最後に動き出した明治大学

今日(5月17日)は、放送大学(文京学習センター)から帰ろうとしたら、同じ建物にある「筑波大学 大学研究センター」で、大学職員向けの「大学マネジメントセミナー」」の第1回が開催されていたので、聞かせてもらった。
テーマが、「最後に動き出した大規模私立大学」というのが興味深く、講師は明治大学教学企画部長の御子柴博氏であった。(受講者は200名近くいた、私語ひとつなく、皆熱心に聞いていた)
明治大学は創立が1881年(明治14年)と、歴史のある大学であるが、1953年から2003年まで50年間、学部の改組もなく、何も改革してこなかったとのこと、それでも潰れることなく、現在に至っているという。明治大学は、1955年は、一部24458名、二部10618名と、3分の1は、2部(夜間)の学生だったとは驚きである。それが現在(2012年)は、2部を廃止し、学生数32583名、専任教員数825名、職員数537名の大規模な大学になっている。改革が遅れた理由として、各学部の独立性(教員は明治大学○○学部教員ということに誇りを持っている)、学生運動(入学時に大学が一括徴収した自治会費が学生セクトに渡っていた)の存在が挙げられていた。現在は、リバティータワー、アカデミックコモンはじめ、大学を象徴する大きな建物も建ち、グローバルCOE,グローバル30はじめ、多くの政府資金を獲得し、さまざまな改革も進め、学生が多く集まっている。
その秘訣は、全学的な見地に立っていた職員も大きな役割を果たしたこと、長期計画もなくゆっくりとした助走をしてきたことにあるという。
自然体で、篩にかけ、いいものを残していったような感じの大学である。学生は、「明治ですから」「明治でもできる」が自然に口から出てくるという。

http://www.rcus.tsukuba.ac.jp/pdf/2012pdf/RcusUMS0902th.pdf