教師について考える-神田外語の授業

神田外語大学の教職科目「教育社会学」を非常勤で担当している。受講している学生(38名)は、教員を目指そうかどうか迷っていたり、中学がいいか高校がいいかを迷っていたり、公立にするか私立にするか迷っていたりする。自分の中高時代のイメージで、教員について考えている学生が多い。

29日の授業のテーマは、「教員について考える」。教師の現実について、データをもとに話す必要があると思った。テキストに使っている『学生文化・生徒文化の社会学』(ハーベスト社、2014年)にも、いくつか教員調査のデータを掲載している。

さらに、少し古いが我々の3つの教員調査のデータをまとめた「高校教師の特質―学校格差と関連で」(『教育と情報』平成512月号)を配った。また『文部科学白書』(平成25年度版)の第2部第10節「きめ細かで質の高い教育に対応するための教職員等の指導体制の整備」(p181191)も配布して、教師の実態と政府の施策を学んでもらった。私の昔の高校教師の体験(私立の開成高校で倫理社会を半年間教えた)も少し話した。

まず、配布したプリントに目を通してもらい、下記のこと(質問)を考えてもらった(リアクションペーパーにその回答を書き、周りの人と話し合う)。 

今日のリアクションテーマ ; 教員について考える 

1 教員の社会的地位は高いか (出身階層、給与、身分保障、威信) 

2 どのような人が教員になるのか。教員の職業的特質は。 

3 中学校教員と高校教員のどちらをめざすか。その違いは。 

4 公立教員と私立の教員の違いは。 

5 生徒の距離をどのように取るか 

(1とても近くー2やや近く―3やや遠くー4とても遠く) 

6 教師としての自信や誇りをどのような方法で身に付けるか 

  1 知識 2 教える技術 3 人間性、思いやり 4生徒指導 5 部活指導

     6 管理職(管理能力) 

7 どのような方法で、教師としての能力の向上を目指すか。 

  1個人の努力(勉強) 2 現場の実践 3 先輩教師から 

  4官制の研修   5 民間の研修 6 社会体験 7その他 

8 どのような方法で、教員採用試験に備えるか、 

9 教師のバーンアウトをどのように防ぐか(教師のストレスをどう逃れるか) 

 リアクションで考えてもらったことをもとに皆でいろいろ議論できればいいと思ったが、扱った内容が多すぎ、議論の的を絞れず、私がポイントを話して、時間が終わってしまった。今回もアクティブ・ラーニングに至らなかった? それでも、「今日の授業内容は将来の進路を考える上で参考になった」というコメントが多かったのでよしとしよう。

 

卒業生

一人の卒業生から千葉に行く機会があるので、会いたいという連絡をもらった。卒業生が覚えてくれているのはうれしい。卒業以来約20年ぶりに会っていろいろ話した。

彼は学生時代の雰囲気がそのままであった。それだけ、大学時代には人格の大枠ができるということであろう。また得意な英語の勉強を続け、それを仕事のしている姿勢が学生時代と変わらないのも一因であろう。

私は上智時代に80%くらいのテンションで仕事をしてきたと話したら、自分は150%くらいのテンションで仕事をしているとのこと、少し反省。彼の紹介をネットで見ると、大学時代のゼミの専門(教育社会学)を書いてくれていた。