これまで入学試験で、学生を面接する機会は多くあったが、逆に面接される立場から、面接について考える機会はほとんどなかった。
今、学科の学生が、教員採用試験の2次試験対策で、面接や集団討議の練習をしているのを、傍から見ていて、これらを上手にこなすのは、かなり大変だとわかった。
質問されたことに対して、瞬時に的確な答えを言わなくてはならない。定型の質問に対しては(「なぜ教員を志望しているのですか」など)、答えを用意しておき、それを答える場合が多いが、それも自然な感じで答えなければならない。知らないこと、考えてもいなかったことが聞かれた時の、受け答えも大事だ。
個人面談より、集団討議の方が難しい。人の意見を聞きつつ、それに自分の意見を付け加えていく。瞬時にどのようなことを言えばいいのかを判断し、適切な長さで、発言しなければならない。
昨日は、「道徳の教科化」や「いじめをなくす方策」などが集団討議の議題で、学生はそのテーマで,上手に議論していた。私は「自分がその一人だったらどう発言するだろうか」と考えながら見ていたが、かなり難しい。ちょうど、パネルティスカッションでの討議の時のような緊張感と集中力が要求される。
それにしても、面接や集団討議は、学生の日頃の勉強や思索の程度がよくわかる。それは、単なる知識の暗記では、底の浅さが見えてしまう。
私の教育原論や教職概論、そして教育社会学のゼミも、、社会学的な視点や多様な見方を提示して、いろいろ考えさせる内容なので、案外、面接や集団討議には役立っているかもしれないと思った。