「授業は人と人との出会いということだ」と知人の先生のメールに書かれていた。その先生は、大学の非常勤の授業の最後に、数人の学生から色紙をもらったという。よほど、学生たちはその先生との出会いや授業に感激したのであろう。
1~2年間のゼミの最後に学生から色紙をもらうことはあっても、半年間の大人数の授業の最後に色紙をもらうことは普通ない。その先生の授業への熱意が、学生の感銘を引き出したのであろう。
専任の大学の授業より、非常勤で教えている授業の方が、熱が入り、丁寧な授業を行うような気がする。実際、大学の非常勤手当は少なく、1コマに払われる手当は、専任の10分の1程度だと思われるが、専任校の授業より非常勤校の授業の方が、熱心にやってしまうのではないか。学生にとっては、1コマの授業として、専任も非常勤も関係なく(よく知らないというのが実情だと思う)、教員の熱心さと授業の中身に反応することであろう。
私も今年非常勤で行っている大学の半期の講義で、最終日の試験を行い、試験答案を受け取りながら、毎週熱心に授業を聞いてくれた学生たちと、これ以降、一生会うことがないだろうという「事実」(可能性)に驚いた。
(以前に、めったに会わない高齢の先生に、共通の知り合いの人の葬儀で会い、帰りに駅までご一緒し、別れの挨拶をした時、「この先生とお会いするのも、これが最後だな」と感じたのと、同類の気持である。
残り少ない(?)人生、人との出会いを大切にしたい。授業も同じことだ(後何回、授業を担当出来るのか?)。