「名護市長選に思うこと」 (水沼文平)

仙台在住の水沼文平さんから、昨日の名護市長選に関して、メールをいただいた。了承を得て、転載させていただく(武内)。

相変わらず寒い日が続いていますが立春を過ぎると心なしか春の息吹を感じます。昨日の名護市長選は意外な結果でした。平和の砦である沖縄にもポピュリズムが浸透しつつあるのを強く感じます。
4日の深夜名護市長選の結果が判明しました。米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設が大きな争点でしたが、新顔の渡具知武豊氏が現職の稲嶺進氏を破るという私にとっては予想外の結果となりました。
2016年6月、琉球大学で日本子ども社会学会があり沖縄を訪問しました。元米海兵隊員軍属による女性殺人遺棄の事件があったばかりなのに、米兵の酒酔い運転により怪我人が出る事件が起きました。また訪問中に県会議員選挙があり、翁長知事を支える県政与党が3議席増やし、県議会の過半数を維持しました。県政与党(社民・共産など)が、自民・公明などの本土とは逆さまになっていることに、沖縄県民が抱えている切実な問題、それに真剣に取り組んでいる姿を見ました。
安倍政権は今「辺野古移設が唯一の解決策」と繰り返し、移設工事を本格化させています。さらに沖縄では米軍機の事故やトラブルが相次ぎ、県民の安全が脅かされていますが、米軍機はすぐに飛行し日本政府は追認しています。
今回の選挙結果を見て、数年前に比して沖縄県民の意識に大きな変化が生じているのではないか。「無力感、あきらめ」をベースとした基地化による経済効果への期待感が高まっているのではないかと危惧されます。
安倍政権が押し進めている「集団的自衛権・憲法改正・共謀罪」など戦前回帰とも思
える政策に対応するためには、70年前に誕生した「日本国憲法」の本質と成立過程を知ること、原点に立ち返って考えることが最も重要な課題であると思います。
※私は1946年5月22日に生まれましたが「文平」という命名は新憲法の骨格をなす「文化」と「平和」に由来しています。新憲法案は、私が生まれる直前の1946年5月16日の第90回帝国議会で成立しました。
2017年4月30日に放映されたNHKスペシャル「憲法70年 平和国家はこうして生まれた」という番組があります。これは「YouTube」見ることができます。概要は下記の通りです。仙台所縁の法学者「鈴木義男」が出てきます。
日本国憲法の施行から70年。平和主義の出発点が新たな資料で明らかになった。昭和20年9月、昭和天皇は勅語で平和国家の確立を明らかにした。しかし、GHQ草案の条文には平和の文字はなかった。その後、衆議院の小委員会で鈴木義男議員の発言を機に議論があり「国際平和を誠実に希求」する条文が第九条に盛り込まれたことが明らかになった。番組では速記録をもとに小委員会をドラマで再現。“平和国家”誕生の舞台裏に迫る。(水沼文平)