大学入試問題(英語)のレベルについて

大学入試問題の「傾向と対策」についいての研究は盛んになされていると思うが、入試問題の社会学的研究というものはあるのだろうか。
国語に関しては、石原千秋(https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%9F%B3%E5%8E%9F%E5%8D%83%E7%A7%8B)のものがいくつかあるように思うが、英語に関してはどうだろうか。
昨日、英語の入試問題に詳しい卒業生と話していたところ、下記のような興味深い話を聞いた。

<入試問題は公表されることが多い。その公表される入試問題を見て、「この大学の学生の英語のレベルはこの程度か」と評価されることが多い。そこでその大学の入試の英語問題は、その大学の受験生のほとんどが解けないような難解な問題を出す傾向がある。
その大学のレベルを考えると、中学レバルの英語ができるかどうかを判定するのが一番ふさわしいのだが、そのような問題を出すと、世間から大学が低く評価されるのでそれができない。
その為、受験指導が難しい。その大学を受験する学生の英語レベルを考えると、中学レベルの英語から教えなければいけないのだが、出題のレベルを考えると高度な英語を教えなければならない。しかしそれについていける生徒はほとんどいない。入試問題のレベルとその大学の受験生の英語レベルがあまりに離れていて、受験指導者泣かせになっている。>

大学入試は、本来その大学に入学した後その大学の授業についていける学力があるかどうかを判定する為のものであったが、その後入学希望者は入学定員を上回り選抜の為のものに移行し、そして現在は入学希望者が入学定員を下回るようになり、単なる形式だけのものになっているのであろう。
現在、大学の入試改革が進んでいるようだが、建前ではなく、生徒の学力の現実に則した考察・改革が必要のように思う。