教育社会学のマクロな見方

教育社会学は、教育と社会との関係を扱う分野だが、人の社会化に焦点を置くか、教育の社会的機能に焦点を置くかで、そのアプローチも違ってくる。私自身は、人の社会化に関心があり、教育の社会的機能というマクロな見方にあまり関心がもてなかった。
私が学部・大学院時代に学んだ東大の教育社会学の研究室の雰囲気は「経済発展と教育」や「社会開発と教育」というテーマで教育の社会的機能をマクロに考察するもので、個人の社会化などミクロなことは、他の分野(心理学等)に任せておけばいいことで、教育社会学の使命はもっと別のところにある、教育の制度をどのようにし、教育はどのような社会的機能を果たすべきかを考えるべき、と考えられていたように思う。別の言い方をすれば「研究は自分のアイデンティティ探しの為に行うのではなく、社会的に有用なことを行うもの」ということである。

今回、小林雅之氏の給付型奨学金に関する意見(日経新聞2月23日)を読んで、当時の東大の教育社会学研究室のマクロな研究の伝統がしっかり東大の研究者に受け継がれていることを感じた(下記、添付参照)

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我が家の雛飾り

各家々では、子ども(娘)が大きくなった時、雛人形はどうしているのだろうか。捨てることはないにしても、家のどこかにしまわれぱなしの場合も多いであろう。
我が家では、(昨年も書いたが)、とにかく1年に1度くらいはお雛様に陽の目を見さして上げようと、箱から出し、置ける場所を探して、飾ることをしている。小さな男の子にとっては、お雛様は見てもそんなにうれしがるものではないが、物珍しさに一瞬は見つめることはしてくれる。それでよしとしよう。

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老年学

新しい環境に置かれたり、新しい境遇になったりしたとき、そこで生き抜く方策を指南してくれる本を読むことは有効であろう。定年で職を退き、定年後老後を生きるということは、具体的にいろいろなことがあるのであろう。また現役で働く人にはわからない悲哀があることであろう。

地元の「卓球愛好会」でご一緒しているMさん(84歳)が、老年学の文献を紹介してくれた。私にとってはこれから必要な文献である。 

老年学に関する文献 紹介

水野 肇「40歳からの新老年学 1992-1 版

水野 肇「夫と妻のための死生学」 1984年版

水野 肇「夫と妻のための老後設計」1980版

「新老年学」   東大出版会 1992-8

佐藤真一「後半生のこころの事典」2015年版

古谷野 亘、安藤孝敏編著「改訂・新社会老年学」2013年11月版

 

Mさんの解説—-水野氏の本3冊は大変読みやすい書物であった。しかし35年前のものでデータが古いのが残念でした。東大出版の新老年学も25年前で古いものであったが1300ページの大作であった。「後半生のこころの事典」を書いた佐藤真一氏は阪大の老年行動学専門の教授(医学)で最近のデータを使い大変面白かった。大塚邦明氏の「健やかに老いるための時間老年学」はいささかわかりにくいものであった。古谷野、安藤氏の「改訂・新社会老年学」は新しいデータを豊富に使用し大変面白かった。しかし大学生の教科書に使用しているかのような硬すぎる表現で読みやすいものではなかった。しかし内容は大変濃いものであった。 

私の感想—紹介されている本には、下記のような老人の直面する具体的なことが書かれているようで、決して楽しいものではないが、避けては通れないものであろう。大変な覚悟ないし、自然体で対処する心構えが必要である。

<定年退職 継続雇用、再就職 地域活動への参加.   親の死、配偶者または自分の大病、老化の進行、 仕事からの引退、心身の質的変化、地域活動からの引退、孫への援助、自分または配偶者が要介護認定される、認知症になる、 施設に入居する、子供と同居する 、友人、知人の死配偶者の死 歩けなくなる、 金銭管理を他者に委ねる、寝たり起きたりの毎日になる>