのところ関東地方で被害がなかったので、関東人は油断していたと思う。それがこの前の台風15号の被害が千葉県で甚大で、今回の台風19号に関しては、その備えの必要がマスコミの報道はじめとして強調され、各家の対策やスーパーや交通機関の対策も早くから取られるようになっている。昨日(11日)、千葉の店では水や窓に貼るテープも売り切れのところも多かった。夕方にスーパーやパン屋を通りかかるとパンが全て売り切れていた。この備えが功を奏する、あるいは台風の被害がなければいいが。もし台風の被害がない場合も、それはこれからの自然災害の備えや予行演習としての意味をもつであろう。
このようなのんきなことを言っていられるのは、まだ千葉も雨風が強くないせいかもしれない。先ほど(12日午前8時10分ごろ)うち(千葉市稲毛区)でも停電があったが、20分ほどで回復した。これからもっと長い停電や断水を覚悟しておいた方がいいかもしれない。
<追記1>現在12日21時15分。台風19号は伊豆半島に上陸。千葉は少し風が強い程度でこの前の台風15号の時に比べ雨風はそれほどひどくでない。地震はあったが、停電や断水はない。関東各地や東海や中部地方に大雨特別警報が出ているが、千葉には出ていない。台風の被害は、場所によって違うことがわかる。15号の時は風が強く、千葉で木や電柱が倒れ、屋根瓦が壊れ停電や断水が長く続き道路が寸断された。今回は大雨で、千葉ではない内陸部で河が氾濫し洪水の恐れがある。千葉県民は前回の教訓から今回はかなりの備えをしていたが、他の地区ではそれほど備えをしていなかったのではないか。備えの大切さを感じる。被害が大きくないことを願う。
<追記2>知人のU氏より下記のメールをいただいている。「それにしても同時多発の水害の多さには驚いています。今回の同時多発の河川の氾濫が示唆する日本の国土の治山治水の新たな問題の深刻さ・・・という課題に関心が広がってきました。災害への準備に加えて、高度成長型の日本列島改造から、人口減少段階に入った日本の国土の再編と再構築というテーマが浮かんでいます。」。次のように言う人もいる。「15号による風害や今回の水害の様相を見ると、これからは過去の事例では参考にならないような巨大台風や豪雨が日本のみならず世界各国を襲う可能性を今回の19号は知らしめているように思う。すでに2年前に台風の規模や強度の変化は節目を迎えていると思われ、これからはこれまでの日本の災害や風土に根ざした家屋の作り、あるいは台風来襲時の防護の方法も根本的に洗い直す必要があるのだろう。一例を上げれば過去から延々と日本の風景を形作って来た瓦屋根である。歴史を育んできたその美しい生活の工芸というものが房総を襲った15号台風によって機能しなくなった時代が来たように思う。おそらくあの瓦屋根が飛んだ地域では、早晩その屋根の風景は変わるだろう。」