大学生の4類型

学生を2つの軸で4つに分類できるのではないかと、ふっと思った。
1つの軸は、勤勉かどうか。授業に遅刻せず皆勤で熱心な受講態度の学生(A)とその逆(遅刻多く休みがちで受講態度もよくない)学生(a)。
もう一つの軸は、頭の回転がよくセンスもある学生(B)とそれがない学生(b)。
この二つの軸を交差させ、学生の4類型(AB,Ab,aB,ab)を作ることができる。
ABは、いわゆる優等生なので問題はないであろう。ただあまり面白味はないかもしれない。
Abは、コツコツ努力する学生で、時間はかかるかもしれないが、いつか芽が出ることであろう。
aBは、教員にとっては少し取り扱いづらい学生だが、能力もセンスもある学生なので、それを何とか伸ばしてやりたいし、伸ばしてほしいと思う。
abは、大学に来ても意味がなかったのにと思うが、高い授業料を払ってくれている「お客様」なので、むげに扱うわけにはいかない。個人的に話してみると、それぞれいい面をもっていることがわかる場合が多い。

千葉でも雪

今日(11月24日)は、千葉でもかなり雪が降った。
若い人は元気で、久しぶりの雪に、雪の積もった校舎の空き地で、はしゃぐ姿が見られた。うちの犬(ソフィー)はもう年で、雪よりストーブの前が好き。幼い子ははじめて見る雪に興味深々。

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幼稚園生と大学生

藤崎春代「子どもの発達から教育を考える」(『教育の基礎と展開』第3章、学文社、2016年)の中に、幼稚園児の園の授業風景のことが書かれている。
幼稚園児たちは園で2つのことを学ぶ。1つは、「教室での学習場面の成立を可能にする教室ルール」(具体例で上がっているのは、挙手―指名のルール)。
もう一つは、「二次的ことば」を使うこと。「二次的ことば」とは、「一次的ことば」(=「具体的な事例について、状況の文脈に頼りながら、親しい人と直接対話によって展開する言語活動」)とは違い、「状況の文脈を離れ、抽象化された聞き手一般を想定し、話の筋は自分で調整し、ことばの文脈で使うことば」である。つまり二次的ことばとは、教室での発言や発表の時使うことばを身に付けるということである。
幼稚園児が園で学ぶこの二つのことがらのことに思いを馳せると、今の大学生はこの二つのことが学べているのかどうかと疑問に思う場面に出会うことがよくある。
第1の「教室ルール」でいうと、大学の授業という場で、私語やスマホいじりが頻繁にみられることである。これは、3歳の園児がまだ幼くて、教室で今なされていることやルールを理解できず、自分の好きなことをやってしまうのに似ている。3歳児でも教室ルールを理解しそれに従うことのできる子もいるので、私語やスマホいじりをしている大学生は、それが理解できない3歳児以下の能力しかないともいえる。
第2の「二次的ことば」でいえば、学生を指名して発言を求めても、無言か、友達に話すような小さなつぶやきしか返ってこないことが多い。これも3歳児が学ぶ「二次的ことば」がまだ身についていない証拠と思えてしまう。
大学は自由な場であるが、その自由は、無知からくる幼い子と同じ行動をすればいいということではない。大学生には大学生の発達段階にふさわしい行動があるはずである。