「彼女と付き合い始めてどのくらいになるのか」ということが、ゼミの男子学生6人の中で話題になり、それぞれ、1年、1年半、2年、5年と、淡々と報告しあっていた。お互いにお互いの相手の女性たちとも顔見知りのようで、冷やかすという雰囲気はなく、確認をするという感じであった。
そばで聞いていた私は、6人とも、「付き合っている彼女がいる」ということにまず驚いた。われわれの過去の大学生調査では、大学生の異性付き合い率は3割くらいだったと思う。
我がゼミには「もてる男子」、あるいは異性に積極的な男子が多いのか、あるいは回りに女子学生が多いせいなのか、おいおい考察しようと思った。
大学生の時に、「付き合っている彼女がいる」というのは、どのようなもの(気持ち、状態)なのであろう。私のように、中学、高校、大学と周囲(クラス)には女子生徒(学生)はいるもののその数は少なく、ほとんど個人的に話したことがない(つまり「もてなかった」)ものからすると、不思議で、またとても羨ましくもある。
彼らは彼女がいるせいか、「飢えた」感じがない。皆、ある種の余裕というか、落ち着きがある。 「どこかの大学の女子学生と合コンをやろう」という話には、まったく乗ってこない。「自分達は彼女がいるから、そんな必要はない」と、合コンにてんと興味を示さない。
「早く卒業して、就職して、結婚し、子どもを持ちたい」という希望を言う学生もいて、皆、賛同している。
これから永い人生、一人の女性に、そんな若くして(今20歳ちょっと)、女性に縛られていいのか、という気がしないでもない。
今は、早く相手を見つける人と、それが遅い人の両極に分かれ、その中間が少なくなっているのかもしれない。