新聞の広告を見ていると、リッチな高齢者向けの旅行案内と格安の旅行の広告を見かける。前者は豪華客船で世界旅行であったりビジネスクラスでの欧米旅行であったりする。後者は平日やシーズンオフのアジアや国内旅行である。若者の経済的格差だけでなく高齢者の旅行の社会的格差も広がっているのであろう。
私が行けるのはもちろん後者で、今回奄美大島に2泊3日で行った。成田から奄美大島への往復航空券と2泊のホテルの宿泊がついて一人19800円と格安(飛行機はバニラ・エア)。飛行機の座席は少し窮屈でテレビや無料の飲み物サービスはないものの、乗務員の感じもよく短時間の飛行(行きは3時間、帰りは2時間)に問題はない。 ホテルは街中の中心にある「ホテルニュー奄美」で、便利で清潔で大浴場もあり、朝食も美味しく、ホテルの人の接客態度もよかった。(慶応大学ゴルフ部の学生が合宿で泊まっていた)。
私は奄美大島に行くのは初めてであったが、海や砂の色のきれいさと自然の素朴さに感動した。レンタカーで島を半周したが、どこの海岸(湾が多い)も水はブルーとエメラルドグリーンで透明度が高く砂は白く、見とれるほどの美しさであった。 いくつか気が付いたことがある。①2時間くらい車で走っても食べるところはもちろん店が一軒もないところがあり、人の少なさと観光化されていないことを感じた。②トンネルがとても多い。それだけ山が多いのであろう。③道路はどこも整備されているが、走っているのは小さい車が多い(高級車で社会的ステイタスを誇示する文化がないのかもしれない)。④信号が変わる時間が長く、のんびりしている。⑤人が親切。道を尋ねると皆親切に教えてくれる。店の人の感じもよい。⓺ 鳥料理やモズクがおいしく、タンカンも美味しい。⓺ 飛行機に乗っているのは若い人が多く、中高年がほとんどいない。⓻ 西郷南洲居住跡を訪ね、西郷隆盛とその妻の思いに思いをはせる*⑧奄美でどのような教育が行われているのか見てみたいと思った(素朴そうな子どもたちは少し見かけたが)
追記 *水沼文平さんより、下記のコメントをいただいた。<奄美大島の旅、先生が気づかれたこと、興味深く拝見しました。今になって思い出すと、私にとっての奄美大島はカソリック教会の多いことにたいする驚きもありました。薩摩藩の搾取は凄惨・壮絶を極め、明治になってからも大島の人々は貧困に苦しんでいました。そこにカソリックの宣教師が現れ、信仰・病院・教育に力を入れ、たちまち信者が増えたとのことです。隠れキリシタンは存在しなかったようです。>