春の雪と春の御宿

春の雪


うちの庭にも春の雪が積もり、ソフィー(キャバリア5歳)、大喜び。

春の御宿


同じ日(18日)に外房の御宿海岸に、犬の散歩に行った。いつも家のストーブの
前に寝てるのだが、この日は、大喜びで砂浜を駆け回っていた。夏には海に入れ
泳がすのだが、この日はまだ海は冷たく、足を浸しただけ。

渡部真さんの本&ブログ

先に紹介した渡部真さんの本が、神奈川新聞(2012.2.3)で紹介されている。なかなか味のある紹介文なので転載させていただく。
渡部さんの最近のブログでは、森鴎外の小説「沈黙の塔」が紹介されている(http://sociologyofyouthculture.blogspot.com/17章)。私は何故か漱石は読んでも、鴎外は読んでこなかった。渡部さんの文章を手掛かりに、鴎外が読みたくなった。

「師弟」で迫る若者論
学歴、いじめ、ニート…といった、若者をめぐる社会現象を題材にした対話集「ユースカルチャーの社会学」(書肆クラルテ、1995円)=写真(上)=が刊行された。登場するのは“元若者”の大学教授と、“現役の若者”の大学院生。親子ほど世代の違う二人は時に互いを皮肉り、時に「生きにくさ」に悲観的になりながらも、より多くの共感を得るための言葉を丹念に探る。(齊藤 大起)
■当事者のナマの声
 横浜国大教授の渡部真(59)=教育社会学=と同大大学院生の小池高史(28)が、2006年から10年まで雑誌「看護教育」に連載した対談を基にまとめた。専門家による社会分析そのものは珍しくないが「師弟」によるざっくばらんな対話形式は目新しい。本書の言葉を借りれば「自分のなかで考えがいくつかに分裂し、お互いに矛盾している」(渡部)ことを表現するのに成功している。多様な考え方に思い至らせているのだ。
 遠慮がない小池のキャラクターが好ましい。例えば冒頭。「教育の問題や若い人の問題を(略)ズバズバっと斬っていくということなんですが。そこで小池さんにちょっと手伝ってもらえないかと思いまして」と呼び掛ける渡部に「なるほど、自分にそんな斬れ味はないと気づいたのですね」と返す。
 その小池自身が若者論の「当事者」であることも、内容に深みを与えている。神戸連続児童殺傷事件や「キレる17歳」が話題になったころに少年時代を送った。「若者に対する否定的な意見の中で育ってきた」。けれども、そういう批判は印象論が多くナマの声はなかなか顧みられなかった、という違和感が「当事者」にはある。
■集団の中の「私」
 15編の対談の多くに通底する問題意識は、集団・社会と「私」との関係性だ。「集団嫌い」を自覚する渡部は、いじめ問題の項で「一人では何もできないくせに、集団になるとわいてくるパワーが大嫌いです」と直截に語る。研究者が抱く信念がにじみ出る。
 横浜市営地下鉄が乗客に席を譲るなどのマナーを呼び掛けた「スマイルマナー」を話題にした章では「良いこと」に潜む思想的な問題を指摘する。「良いこと」を推し進めることが時に権力的な強制力になっても、それが「良いこと」であるだけに表立って批判しにくいというのだ。子どもたちへの奉仕活動の義務化の議論とも共通する。
 中でも「体育嫌いについて」の章は読みどころだ。渡部は、少年時代に体育が苦手だったと打ち明ける。運動ができ、活発な子が評価される―という学校独特の価値観の中にあって、下手な姿を見られたくないと「自意識で、がんじがらめ」だった。一方、小池は対照的に「そういうもんじゃないか」「気にしなくてもいい」と冷静に受け止めていたという。
 このように、二人の間に温度差はある。が、個人差が“生きる力”の差として固定化されることには両人とも抵抗する。「常に『私』を失わないことが大切だ」と渡部。“現若者”の小池は「同世代でも状況は人によって違う」と、当たり前だけれど忘れがちな視点を強調する。(神奈川新聞、2012年 2月3日朝刊より転載)

毎日新聞の記事

下記の記事は、毎日新聞に掲載されていたようである。http://mainichi.jp/select/wadai/news/20120214dde041040064000c.html

原発:女子学生「廃炉」多数--意識調査
 今後の原子力発電所について、男子学生は「存続派」が多いのに対し女子学生は「廃炉派」が多数を占めることが、全国大学生協連(加盟223生協)が13日発表した意識調査でわかった。
 調査は昨年10~11月行われ、全国28大学8498人の回答を分析した。原発の運用については「今すぐ」「将来的に」の廃炉派が女子48・5%で男子は35・2%。「規模縮小」「現状維持」「積極運用」の存続派は男子54%、女子36・8%と、逆の傾向があった。防災についての意識は「高くなった」「やや高くなった」が男子66・1%で女子は77・7%。生協連全国学生委員長の佐藤美香さんは「妊娠、出産のある女性は、将来の自分の問題として感じているのではないか」と話した。

大学生協の学生生活実態調査から

  全国大学生活共同組合連合会(大学生協)は、2月13日に「第47回学生生活実態調査」の結果を報告した。マスコミにはあまり記事が出なかったが、全国の28大学8498名の学生の調査データが得られていて、過去のデータとの比較もできて、とても貴重な資料である。
まだ、一部のデータしか公開になっていない(報告書は毎年3月に出る予定)ので、私の関心のあること(たとえば「大学生活の中で、現在最も重点を置いていること」の変化などは、まだ見ることはできないが、震災関係のことの大学生の意識に関しては、公表されていて、興味ぶかいデータがある。

 「原子力発電所の運用について」聞いた質問では、次のような回答の分布になっている。
「今すぐに全てを廃炉にすべき」(全体3.5%、男子3.2%、女子3.9%)
「将来的に全てを廃炉にすべき」(全体37.5%、男子32.0、女子44.6%)
「規模を縮小し存続すべき」(全体23.2%、男子23.3%、女子23.1%)
「現状を維持すべき」(全体18.9%、男子23.7%、女子12.8%)
「積極的に活用すべき」(全体4.3%、男子7.0%、女子0.9%)
「わからない」(全体10.0%、男子8.0%、女子12.5%)
「その他」(0.9%)、「無回答」(1.7%)。
 上記のように、「廃炉派」は全体では41,0%、「存続派」は46,4%と、存続派の方が多く、特にその傾向は男子に顕著である(男子;「廃炉派」35.2%<「存続派」54.0%、女子;「廃炉派」48.5%>「存続派」36.8%)。
 これは、文系と理系の学生でも意識の違いが大きく、同じ男子でも、理系は「廃炉派」31,0%、「存続派」58.2%、文系;「廃炉派」42,2%、「存続派」46.5%)と、理系の男子に存続派が最も多く、男子でも文系になると10%ほど少なくなる(女子でも文系と理系の差は10%ほど)。
 私の感想としては、大学生でもこんなに「存続派」が多いのかという驚きである。特に理系の学生に「存続派」が多いことは、広い社会的視野からの教育や議論が必要なことを感じた。

公私の違い

中国の学生を案内していて公私の違いを感じたことがある。
休日で上智の図書館は閉まっていたが、入り口で守衛さんが「少しならいいですよ」と言って、中を見せてくれた。東大の綜合図書館は開いていたが、「専任教官と一緒であれば平日の5時までは見学できるが、今日は休日の5時30分であり、あなたは専任の教官ではないので見学は(絶対に)出来ない」と冷たく断られた。
法律や規則通りにするのが公、人を見て融通をきかせてくれるのが私のような気がする。
中国の学生で「法律の日中比較をしたい」と言っていたものがいたが、日本は法律万能主義で、中国は日本の私的な面(普遍主義に対する個別主義)も重視されるのではないかと思った。もちろん、私的、個別主義のいき過ぎは、いろいろ弊害がありいいわけではないが、法律・規則万能主義も味気ない。