神田外語大学の「教育社会学」の授業(⒑月9日)では、教育社会学のこれまでの研究方法と研究内容について説明した。使った資料は、次の2つである。
① 藤田英典「教育社会学のパラダイム展開と今後の課題」(天野郁夫・藤田英典・苅谷剛彦著、 改訂版『教育社会学』放送大学印刷教材、収録)。
藤田氏は教育社会学のパラダイムとして機能主義、人的資本論、方法的実証主義、葛藤理論、解釈的アプローチの5つを上げている。そして、戦後の社会の変動と教育社会学の研究内容や方法の対応を鮮やかに描き出している。
② Sociological Theories at a Glance, deMarrais, K. B. & M. D. LeCompte, 1999,The Way Schools Work: A Sociological Analysis of Education。
これは、教育社会学の理論として、機能主義、葛藤理論、解釈理論、批判理論の4つを上げ、その焦点、前提、主要な概念、分析のレベル、主要な問いと調査のトピック、批判、貢献した人を詳細に説明している。
教育社会学を専門に学ぼうとしているわけではない学生(ほとんどが教職免許のために受講している学生)に対して、教育社会学の学問的と意義と特質を講義しても、どれだけ理解され役に立つのかと疑いながらも、科目名が「教育社会学」だし最初の方(3回目)の授業だし、教育社会学の内容と方法の概要を話すのもいいだろうと思い、このような内容になった。学生からは、次のようなコメントが返ってきた。
教育社会がどういったものなのかというのが改めてしっかり理解することが出来ました。それぞれの時代背景に合わせて教育をどう調整してきたかが理解でました。印象的なのは、時代が発展し便利になるほど、生徒が荒れてくるということ/日本の教育の歴史(流れ)について学んだ。社会と教育はつながっていると思った。/ 戦後の教育社会学は時代が進むごとに発展を遂げてきた。時代ごとに様々な課題が出て来て研究も必要になってくる。教育における幅広い現状を考えてみることが教育社会学なんだと理解した。/ 教育社会学の視点と他の学問の違いがわかる授業だった。教育社会学的見解というのは重要であると思った。社会が子どもの発達に大きく関わってということが再認識できた/ パラダイムは問題の立て方、答え方の模範となるものということですが、何となく理解できますが、少し難しいところでした。/ 葛藤理論や相互作用理論などを用いて分析し、よりよい環境を作ることも教育社会学の一つの役目なのかと思いました。
IMG_20151009_0002
(配布資料)